もっと写真をうまく撮りたい、楽しみたい方におすすめしたいのがαアカデミーです。レベルに応じた講座が充実しており、特に注目なのが第一線で活躍するプロフェッショナルから撮影テクニックを学べることです。そこで今回は、プロのフォトグラファーから教わる上級者向け講座に体験取材。実際の講座の様子や、どのようなことを学べるのかなどをご紹介します。
αアカデミー 初級講座の体験レポートはこちら
〈αアカデミーとは〉
初めてαを手に取った方から、プロを目指して活動している方まで、幅広い層の方の撮影技術の向上と創作活動を支援するカメラスクール。全国5カ所の校舎(札幌 / 銀座 / 名古屋 / 大阪 / 福岡天神)にて、さまざまな講座が用意されています。
[今回レポートする講座] 野村哲也の写真講座 風景撮影(全3回)
フォトグラファー野村哲也先生から風景撮影を学べる講座。アジサイや竹林など季節や風情を感じさせる被写体を撮影しながら、被写体の探し方、光の表現、レンズの特性を生かした撮影方法を学びます。
[野村哲也先生のプロフィール]
ネイチャー&ワイルドライフフォトグラファー。1974年、岐阜県生まれ。
“地球の息吹”をテーマに、北極、南米、南極などに被写体を追い求める。
現在までの渡航先は120ヶ国以上に及び、世界193ヶ国踏破を目指す。秘境ガイドやTV出演、マスコミのアテンドなどに携わり、国内では写真を織り交ぜた講演活動を精力的に続けている。 α Universe
被写体の見つけ方から
レンズの使いこなしまで
ノウハウを凝縮した座学
今回参加する「野村哲也の写真講座 風景撮影」は、座学、撮影実習、講評会の全3回。一番の魅力はなんといっても世界中の自然や動物や人を撮り続けている野村哲也先生と鎌倉を巡り、間近でプロの撮影テクニックを学べることです。まずは1日目の座学。ソニーショールーム/ソニーストア 銀座の教室で、明日の実習に向けての撮影のポイントを教わります。
座学の前半は、野村先生の解説のもと実習で訪れる予定の撮影スポットを確認していきます。
各撮影スポットでの被写体の見つけ方や狙い所、玉ボケをどう取り入れるか、このレンズならこう撮るなど、解説は多岐にわたります。さらに、明日の天気に合わせた設定や撮り方の話も。事前に天候を想定しておくことは当然かもしれませんが、そういった準備や心構えからプロは違うのだと改めて気付かされます。
プロの普段の撮影スタイルの話に興味津々
講座はさらに野村先生が使われている機材の話に。カメラはα7R II、レンズはSEL1635Zを多用されており、太陽を取り入れた撮影にはこのレンズが重宝するそうです。三脚はほとんど使わず、基本は手持ち撮影とのこと。どうすれば手ブレせずに撮れるか実演されながら、そのメリットを解説されました。
どんなカメラやレンズを使い、どう使いこなしているかはもちろん、プロの普段の撮影スタイルや、撮影地での振る舞いを知ることができるのは、レベルアップしたい受講者にとっても大いに参考になるはずです。
そして、受講者からのJPEGとRAWのどちらで撮るべきかという質問をきっかけに、撮影現場で色味を合わせることの重要性を説く野村先生。現場が一番大事という言葉が印象的でした。講座の終わりには発売されたばかりのα9の話題も。最新機種をプロがどう評価しているのか受講者の皆さんも興味深そうに聞いていました。こうして1日目の座学は終了。
撮りながらその場でプロの技術を吸収できる撮影実習
2日目は、いよいよ鎌倉での撮影実習。お寺を4カ所巡りながら作品を撮る予定です。最初の撮影場所であるお寺に現地集合。待っている間も皆さんカメラやレンズの話に花が咲き、こうした時間も楽しみのひとつです。全員が集まったところで実習開始です。
野村先生が撮影のポイントを簡単におさらいしたあと、アシスタントからレンズの貸し出しが行われます。前日の座学のときに受講者の皆さんの希望を聞き、そのレンズをアシスタントが用意していたものです。今回貸し出されたのは、SEL1635Z、SEL2470GM、SEL100F28GM、SEL90M28G、SEL50M28の5種類。使ってみたかったレンズを借りて自由に撮影を楽しめるのも撮影実習の魅力です。思い思いのレンズを借りたら、いざ撮影です。
さっそく各々自由に撮影し始めます。皆さん普段から写真を撮り慣れているとあって、視点が実に多彩です。少し日が差すと、すかさず野村先生がF16まで絞って光芒を表現してみましょうとアドバイス。状況の変化に応じた撮り方を学んでいきます。さらに、受講者の撮影画面を見ながら細かく設定や構図を教えてくれるのでその場で写真が良くなるのを体感できます。美しい竹林での撮影を満喫して次の撮影地へ。
