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タップダンサー・熊谷和徳が語るCM撮影ウラ話 もう、CMというより30秒の作品と言える完成度だと思います。
T9のCMで華麗なタップを披露しているタップダンサー・熊谷和徳さん。その熊谷さんに、シドニーで行なわれたというT9のCM撮影についてお話をお伺いしました。
初めての海外ロケCM撮影を振り返って
―まずは完成したCMを見ての感想をお聞かせください。
「自分で言うのもなんですが、すごくよくできていると思います(笑)。30秒という決められた時間の中で、タップならではのスピード感、手ブレ補整機能をイメージさせるようなカットなど様々な要素が凝縮され見事に融合しているなと。撮影現場でも、監督やスタイリストさんをはじめ、スタッフの方々などCMに関わった全員がいいものをつくろうと一丸となっていたんです。そのエネルギーがCMから伝わってくる感じですね。もう、CMというより30秒の作品と言える完成度だと思います。もちろん苦労もたくさんありましたけど(笑)」
―どういったところが一番苦労されましたか?
「一番はスケジュールかな。撮影期間は2泊3日で、初日はリハーサルのみという予定が天気が崩れるか もしれないということで、初日からいきなり撮影になったんです。実は初日って東京公演のリハーサルがあ って、それが終わったあとすぐ飛行機でシドニーに。9時間のフライトのあと休む暇もなくですから。でもCM の現場ってこういうものなんだ、ってひとりで納得していましたけど(笑)」
―天候は大丈夫でしたか?
「なんとか。雨が降ってきたら一時中断して、雨宿りしながらタイミングを見計らって、少し晴れたら今、行こ う! 屋内でやる自分の公演などでは考えられないですし、常に撮影できるようテンションを高めていかな いといけないから大変でした」
―現場に着いてからすぐにCMのイメージはつかめたのでしょうか?
「いや苦労しましたね。いつも自分がやっている舞台とは違うし、監督が持っているイメージに応えなくては いけない。シドニーに着いてからすぐにアップできたということはなかったです。未だに自分の中では“あそ こはもうちょっとこうしたほうが良かったのかな?”というところもありますね。でも完成した映像を見たら、自 分には分からなかった面というのがたくさんあることに気づきました。撮影しながら徐々に出来上がる、現場 でつくりあげていくというのはすごい勉強になりました」
日常の生活の中にタップの音を響かせる
―今回のCMのコンセプトについてお聞かせください。
「T9の機能として一番伝えたかったのは“手ブレ補正機能と高感度 センサーのダブルでブレない”っていうことなんですよね。話を聞く と僕に決まるまでいろいろなアイディアがあったみたいなんです。 でも今回は日常的なシーンの中に、ひっかかりとしてタップの音、 リズムを取り入れようということになったそうです。皆さんが普段生 活している中でタップの音というのはあまり聞かないですからね。 また踊りはブレるというところにもかかっていますし」
―なるほど。確かにTVからタップの音が流れると注目しますね。熊谷さんのお気に入りのシーンがありましたら教えてください。
「夜のシーンで板の上をシャーッと滑るところがあるのですが、あれはメチャメチャ気分がよかった!  ヨットハーバーのようなところなんですが、そこがひとつのステージのようにつくり込まれていて、周りに はギャラリーがたくさんいる。もうCM撮影というよりはライブをしている感じでした」
―ギャラリーの反応はいかがでしたか?
「面白かったです。最初はもの珍しい感じだったけど、何度か回を重ねると一度終わるごとに拍手みた いな。こちらもテイク重ねるごとにテンションがあがっていって、すごく盛り上がりました。でも撮影だか らスタッフが黙ってと指示を出すんですよ(笑)。自分としてはワーッて盛り上がってほしいし、“もっと 来いよ!”ってあおりたかったです」
―やはりギャラリー(観客)の目は気になりますか?
