株式会社セゾン情報システムズが開発・販売する「HULFT」は、 SAN(ストレージエリアネットワーク)、公衆回線、インターネットなどのあらゆるネットワーク環境において、メインフレーム、UNIX機、ミッドレンジコンピュータ、Windowsパソコンといった異なるプラットフォーム間でTCP/IPにより、自動的にファイル転送を行うソフトウェアです。このHULFT研修サービスで、ソニーのワイヤレスLANアクセスポイント「PCWA-A200」とバイオノート「PCG-GRS70/P」が活用されています。スペースの有効利用を可能にし、客先でのオンサイト研修の開催をも視野に入れた、まったく新しい活用法についてお話をうかがいました。
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ワイヤレスLANとバイオノートで研修を開催されているとのことですが、まず「HULFT」という製品の概要からお話いただけますか。
杉野
弊社はセゾングループセゾングループ向けのノウハウを元に、グループ内外の情報処理サービスを提供する会社です。その中で10年ほど前から「HULFT」というミドルウェアを販売しています。HULFTはコンピュータ間でデータを転送するソフトウェアなのですが、パソコン、サーバー、汎用機といったマルチプラットフォーム間で、コード変換をしながらデータを転送する機能を備えています。強力な管理機能によって自動運転が可能なことから、企業間通信のような基幹業務をはじめ、電子帳票、ERP、SNA、EDI、データウェアハウス、eコマースにおけるデータ連携などで活用されており、この分野ではトップシェアの製品です。
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具体的には、どのような活用例が多いのでしょうか。
杉野
たとえば、SAPの「R/3」と汎用機をつないで、コード変換をしながらデータ転送するといった事例などですね。他には、製造業で工場ごとにバラバラだとつながらないとうことで、データ転送用のソリューションとして全社的に導入されている例や、POSレジからセンターへ売り上げや出勤などのデータを転送するような例もあります。
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特にここ数年、インターネットをはじめとするネットワークの普及により、ユーザー層が拡大しているそうですね。
杉野
はい。そのため、従来の電話によるサポートだけでなく、入門や運用に関する研修を開催して欲しいという声を、たくさんいただくようになりました。それにお応えするために2002年から準備を進め、2003年から「基礎コース」と「応用コース」という2種類のHULFT研修サービスをスタートしました。「基礎コース」は、はじめて使う方を対象にしたもので2日間、「応用コース」はシステム管理・運用者の方を対象にしたもので1日。基礎コースは、実機を使っての内容となっています。
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その研修を、ソニーのワイヤレスLANアクセスポイント「PCWA-A200」と、バイオノート「PCG- GRS70/P」の組み合わせで展開されているそうですね。
杉野
研修を行うためには実機はもちろんですが、場所も必要です。お客様から研修を受けたいという声をいただいているわけですが、実際にどの程度のニーズがあるのかは、蓋をあけてみるまでわからないという問題がありました。また、社内には研修専用で使える常設スペースもないので、できれば会議室で行いたいという事情がありました。そこで、スペースの有効利用ができる、ワイヤレスLANとノートブックPCの組み合わせということで最初から検討をしていたのです。
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研修というと、通常は机の上にデスクトップPCが並んでいるイメージがあります。そんな中でバイオノートを採用された理由は?
杉野
当初は、デスクトップPCの方がよいのではという考え方もありましたが、常設できるスペースがないという問題がありました。それに対して、画面もキーボードも十分に大きく、数年間は持ちこたえる機種として、デスクトップPCに匹敵する性能を備えたバイオノートを提案していただいたので、この組み合わせしかないと判断しました。また、ワイヤレスLANの機能を内蔵しているモデルとしては、他のメーカーの同スペックの機種と比べて、コストパフォーマンスが高かったのも理由のひとつです。
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スペースの問題以外で、ワイヤレスLANを導入された理由は特にありますか。
杉野
研修は、実際にネットワークを使って行うため、社内のインフラとは別にネットワークを構築する必要がありました。そのために、ケーブルを使って別系統のネットワークを構築するには、手間とコストがかかります。また、実際の運営面を考えてもケーブルは面倒ですし。その辺の理由が大きいですね。それと、営業サイドから「お客様のところに出かけての、オンサイト研修は可能か?」というリクエストも出ていたので、それにも応えることができる組み合わせということで、ワイヤレスLANを採用しました。
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研修ではどういう体制を組まれているのでしょう。
松本
研修は、講師が1人、受講者が8人という人数で行っています。最大で10人までの受講者に対応できるようになっています。具体的にはPCG- GRS70/Pを、講師用も含めて11台導入しました。また、予備機として「PCG-SRX7S/P」を2台導入しています。ワイヤレスLANのアクセスポイントとしては、PCWA-A200を予備を含めて2台導入しています。
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具体的にはどのような形で進められているのですか。
松本
データプジェクターを使って、PowerPointで作成した研修資料を投影し、それに沿って講師が進めていくという形ですね。受講者の方には、それにあわせてPCG-GRS70/PにインストールされているHULFTを操作していただきます。わからないことがある場合は、どんどんその場で質問していただく感じです。
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実際に研修でPCWA-A200によるワイヤレスLANを使われての感想は?
