1. エンクロージャーの響きを美しくコントロール

• 素材

  ARシリーズと同様に、スピーカーのエンクロージャーとしての剛性の高さと響きのコントロールを追求しました。エンクロージャーには、内部補強材を含め、北欧産のバーチ（樺）材を採用。適度な強度と美しい響きを兼ね備えたこの素材は、寒冷地で育った独特の澄み切った響きを有します。板厚36mmのバッフル板によって強固な剛性を実現。ユニットの強力な振動を受け止めます。

• 製造

  こだわりの素材は、日本が世界に誇る木工職人の手によって、丁寧に仕上げられます。接合方法や接合方向、使用する接着剤、嵌合精度のすべてを吟味し、高精度な加工によって組み上げることで、高剛性かつ美しい響きのエンクロージャーを実現しています。

2. ユニットへのストレスを低減したエンクロージャー

ARシリーズの設計思想を受け継ぎ、3ウェイ6ユニット構成を採用。
音楽情報の核となる中・高域を担うミッドレンジ、トゥイーター部に独立したエンクロージャーを設け、ウーファー部との間を2枚の板で完全に分離しています。強力な振動源であるウーファー部から分離することで、中・高域ユニットへのストレスを低減し、ゆとりある音楽再生を可能にします。また、バッフル板と後部エンクロージャーとの接合は、ユニットの振動方向を考慮することで、ユニットの振動が直接エンクロージャーに伝わりにくい構造にしています。

3. 高音質にこだわった専用のスピーカーユニットを搭載

SS-NA2ESはすべてのユニットを専用に新規開発。自然で心地よい音楽を再現するため、スピーカーユニットの特性を追求するだけではなく、作品に込められた演奏者の想いまでも感じられるようにこだわりました。

• ウーファー

  新規開発した165mmのウーファーはクリアで力強い低域再生のために、強固なアルミ振動板を強力な磁気回路で駆動します。さらに、ダブル・ウーファー構成により、自然な低域再生を実現します。

• ミッドレンジ

  130mm口径のペーパー・コーンを新開発。振動板に渦巻状の溝を設けることで共振を抑え、滑らかな中高域を再生します。ARシリーズで採用したスライス・ペーパー・コーンよりも振動重量を軽くすることで、より自然な再生音を獲得しています。

• トゥイーター

  25mmのメイントゥイーターはソフトドームとし、自然で滑らかな高域再生を実現しました。
  また振動板後方の磁気回路に穴を設け、背圧の影響を軽減することで、不要な共振を除去し、より自然でクリアで伸びやかな高域を再生します。エッジ一体の振動板形状及び、振動板とボビンの接合方法の最適化により、45,000Hzの高域再生能力を有します。

4. 新規開発“I-ARRAY^TM System”により、自然で広い指向特性を実現

トゥイーター部には、25mmソフトドーム型のメイントゥイーターと、それをアシストする19mmソフトドーム型トゥイーター2個で構成される“I-ARRAY^TM System”を採用。
スピーカーユニットは、受け持つ周波数が高くなるほど指向特性が狭くなり、その特性はユニットの口径で物理的に決まります。口径が小さいほど指向特性は広くなりますが、大型のフロア型システムとして必要な音圧が不足しがちです。このため、メイントゥイーターと2個のアシストトゥイーターの3つのユニットを縦配列することで、広い指向特性と十分な音圧の確保を実現しました。3つのトゥイーターをあたかもひとつの音源として機能させるため、適切な配置やフレーム形状、取り付ける奥行をコンピューターシミュレーションと実測及び、試聴を繰り返し、最適化しました。
これにより、表情豊かで、生き生きとした音楽を再現します。

5. 美しくシンプルなデザイン

どのような空間にも溶け込む、美しくシンプルで上質なデザインを採用。心地よい音で長く音楽をお楽しみいただけます。