「もちろん。監督は気にせずにって言うんだけれども、普段は僕の踊りを見に来てくれた人たちを喜ば せるのが当たり前だから、その人たちが静かだと“アレ? 今のキマったでしょ?”って(笑)。でもその 現場の雰囲気というか、あの状況の中でできたのは本当によかったです。自分で板を担いで渋谷の 路上で踊っていたときは、そんなに人も集まらなかったですけれども、今回は自分のために用意された ステージ、自分のためのライティングなど、もう格別でした! こんなストリートが自分にできるんだと、 感慨深かったです」
30秒という制限の中でスピード感を表現
―そのほかのシーンはいかがでしたか?
「いろいろありました。その中でもカメラにT9を向けるシーンがある のですが、T9が画面の真ん中に来るようポーズを決めなくてはい けないんです。でも少しズレてもNG。それがものすごくシビアでし たね。だけど、いつものライブでは画面構成なんて考えたことがな かったですから新しい経験でしたし、逆にやりがいもありました。 また、ただ飛ぶだけのシーンがあったんですけれども、実はそれが すごく大変で。高いところから前を向いて飛んでくれと言われたん ですが、本当に下が見えなくて、下で皆が支えてくれるんです。 もうスタントマンみたい(笑)」
―熊谷さんから何かアイディアを出されたところはありますか?
「最初のシーンで初めは音楽が流れるようになっていたんですが、“タップだけにしたらどうですか?” って提案しました。それを気に入ってもらい、そのタップのリズムも自分で決めさせてもらったんです。 絵コンテなどを見て、30秒という短い時間の中にもスピード感のあるものをと思ったんです。なので画面 を躍動するイメージにしたくて、即興であのリズムにしました」
―各シーンの撮影はスムーズにできましたか?
「テイク的にはそんなに多くなかったと思います。3、4回ぐらいかな。でも結構キツかった。目が泳いでい るとか、顔がこわばっているよとか監督に言われて。テイクを重ねるごとにプレッシャーがかかってくるん ですよね。アセリというか。最初は気軽にやっていたのに、どんどんできなくなってくる(笑)」
―CMを大勢の人に観られるということについてはいかがですか?
「テレビで放送されるということに関しては、あまり実感がないんですよね。それよりも作品が残ったという ことが、すごい大切。自分の中で一生残る30秒になると思うんです。自分が今までやってきたタップという アートを新しい形で表現できるということが一番の喜びです。それは監督とのコラボレーションでもあり、 商品とのコラボレーションでもあると思います」
T9のCMを見てくれた人がタップに興味を持ってもらえたら
―今後はどんなメディア、もしくはどんな商品とコラボレーションしていきたいと思いますか?
「ぜひシリーズ化で(笑)。ストーリーの続きで、世界各国いろんな 舞台で踊ってみたいです。でも本当に30秒のCMの世界はものす ごく凝縮された世界で、下手なプロモーションビデオよりも、ものす ごく密度が高い、内容が濃いものだと改めて感じました。短い決め られた時間で世界観を表現するということを、もっとやってみたい ですね」
―T9を実際に使ってみていかがでしたか?