松本
ワイヤレスLANということで、LANケーブルなどのコード類がないのが、設置をする上で非常にありがたいですね。通常のケーブルを使ったLANの場合は、コードがむき出しになって足で引っかけてしまったりするため、かなり考えて配線をする必要がありますが、ワイヤレスLANだとそういう苦労が全然ありません。私と杉野の女性2人で楽に設置ができるので助かっています。
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普段はどこかにマシンをしまわれていて、研修のたびにそれを設置しているわけですよね。
松本
はい。普段はロッカーで保管しています。研修のときは、会議室の仕切りをとりはらって、研修用の横長のデスクを並べて行います。実際、デスクの上にバイオノートを並べて、後はACアダプターをつないで電源スイッチを入れるだけで設置は終わりですからとても簡単です。時間にして30分もかからないと思います。
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その研修を、ソニーのワイヤレスLANアクセスポイント「PCWA-A200」と、バイオノート「PCG- GRS70/P」の組み合わせで展開されているそうですね。
杉野
研修を行うためには実機はもちろんですが、場所も必要です。お客様から研修を受けたいという声をいただいているわけですが、実際にどの程度のニーズがあるのかは、蓋をあけてみるまでわからないという問題がありました。また、社内には研修専用で使える常設スペースもないので、できれば会議室で行いたいという事情がありました。そこで、スペースの有効利用ができる、ワイヤレスLANとノートブックPCの組み合わせということで最初から検討をしていたのです。
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研修というと、通常は机の上にデスクトップPCが並んでいるイメージがあります。そんな中でバイオノートを採用された理由は?
杉野
当初は、デスクトップPCの方がよいのではという考え方もありましたが、常設できるスペースがないという問題がありました。それに対して、画面もキーボードも十分に大きく、数年間は持ちこたえる機種として、デスクトップPCに匹敵する性能を備えたバイオノートを提案していただいたので、この組み合わせしかないと判断しました。また、ワイヤレスLANの機能を内蔵しているモデルとしては、他のメーカーの同スペックの機種と比べて、コストパフォーマンスが高かったのも理由のひとつです。
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普段は会議室として使っているスペースが、あっという間に研修ルームに変身するという感じですね。
松本
そうですね。デスクトップ機と違って場所をとらないですし、スペースの有効利用という点ではメリットが大きいと思います。また、ケーブルでLANを構築する場合は、そのためのインフラを整備するのにコストや時間がかかるだけでなく、運用や管理の面でも手間がかかるため、どうしてもシステム管理の専任者が必要になりますが、ワイヤレスLANの場合はその辺のコストや管理にかかる手間を削減できる効果も大きいと思います。ケーブルLANと比べても、スピード的にまったく問題がないですし、アクセスポイントの電源を入れればすぐに使えるのが一番いいですね。
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研修受講者の方からも反応も含めて、バイオをお使いになっての感想をお聞かせください。
杉野
PCG-GRS70/Pは液晶画面も大きいですし、表示もキレイなのがいいと思います。実際、研修ではたくさんのウィンドウを同時に開きながら操作を行うのですが、快適に作業ができる環境だと思います。弊社のソフトウェアもより引き立つという感じです。キーボードも大きいので使い勝手がいいですし、デスクトップ機と比べても遜色がありません。受講者の方の評価も上々のようです。
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ハードウェアの機能や性能面ではいかがでしょうか。
杉野
OSはWindows XP Professionalで、メモリは256MBを搭載しています。HULFTも余裕で動作しますから、大きな画面やキーボードと相まって、十分に満足のいく性能だと思います。実際、Windows XPを体験されるのは初めてという方もいらっしゃって、普段お使いのWindowsとは操作が若干違うので「なるほど、XPはこうなのか」と覚えて帰る方も多いようです。省スペースのノートブック機でありながら、最新の環境でパワフルに動作するマシンということで、お客様からも評価が高いですね。
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具体的にはどんなところを評価していただいているのでしょうか。
松本
研修では紙のテキストを配布するのですが、受講者のやりやすい位置にテキストを置いて使うといったスタイルがいいですね。皆さん作業がしやすいように位置を調整しておられます。机に固定してしまうデスクトップ機ですと、テキストの置き場所に困るというようなこともあるようですが。
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ノートブック機ならではの省スペース性が発揮されている点ですね。
杉野
それと、静穏性が素晴らしいと思います。研修で1日中使っていてもファンの音がとても静かでいいですね。使っていてもファンがほとんど回らないので、講師の声がよく聞こえるんですね。デスクトップ機だと大きいので場所も取るので、その分広いスペースが必要だったり、ファンの音がうるさいのでマイクを使ってしゃべらなければならないなど、不便な点がいろいろありますが、そういうところがないのがいいですね。
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まさに使い込んでいらっしゃる方ならではの貴重なご意見ですね。ところで、今後はどのような計画をお持ちでしょうか。
松本
お客様のご要望に応じて、研修の内容をより充実させて行きたいと思います。PCG-GRS70/Pを選んだのは、CPUの処理速度や画面の大きさに加えて、CD-R/RWやDVD-ROMが使えるコンボドライブを搭載したオールインワンのノートブック機だからです。通常の研修では使い方の講習が主ですが、HULFTのインストールなどを行う研修も可能ですから。
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最初にオンサイトでの出張研修のお話が出ましたが?
杉野
はい。現在検討中です。ぜひオンサイトでの研修をできるようにしたいですね。工場などで大量に導入していただいている例もありますので、お客様のところはこちらから出向いて、会議室などに集まっていただいて実機でトレーニングしていただくようにしたいと思っています。実際に、PCWA-A200とPCG- GRS70/Pを持ち込んで、弊社の関西営業所で試験稼働もしたこともあるんですよ。「これはいいね」ということで、ワイヤレスLANとバイオノートを使ったオンサイト研修の可能性については、そのときに確認済みですから、私たちも今後が楽しみです。