劇場用の3Dデジタルシネマプロジェクターに使われている「SXRD」。VPL-VW90ESでは、この「SXRD」の技術を継承。映画館で上映されている大画面での高画質3D映像がご家庭で楽しめます。
通常3D映像を再生するときは、左目用、右目用の映像を1秒間に60コマずつ、合計120コマで表示します。VPL-VW90ESの「SXRD」では、240Hzパネル駆動方式を採用し、左右の映像を240コマで再生。左目用、右目用の映像をすばやく2度書きし、右目用、左目用の映像が混ざらない状態で3Dメガネのシャッターをオープン。これにより、3D特有の「クロストーク」現象を極限まで低減し、高画質な3D映像を再現します。また、3Dセッティングのフレキシビリティーも追求。3D映像の奥行き調整や3Dメガネの明るさ調整機能、さらに、従来の2Dコンテンツも3D映像に変換できるシュミレーテッド3D機能も搭載しました。
映画のならではの映像をありのままに再現するために。ソニーが独自に開発したフルHDパネル(*2)「SXRD(Silicon X-tal(*3)Reflective Display)」を搭載。独自の垂直配向液晶技術や高度なパネル化プロセス技術の確立により、高輝度はもちろん、高コントラスト、2.0msec(ミリ秒)(*4) 高速応答速度を達成しました。さらに、この「SXRD」の液晶駆動を従来比2倍に向上させ、120Hzハイフレームレート表示を実現。パネル自体がもつ高速応答と合わせ、残像感のきわめて少ない、高精細な映像表現を可能にしました。
また、VPL-VW90ESは、液晶パネルの視野角特性を改善する高性能フィルター群を新たに採用し、パネル反射時に発生する光漏れを大幅に低減。光学部品も「SXRD」に合わせ最適化を図り、フィルター通過時に発生する光漏れも軽減しました。加えて、液晶パネルに固着したハイコントラストプレートも改良するなど、より効果的に光を液晶パネルに伝えることや「アドバンストアイリス3」、0.2μm画素間構造により、最大150,000:1(*1) の高コントラスト比を実現しました。ガンマモードも11モード(切を含む)とし、お好みの画質で映像をお楽しみいただけます。
映画の映像を忠実に再現するためには、さまざまなシーンでの映像表現力が重要になります。「アドバンストアイリス3」では、映像の白から黒への比率を識別してアイリスを絞ることで、ランプからの光量を映像に合わせ適切に調整します。たとえば、光量を下げた場合でも、ピーク輝度を電気処理により、もとの白ピークレベルまで補正。また、この電気処理により、さらに深い黒を再現でき、ダイナミックレンジを拡大しました。また、高いコントラスト性能を持つ「SXRD」フルHDパネル(*)や「ハイコントラストプレート」などの組み合わせにより、高コントラスト比を実現。暗いシーンの多い映画では黒の階調を豊かに表現でき、被写体の立体感やディテール、そして映像の奥行き感をリアルに描きだします。また、映画のジャンルや映像ソースによってオート1/オート2/マニュアル/オフ、という4つのモードを選択可能。マニュアルでは、手動でアイリスを細かく調整できます。
液晶技術「モーションフロー」には、映画やテレビ放送の映像を1秒間120コマで表現し、なめらかな動きを再現するモーションエンハンサー機能と、残像感を低減するフィルムプロジェクション機能の2つがあります。120Hzハイフレームレート対応の「SXRD」と相まって、映画をはじめ、スポーツなどの動きの速い映像をくっきり、なめらかに表現します。また、120Hz ハイフレームレート対応の「SXRD」は、1秒間240コマの映像をつくりだすことができる240Hzの液晶駆動方式を採用。VPL-VW90ES では、この4 倍速技術をベースに高品位な3D 映像を実現し、3D コンテンツを迫力ある大画面で楽しめます。
■撮像時の「ぼやけ」を改善するIB リダクション機能:1/60 秒(60i)や1/24 秒(24p)ごとに連続する静止画を撮影するカメラでは、その間(1/60秒間や1/24秒間)に被写体が動いている場合、映像に「ぼやけ」が生じます。IBリダクション機能は、その「ぼやけ」を検知し補正する技術です。VPL-VW90ESでは、この補正後の映像をもとに補完映像をつくりだす処理を行うため、よりくっきりとした映像を再現できます。
■1秒間60コマの映像を120コマで再現:モーションエンハンサーでは、映しだされる映像の動き、スピードを分析。ソニーが映像機器の開発の中で培った独自のアルゴリズムで、精度の高い補完映像を新たに60コマつくりだし、通常1秒間60コマの映像を120コマで再現します。さらに、縦、横、斜め、すべての動きの緻密な検知と映像処理に加え、ハイフレームレート対応の「SXRD」の採用により、動きの速い映像をくっきり、なめらかに表現します。