「すごく液晶が綺麗ですよね。今まで携帯のカメラに慣れていたの で、それと比べると圧倒的に違う感じがします。それに手軽に持ち 運べるのでいろんなところで撮れますし。音楽付きのスライドショ ーも面白いですよね。好きな音楽も入れられるってことなので、 タップの音を入れてもいいかも。実は写真がすごい好きで、自分で 撮った何気ない写真をライブで流しながら踊ったこともあるんです よ。これを機にまたいろいろと写真を撮ってみようと思います。写真 によって自分の表現の幅が広がりますしね。あと今ブログをやって いるので、そこでも撮影した写真を公開していこうと思います」
―それでは最後に、今後のスケジュールと、これからの夢についてお聞かせください。
「2006年1月18日に、SMEレコーズより第2弾DVD「Tap Me Crazy!」を発売します。 また、12月に東京で、そして来年2月には東京、新潟、仙台、大阪にてライブをやる予定です。

これからの夢ですが、今タップをやっている人たちの中には、どういう方向に進んでいいか分からない 人も多いと思うんです。そこで大きな夢としては、タップのプロフェッショナルなカンパニーをつくって、 これからタップをやる人たち、今タップをやっている人たちが向上していけるような場所を提供していき たいですね。今以上にタップの芸術的な地位を確立できればと思います。もちろんステージは全国、 そして海外でもやっていきたいです。今回のCMを見て、タップに興味を持ってもらえれば一番嬉しい ですね」
熊谷和徳 今後のスケジュール
DVD「Tap me Crazy!」
■DVD「Tap me Crazy!」2006年1月18日リリース
SEASONS CONCERT WINTER 2005
 
場所 東京 原宿クエストホール
日時 12月16日(金曜)、12月17日(土曜)(16日 開場18時、開演19時)(17日 開場17時、開演18時)
ゲスト クリヤ・マコト(ピアノ)・SUARA SANA / 川村亘平、濱元智行(ガムラン)岡山守治(口琴/ホーメイ)・三枝彩子(オルティンドー)他
チケット好評発売中
チケットぴあ/0570-02-9999
お問い合わせ:ミンファプラン 03-5378-5690
http://www.minfaplan.com/
TAP MAN×PIANO MAN 公演
東京 アートスフィア(天王洲アイル)
日程 2/10(金)19:30・2/11(土)17:00
料金 S席\6500 A席\5000(全席指定 税込)
主催・制作 TBS/アートスフィア/ヴィーブル
後援 産経新聞社
制作協力 ソニー・ミュージックアーティスツ
企画制作 スフィア/パソナ・ア・テンポ
お問合せ アートスフィアチケットセンター 03-5460-9999
チケット好評発売中
新潟 りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館・劇場)
日程 2/14(火)19:00
料金 全席指定(税込)\5250
主催 NST新潟総合テレビ
共催 (財)新潟市芸術文化振興財団
お問合せ   キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
発売日 2005年12月10日(土
仙台 仙台市青年文化センター(シアターホール)
日程 2/15(水)19:00
料金 全席指定(税込)\6000
主催 仙台放送
協力 ウェルパフォーミングアーツマネージメント
後援 仙台市市民文化事業団、河北新聞社、
仙台リビング新聞社、Date fm
お問合せ   仙台放送 022-268-2174
チケット好評発売中
大阪 なんばHatch
日程 2/22(水)19:00
料金 指定席(税込)\6500 立見(税込)\5000
主催 ミューベンツ・ジャパン
共催 ソニー・ミュージックアーティスツ
協力 朝日放送
お問合せ   キョードー大阪
発売日 2005年12月17日(土)
※公演の詳細については、各お問い合わせ先にご確認ください。
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Profile
熊谷和徳
熊谷和徳 ( くまがい かずのり )
1977年仙台市生まれ。 15歳でタップダンスを始め19歳で渡米。20歳でブロードウェイの大ヒットミュージカル「Noise & Funk」の出演者養成学校Funk Universityへ初の日本人として入学。 グレゴリー・ハインズが絶賛。その後NYの地下鉄やストリート、ライブハウスの殿堂ニッティングファクトリー等で独自の活動を続け、一時帰国。 98年熊川哲也主演のYellow Angelにソロ出演。02年7月NYで出演したNYCタップフェスティバルについては、ヴィレッジボイスに「日本のグレゴリー・ハインズ」と批評された。 NYで6年半の活動後帰国。04年10月天王洲アートスフィアにて行った単独公演は各方面から絶賛。2005年1月にはNYCタップフェスティバル全米ツアーに日本人として初参加。 2005年3月初のツアーを全国のクラブクアトロで開催、オールスタンディング、クラブ仕様で新たな展開に突入した。
熊谷和徳オフィシャルサイト
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