カメラに求める条件
良くなるものが沢山ある。
カメラも例外じゃない。”
柳田さんはスノーボードの撮影を軸として、幅広い分野で活動されていますが、スノーボードカメラマンとしてスタートしたきっかけは何ですか?
もともと、父の家業だった写真屋を継ぐために日本芸術専門学校へ行っていたのですが、好きだったスノーボードでプロを目指したくなり、25歳までスノーボーダーとして活動していました。26歳になった頃、真剣にスノーボーダーとして活動していくか考えている時に、競馬や自動車の撮影を始め、郡大二郎先生に師事し、アシスタントとしてスタートしました。本格的にスノーボードを撮り始めたのは、知り合いになっていたスノーボード雑誌社から撮影を頼まれたことがあり、やってみたら、案外できてしまったのです。それが、スノーボードカメラマンとしてスタートしたきっかけになりました。
スノーボードの撮影では、
普段はどのようなスタイルで撮られていますか?
スノーボードの撮影には、ジャンプ台があるゲレンデなどでの撮影のほかに、深い雪山に入って行く「バックカントリー」と言われる場所での撮影もあります。私はどちらの場所でも撮影しますが、エクストリームスノーボーディングと言われる、激しくダイナミックなジャンプやターンなどを撮影する場合、やっぱり大自然の中で撮りたいのでバックカントリーで撮影することが多々あります。
バックカントリーでの撮影は過酷だと思いますが、その中でどんなカメラを使っていたのでしょうか。
バックカントリーでの撮影は過酷だと思いますが、
その中でどんなカメラを使っていたのでしょうか。
私自身は、これまで一眼レフで撮影していました。カメラとレンズ、フラッシュなどを詰めこんだ上で、当然それ以外にも、スノーシューなどの雪山で移動するための装備も詰め込むことになるので、装重量15〜20kgにもなる大きなリュックを背負って移動することになります。誰も踏み入れていない、深い雪山に入って撮影する訳ですから、少しでも装備は軽いほうが助かるんです。でも、エクストリームスノーボーディングを撮影する場合、激しく動く被写体を捉えるオートフォーカスの性能と、カメラ自体の堅牢性は譲ることができません。そして、そうした撮影に対応できるのは一眼レフしかないから仕方ないし、当たり前のことだと思っていました。
スノーボードの撮影に使うカメラに
求める要素はなんでしょうか。
私がスノーボードの撮影で、カメラに求める条件は大きく分けて4つあります。それは、オートフォーカス性能・連写性能・堅牢さ・軽さです。エクストリームスノーボーディングでは、スノーボーダー(以下、ライダー)が非常に激しく動くので、それをしっかり捉えるオートフォーカスの速さと、連写追従性が必要です。と同時に、カメラマンたるもの、どんな時でもその場にいて、撮ることが何より大事な一面もあります。だからこそ、重いからといってカメラを持っていなかったり、妥協してオートフォーカスの余り信頼できないカメラを持って行って、結果撮れなかったら、全く意味がない。だからこそ、自分の体力で持っていける範囲で、最大限信頼のおけるカメラを選ぶと、一眼レフのシステムだったわけです。
そんな柳田さんは、ミラーレスのカメラをどう感じていましたか?
ミラーレスのシステムにも興味はありました。だって、世の中小さくなって良くなったものって沢山ありますよね。オーディオも携帯電話も、時代の流れの中で小さくなって信じられないくらい良くなったものって沢山あります。カメラだけがいつまでも例外では無いんじゃないか、と思って、試してみたいと思っていました。そんな中で、今回α6300を試す機会をいただきました。