■映画の1秒間24コマの映像も、いっそうなめらかに表現:映画など1秒間24コマで撮影された映像では、動きの情報量が足りず映像がなめらかにつながらないことがあります。モーションエンハンサー機能では、1秒間24コマの映像の1 コマあたりに3コマの補完映像をつくりだし、1秒間96コマの映像で再現。動きの激しいアクションシーンなども、なめらかな映像で映しだします。
従来の3管式プロジェクターの画質調整機能を継承し、より高度な画質チューニングを可能にするために。VPL-VW90ESでは、11種類( 10種類+OFF)の多彩なガンマモードを搭載(*)。しかも、これまで3段階だった黒補正調整機能を±3ポイントの7段階調整に強化。同じ補正段階に対応した白補正調整機能も追加しました。これにより、約500とおりの調整が可能に。楽しみたい映像ソフトや部屋の視聴環境に合わせて画質をきめ細かく、つくり込むことができます。
◎11種類のガンマモード
■ガンマ1-4:映像の明るさが「明⇔暗」で定量的に変化していきます。
■ガンマ5:映像の暗い部分を明るくし、階調表現が豊かになります。
■ガンマ6:明暗をやや強調した画質になります。
■ガンマ7:明暗を「ガンマ6」より強調した画質になります。
■ガンマ8:フィルムのガンマカーブに準じた設定になります。
■ガンマ9:「ガンマ8」よりも黒側の階調表現が豊かになります。
■ガンマ10:デジタルカメラの静止画のガンマカーブに準じた設定になります。
■切:ガンマ補正の入っていないモードになります。
映画視聴に最適な画質を提供するために、ソニーが推奨するフィルム映画と同等の画質モード、デジタルシネマの画質モード、プロフェッショナルモニターと同等の画質モードの3種類のシネマモードを備えました。色彩はRCP(リアルカラープロセッシング)により、調整したい色を細かく選び、色ごとにお好みの色合い、濃さに調整することができます。
投射レンズにはフルHD(1,920×1,080ピクセル)映像の高い解像度を再現可能な1.6倍『電動』ズーム搭載の大口径レンズ“ARC-F(オールレンジクリスプフォーカス)レンズ”を搭載、画面の隅々までキレのある映像を実現しています。アルミの鏡筒にガラスレンズを収納、全てのレンズに前面マルチ反射防止処理コーティングを施し非常に高い解像度を実現しました。さらに、フレキシブルな設置を可能にする『電動』レンズシフト機能(上下65%、左右25%)も搭載し、キレのある映像を保ちつつも、幅広い設置環境に合わせた投射が可能です。
200W「高圧水銀ランプ」と独自の光学エンジンによる光の高効率化などで、メリハリのある明るい映像を実現。併せて、今まで再現が難しかった白や赤の色表現能力を向上させ、忠実な色を再現します。上位機種『VPL-VW200』に搭載しているキセノンランプの色再現性に一層近づけ、映像全体をより引き締めました。
冷却のエアフローシステムを最適化したことで、ファンの低回転化を実現。風切り音と駆動振動を低減しました。また、ランプ冷却については、エアフローをストレート化し、低風量で冷却できるランプハウジングにより、ファンノイズを約20dB(*)まで低減しました。これにより、静寂な映画のシーンを充分に堪能できる静音設計を実現しています。
本機は、プロジェクターの調整機能で頻繁に使用されるシャープネス、明るさ、コントラストや新機能のシネマモード1/2/3を直接選択できるダイレクトキーを配置しました。操作しやすいように選択ボタンを大きくしながら、リモコン本体はスリムなデザインを実現しました。さらに、暗い視聴環境下でも視認できるよう、ブルーバックライトを搭載しています。
接続にはDeepColor、x.v.Colorに対応したHDMI入力を2系統搭載し、拡大するフルHDの再生機器やゲーム機、ビデオカメラなどのデジタル機器の複数接続を可能にしました。また、ビデオ入力、コンポーネント入力、アナログRGBやPC接続のD-sub15ピン入力端子も各1系統ずつ装備しています。HDMI入力ではブラビアリンク機能に対応し、本機のプロジェクターリモコン1つで「ワンタッチプレイ」「システムスタンバイ」等の操作を簡単に行えます。さらに、外部アナモフィックレンズ(市販品)を装着し、本機アナモフィックズームモードを使用することで映画特有の2.35:1アスペクトによるシネマスコープ映像をお楽しみいただけます。
ブルーレイディスクフォーマットで規定されている映画本来の画質を楽しむ24p信号入力に対応。映画フィルム(24コマ/秒)からビデオ信号に変換される際に生じる映像の劣化を発生させない為に、映画の記録方式をそのまま本機に入力し、映画そのものの高い質感で楽しめます。