ソニーの自動音場補正機能「D.C.A.C.」は、付属の測定マイクロフォンを使い、部屋の音響特性を約30秒で自動測定し、距離、レベル、音圧の周波数特性を精密に補正する技術です。
この「D.C.A.C.」をベースに、「A.P.M.」と「スピーカーリロケーション」という新たな技術を加え、理想的なホームシアターの設置環境を構築します。
マルチチャンネル再生は、フロント、サラウンド、センターの全てのチャンネルに同じスピーカーを用いて音圧と位相の両方の周波数特性を一致させておくことが理想です。しかし家庭では、サラウンドやセンターにフロントと同一のスピーカーを用いることは難しくそれぞれ異なるスピーカーが使われるのが一般的です。
自動位相マッチング機能「A.P.M.(Automatic Phase Matching)」(*)は、フロントスピーカーと異なるスピーカーをサラウンドやセンターに使った場合でも、位相特性をフロントの特性に合わせて揃えることでチャンネル間の音のつながりを向上させる技術です。すべてのスピーカーをフロントスピーカーで構築したかのような、気持ちのよいつながりのあるサラウンド空間を再現。フロントスピーカーの特性はさわらず、他のスピーカーの位相特性だけを補正するので、フロントの音質への影響を避け、壁反射による位相の乱れ、ホーン型/コーン型/ドーム型といったスピーカーの形式の違いに起因する位相特性のズレも正確に補正します。
高精度なデジタル処理によりファントム定位を実現し、スピーカーの音源位置を理想的な位置と角度に「再配置」します。隣り合うスピーカーから理想となる音成分を割り振り、理想位置へ音源をファントム生成するため、定位感があり、つながりのある音場を楽しめます。これは、「A.P.M.(オートマティック・フェーズ・マッチング)」で、すべてのスピーカーの位相特性をフロントに揃えることにより、スピーカー間の音のつながりを得られ、ファントム定位による高精度なスピーカー「再配置」が可能となりました。
リロケーションの効果として、7.1chスピーカーの設置環境を理想的な位置・角度に「再配置」するのに加え、5.1chスピーカーの設置環境の場合は、サラウンドバックチャンネルのスピーカー音源をファントム技術により生成し、7.1chサラウンドの効果が得られた状態で、理想的な位置・角度に「再配置」します。これらの効果により、スピーカー設置にまつわる問題を解決に導き、密度の高い芳醇なサラウンド空間を描きだします。
自動音場補正の3つの補正モード(フルフラット、エンジニアリファレンス、フロントリファレンス)に加え、新たにユーザーが自由に作成できる「ユーザーリファレンス」を追加。付属のアプリケーションソフト「セットアップマネージャー」を使用し、パソコン上で31バンドのグラフィックイコライザーを自由に調整、そのデータを「TA-DA5600ES」へ転送できます。
これにより、お好みの音場をお楽しみになれます。
映画館の臨場感豊かな響きを再現する「HD-D.C.S.」に、フロントハイスピーカーを利用し、画面内の高さ感を再現する「フロントハイ」モードを新たに追加。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の協力でおこなったダビングシアター「ケリーグラントシアター」の測定データを詳細に解析し、スクリーン内の高さ感を表現している反射音成分を改めて抽出・再現したことで、まさに映画館が持つ高さ感を表現することができました。
ホームシアターではサラウンド側の高さ感は比較的再現しやすいですが、画面側の高さ感の再現はとても難しいものでした。「HD-D.C.S. フロントハイ」は、この画面内の高さ感の表現に成功。スクリーン全体から迫力ある映画サウンドが飛び出してくる、まさに3D時代にふさわしい音場モードです。
従来の「HD-D.C.S. スタンダード」が「広さ感」を表現する「HD-D.C.S.」だとすると、「HD-D.C.S. フロントハイ」は「高さ感」を表現する「HD-D.C.S.」といえます。
音声圧縮のエンコード/デコードに伴い発生する可聴帯域外のノイズ成分を、独自の高度なデジタル処理で除去する技術です。可聴帯域内の成分追加・補完などは行わないことから、音源を歪めずに再生できるため、BS/地上デジタル放送(AAC)、DVD(ドルビーデジタル、DTS)などの圧縮音源ソースを原音に忠実な高音質で楽しめます。
スーパーオーディオCD/CDプレーヤー「SCD-XA5400ES」をフロー制御により動作させる「H.A.T.S.」をHDMI伝送に搭載。アンプ内のDA変換器の近くに配置したマスタークロックでオーディオ信号を再構築することにより、フォーカスや音場感が改善し、低音の力強さも加わり、音楽再生のクオリティーが向上。
