中西 学
「オールマイティーな機能がしっかりと
小型のボディに凝縮されている」
1976年岡山県生まれ三重県在住。神戸電子専門学校卒 (CG/CAD学科)卒業。
2005年より「UKPHOTO」として活動中。撮影ジャンルは風景、スポーツ、空撮、ポートレート、ウェディング、各種イベント、発表会、料理写真、商品写真、建築写真など多岐にわたる。
α7が不可欠な存在になりました
私の仕事は風景、スポーツ、ポートレート、物撮り、建築などの幅広いジャンルにおいてストックフォトへの素材提供、ウェディングを中心としたイベント撮影を行っております。私は今α7R IIで仕事をしています。α7に出会うまでは一眼レフカメラで仕事をしていたのですが、1日中持ち歩いているとカメラバックをぶら下げている肩がとても痛くなるので、いつもレンズを厳選していました。それでも、結局バックにぎゅうぎゅうになるくらいになってしまい、望遠レンズなどが入ると重くて仕方がありませんでした。スポーツ撮影の際は一脚をつけて動き回るので、カメラを支える右手の中指が腱鞘炎になるくらい痛くなってしまい、スポーツの撮影が続く時は憂鬱でした。それでも画質に妥協はできないので、いつも体に鞭打ちながら撮影をしていました。カメラマンは体力勝負なのです。そんな時に発売されたのがα7でした。これだけ小型で軽量なボディにフルサイズセンサーを搭載していることやツァイスレンズが使えることは私にとってとても魅力的でした。しかし、私にはレンズ資産もありましたし、すぐにαにシステムすべてを変える訳にはいきませんでした。その中でも一番の不安が仕事の現場に持って行って実際に使えるのかということ。店頭やソニーストアで試すには限界があったので、思い切って買い増しという形でα7Rを購入しました。不安を抱きながら仕事場に持ち出して使ってみましたが、充分に使えました。α7Rとツァイスレンズの画質は素晴らしいですし、やはりカメラの小ささと軽さは非常に大きなメリットでした。ボディだけでなく、レンズも小さくなることはたいへん助かります。さらに、フォーカス時のピント拡大、電子水準器、クリエイティブスタイル、オートHDRなど自分にとって使いやすい機能が多くあったことは嬉しい誤算でした。EVF(電子ビューファインダー)が使えるかが非常に心配でしたが、今となってはEVFじゃないと無理ですね。ピント拡大ができるので、被写体の細かい部分のピント合わせがしやすいですし、暗闇でも星にしっかりピントが合わせられます。星空は今まで苦労して撮っていたので、「いいのかな?」と思ってしまいます。また、ウェディングでの撮影では無理な体勢での撮影を強いられることが多々ありますが、電子水準器があると簡単に水平をとれて助かります。撮影後にファインダーにプレビューが出ることで、新郎新婦の目つぶりチェックができ、目つぶりを考慮して何枚も撮っておく必要がなくなりました。
この夏にα7R IIを購入し、今はすべての撮影をα7R II1台で行っています。どの撮影シーンにおいても使いやすく、私にとってα7が不可欠な存在になりました。
これまでの撮影の常識を
覆すカメラだと思います
APS-Cサイズ撮影の機能をよく使います。普段はVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSをよく使うのですが、状況に応じでAPS-Cサイズ撮影に切り替えることで、広角から中望遠まで1本のレンズで幅広く使用しています。α7R IIは高画素なので、APS-Cにクロップしても充分な高画質で撮れます。また、動画も本格的な4K動画撮影ができ、FE PZ 28-135mm F4 G OSSのようなパワーズームレンズがラインアップにあるのは個人的に嬉しかったです。
私はスポーツも撮りますが、コンティニュアスAFはすごいですね。食いつきがすごいです。スポーツなどの撮影は1試合で1万枚以上の撮影になります。後半になってくると目が疲れてきてピントが合っているのかわからなくなってくるのですが、コンティニュアスAFが非常によく食いついて追っかけてくれるので、助かっています。恐らく本体とレンズの相性がとてもいいからこそ実現できていると思います。暗所でもAFがしっかり合いますし、高感度もかなり強い印象です。α7R IIはかなりの高画素なので、高感度にはあまり期待してなかったのですが、驚きでした。スペック以上にいいカメラという印象です。
私はカメラの機能をよく使うので、オートHDRも使います。あれはとっても使いやすいですね。毎年イルミネーションの撮影依頼も多くあるのですが、オートHDRできれいに撮れますね。いやらしくない画づくりをするという印象です。仕事で納品しても問題ないレベルなので、個人的には使えると思います。ウェディングでのステンドグラスや大聖堂をオートHDRで撮ると、ツァイスレンズの性能と相まってとてもいい色が出ます。
カメラの機能以外においても、シャッターボタンの感触など、よく考えられてつくられているなと思います。チルト可動液晶などの高級機では搭載されないことが多いものもしっかり入っている。オールマイティーな機能がしっかりと小型のボディに凝縮されている印象を受けます。これまでの撮影の常識を覆すカメラだと思います。これからもα7シリーズでさらに良い写真を撮っていきたいと思います。