スピーカーシステムの薄型化の鍵となるのは、スピーカーユニットそのものの薄型化。一般にユニットは、振動板、ボイスコイル、磁気回路が立体的に重なった構造となっています。新開発のスピーカーユニットは、強力なネオジウムマグネットの同極同士を向かい合わせることで、磁束を外周に向かって放出させ、そこにボイスコイルを設置する反発磁気回路方式を採用。振動板も、ボイスコイルのボビン中央と接続。立体構造を平面構造へと変革することで、薄型でありながら、高音質のスピーカーユニットを実現しました。
振動板に求められる物性は、軽量でかつ剛性が高いこと。マイカフレークと合成繊維を原材料とし、マイカフレークを発泡セル構造に成型したMRC振動板は、低密度で軽量、高剛性。適度な内部損失もあわせ持ち、伝播速度も高速度でキレのよい音色を奏でます。
トゥイーターには、Xシリーズと同じEDトゥイーターを採用。70kHzの高域再生を実現。スーパーオーディオCDをはじめとするオーディオフォーマットにも対応します。
再生中のスピーカーは熱を帯びます。この熱は、入力に対してどのくらい素直にスピーカーが追随するかを示すパワーリニアリティー特性を悪化させます。長時間にわたってよい音を楽しむためには、発生した熱をいかに逃がすかが大切。SA-FT7EDのスピーカーユニットは、熱伝導性のよいアルミフレームを採用し、アルミ製のバックキャビネットに直結した構造をとりました。これにより熱をストレートに放出します。
高音質を保ちながらスタイリッシュな外観を演出するのが、ステンレスエッチングメッシュグリルネットです。これは、0.3mmという薄いステンレス板に直径0.5mmの穴を無数に開けたもの。一般的なプレス加工では作れないため、エッチングという手法を採用しました。このグリルネットは板厚が薄く開口率も高いため、約100kHzまで音を劣化させずに透過させ、EDトゥイーターの性能を存分に発揮します。
大きさ:130(幅)×585(高さ)×30(奥行)×280(底辺直径)mm
質量:約3.3kg(1台)