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■パルスの高低による音量調整の仕組み
デジタルアンプの新しい音量調節技術として開発したのが、パルスハイトボリューム。デジタルアンプでは、アナログアンプと異なりデジタルデータを扱うため、音量調節は一般的にデジタル信号に「1」以下の係数(例えば「0.5」)を掛け合わせることで行います。音量は「0.5」を掛けると半分になります。ところが、この方式では、下位ビットのオーディオ情報が失われるため、音質が劣化します。そこで、S-Master PROのパルスハイトボリュームは、パルスの高さを増減することで音量を調節。例えば、パルスの高さを半分にすることで、音量を半分に絞ることができます。パルスの高さの調整は、パワードライバーに電圧を供給している電源の電圧で制御。デジタル領域でデータを操作しないため、情報の消失がなく、小音量から大音量まで、広い範囲でディテールを損なわず高音質を維持できます。
■アナログアンプの位相特性をDSP 演算によって再現
アナログ方式のパワーアンプでは、数10Hzより下の低域で位相が進むのが一般的です。これに対し、S-Master方式は、基本的にDCまでフラットな位相特性です。このこと自体は理論的に悪いことではありません。しかし、現在発売されている映画や音楽ソフトは、アナログ方式のパワーアンプの位相特性を前提として制作されています。このため、フラットな特性のデジタルアンプで増幅した音は、低域の表情が作成されたときと違ったものになりがちです。
そこで、S-Master PROで開発された低域の位相コントロール技術が、DCフェーズリニアライザー。アナログ方式のパワーアンプと同じ位相特性をDSPによる演算で再現。これにより、S-Master PROは、デジタルアンプでありながらアナログアンプに近い、十分な低音感が得られます。この位相特性は、6個のカーブから選択できますが、完全DCアンプとなる「OFF」も選べます。