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第10回「ソニーマーケティング学生ボランティアファンド」では、全部で64件の応募がありました。大学別には、国立大学 10大学・公立大学 10大学・私立大学 44大学、合計 64の大学から応募がありました。
ソニーマーケティング学生ボランティアファンドも創設から10周年を迎えることができた。折々に苦しいこと、困難なことが少なからず存在したが、社会をよくしたいという学生の皆さんの熱い気持ちを支えたいという一心でここまで頑張ることができ、晴れて10年という節目の年を迎えることができた。この間、多くの若者が、ファンドを活用して社会に貢献し、また、その活動を通して学び、自己研さんにつなげてくれたことは喜ばしい限りである。彼らは、卒業し、社会に巣立ってからもボランティア活動のことを忘れず、その精神を、それぞれの持ち場に応じた新しい形で発揮してくれているものと信じている。
さて、その記念すべき10周年のことしの応募状況を見てみよう。当ファンドが、全国の学生にすっかり定着したことを象徴するように、ことしも日本各地から64件(Aコース48件、Bコース16件)という多数の応募があった。応募数そのものは、昨年の99件から減少したが、東京、神奈川の首都圏と、大阪、地方では岩手が多かった。これまで、応募の一度もない、福井、和歌山、島根の3県からは、残念ながら、今回も声が上がらなかった。来年に期待したいと思う。
ことしの特徴としては、新規立ち上げの活動が26件と多かったこと、10人以下の小規模団体が目立ったことがある。意欲に燃えた学生が小規模ながら、自ら活動を立ち上げている姿が思い浮かぶ。
分野別では、「国際支援」が引き続き第1位である。海外に行くのを敬遠する若者が増えているといわれているが、このファンドに関心を持つ学生の視野の広さが印象的である。次いで「地域・コミュニティ」が多い。海外に目を向ける一方で、身近な活動も活発なのは、「Think globally, act locally」いわゆるグローカル≠ナある。貧困、気候変動など、世界と地域に共通する課題を意識していることの反映とも受けとれる。
「募集をどこで知ったか?」という質問に、1位「ソニーのホームページ」、2位「ポスター・掲示板」についで、3位に「WEB記事」が入った。パソコンを駆使して幅広くファンドにアプローチする学生が増えている証左であり、今後の広報を考えるうえで参考にしたい。
少し辛口なコメントもしよう。意欲的なものがある一方で、学生らしいユニークな応募が少なかった。皆さんの奮起を促したい。ボランティアは重要であるが、昨今のソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)ブームを考えると、ボランティア精神の発露が多様化しているのかもしれない。私たちとしても、こうした時代の流れには関心を持っており、今後のファンド募集に反映させていきたいと考えている。
ソニーマーケティング学生ボランティアファンドは、「次の10年」に向け、いま、学生の皆さんとともに新たな一歩を踏み出す覚悟です。
2010年12月24日 審査委員長 原田勝広
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