2カ所目は、鎌倉駅からほど近いお寺へ。目当ての蓮の花は残念ながらまだつぼみの状態でしたが、色とりどりの花が咲く道を散策するように皆さん撮影を楽しまれ、写真を見せ合ったりする場面も見られました。
プロの画づくりを間近で見られる貴重な体験
3カ所目は広い境内を持つ古いお寺です。境内には見ごろのアジサイが咲いており、座学で紹介した作品をどのように撮ったのか野村先生が実践してくれます。受講者の皆さんもアングルや構図を真似して撮ってみます。
天気予報は曇りだったにも関わらず、すっかり晴れてしまった鎌倉。こうなれば太陽を生かした撮影もできます。アジサイの背景に日の光を取り入れながら撮影してみることに。光芒をキレイに表現するのに苦戦していると、野村先生からレンズフィルターを装着している人は外すようにアドバイスが。
フィルターを外した途端、光芒がきれいに出ると受講者も驚いていました。レンズ本来の性能をどう発揮するかは、野村先生が一貫して語られていたポイントでもあり、その重要性を実感できるのも撮影実習ならでは。
最後に訪れた撮影場所は、北鎌倉にある古民家です。100種類以上あるといわれるアジサイの数々に皆さん夢中で撮影。さらに、繊細な光の表現を取り入れる方法を野村先生が液晶モニターを見せながらレクチャーします。
プロの撮影風景や画づくりしている様子を間近で見られるというのは、撮影実習に参加して改めて気づいたメリット。第一線で活躍されているフォトグラファーの撮影中の画面を見られる機会はめったになく、受講者の皆さんも真剣に覗き込んでいました。とても中身の濃い約3時間の撮影実習がこうして終了しました。
自分の写真の伸び代を実感できる講評会
撮影実習から一週間後、講座3日目の本日は講評会です。受講者の皆さんに鎌倉で撮影した作品を数点ずつ持ってきていただき、モニターに映しながら一点一点良いポイントや改善点などを野村先生に講評していただきます。
受講者の皆さんの力作に野村先生も驚きながら、「あと半歩左にポジションを移動した方がいいよ」や「もう一段絞って引いて撮ってみたら」など、次の撮影に生かせるポイントを細やかにアドバイス。自分の課題や改善点が具体的に分かります。また、受講者の皆さんの作風や視点が全く異なるため、他の方へのアドバイスを聞いているだけでもとても参考になります。
さらに講評会の後半では、野村先生が受講者の作品をその場でレタッチ。写真の明るさを部分的に変えたり、トリミングしたりするだけで作品の印象が大きく変わり、自分の写真にまだまだ伸び代があることが分かります。最後に、野村先生が撮影実習時に撮られた作品を紹介して、全3回の講座が終了しました。
α7R II + FE 50mm F2.8 Macro
NEX-6 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS
α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSS
α7R II + FE 50mm F2.8 Macro
α9 + FE 24-70mm F2.8 GM
α7 II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
プロに学べば、最短距離でレベルアップできる
現場で培われたテクニックと経験に裏付けされたノウハウを知ることができるだけでなく、直接アドバイスをもらうことで写真上達のポイントが的確に分かる。それがプロフェッショナルから学ぶ講座の魅力だと感じました。
今回は上級者向けの講座でしたが、必ずしも敷居が高いという印象はなく、皆さんとても和やかに受講されているのが印象的でした。撮影ジャンルごとにプロフェッショナルから学ぶ講座はあるので、一つ上の写真表現を目指す方は、ぜひ参加してみてください。
今回参加された方の声をご紹介
- 次回の野村先生の講義も参加したいと思います。
(60代 男性/α7R II) - 楽しかったです。また参加させてください。
(40代 女性/α9) - 大満足の講座でした。ウィークデーでも開催してほしいです。
(70代 男性/α7 II) - 野村先生の撮影スタイルが好きで参加させていただきましたが、たくさん新しい撮り方ができるようになりました。
(30代 女性/NEX-6)