スーパーオーディオCDのDSD信号を直接受け取り、アンプ内で高精度なアルゴリズムにより32ビット分解能のPCM信号に変換する技術です。情報量の欠落がほとんどない高音質を実現。
ホームオーディオ機器にポータブルオーディオ機器を繋いだ場合に、音の広がりが失われたように聴こえることがあります。これは、ポータブルオーディオ機器に音源を記録する際、圧縮時に高域信号が失われるためです。DMPORTやアナログ音声入力からの音源に対し、高域を補正することにより、豊かな音質で再現します。
6つあるHDMI入力端子のうち、「入力5」と「入力4」を高音質性能を高めた入力「for AUDIO」として備え、BDやCDの高音質ソースをクオリティーの高い状態で再生できます。
前後左右に加え、高さ方向の音場を再現する「ドルビープロロジックIIz」に対応。
これは、サラウンド再生の基本的な構成である5.1chに、左右のフロントスピーカーの上方にスピーカーを配置することで、前後左右に加えて高さ方向の音場表現を可能にするもの。音場再現に高さ方向が加わることで、音場の立体感がより高まり、さらに臨場感豊かなサラウンドが再生できます。また、従来のサラウンドバックチャンネルを配置した7.1chサラウンド方式での再生も可能です。
ブルーレイディスクの最新のロスレス音声フォーマットに対応。
一般的なアナログアンプが抱える「音楽信号のレベル変化にともなってパワーアンプ自身が温度変化することにより高域の位相特性が変化してしまう」という問題点をパワーアンプの広帯域化によって改善した「第三世代 広帯域パワーアンプ」を搭載。音の濁りがなく、音像フォーカスに優れたサウンドを実現。より自然な音色と臨場感豊かな音楽を再現できます。
「ドルビーTrueHD」および「DTS-HDマスターオーディオ」は、ともにロスレスコーデックと呼ばれるもので、記録ストリームをデコードするとエンコード前のPCMと同じデータが得られます。したがって原理的にはリニアPCM記録再生と同じデータが得られ、音質も同じになるとされています。しかし実際には、デコード時にDSPが発生する電気ノイズが従来のコーデックよりはるかに大きいため、DA変換回路上に音質に有害なジッタを発生させやすく、音質をリニアPCM記録と同じにすることは難しさをともないます。そこで、ジッタを起こしにくいデコードエンジンに進化させ、ロスレスなら同じという固定観念を打ち破る、ソニーならではの高音質ロスレスデコードを開発。ハイビジョン時代にふさわしいブルーレイディスクなどに採用されたロスレス圧縮音声の高音質再生が可能になりました。
HDMIやデジタル音声伝送により、デジタル信号から分離したマスタークロックに原理的に含まれるジッタを排除する技術です。この技術により、高いS/N感と美しい音色を再現できます。ブルーレイディスクの新フォーマット音声のみならず、リニアPCMや従来の圧縮音声を用いるDVDにも有効で、HDオーディオ時代にふさわしい音質の向上を実現しています。
近年増加している低音域の充実した音楽作品を高音質再生し、映画の迫力を一層高めるため、シャーシ剛性を飛躍的に高めたメタル・アシスト・ホリゾンタルFB(Frame and Beam)シャーシを搭載。
シャーシ自体のフレーム部を強化する新たな金属製の補強ビームを装備し、FBシャーシ自体のねじれ変形を防止した、新型FBシャーシです。内部の各基板をホールドする金属部品を新設し、従来モデルに比べて基板の保持強度を大幅に向上しました。
こうしたシャーシの大幅な強度アップにより、大きな音圧がかかったときに発生する部品の振動レベルが下がり、音の濁りが防止され、スピード感と量感の両立した低音を実現しました。
例えば、グランカッサやティンパニーの連続強打時に空間に放たれる空気の揺れ、映画の衝撃音、爆発音などの迫力が向上し、音楽性、エンターテインメント性ともに、従来にない良質で強力な再生を実現しました。
オーディオ製品の製造において、最も重要なパーツがはんだです。何千箇所にも及ぶ信号経路上の部品を接続するのがはんだであるため、その品質がアンプの性能に大きな影響を与えます。現在はんだは環境に配慮した無鉛はんだが使用されていますが、無鉛はんだを使うと一般的に硬質な音になりがちです。
本機には、使用する金属材料の微量含有元素に吟味を重ね、ソニーで独自開発した音質専用のはんだを採用。鉛入りはんだを使用していた時代には存在しなかった自然で豊かな質感と雰囲気の音表現を可能にしています。