株式会社東京放送(TBS)は、1955年4月にテレビ本放送を開始以来、半世紀にわたって地上波放送を行なってきた放送局です。近年では、関連会社によるBS放送やCS放送をはじめ、地上波デジタル放送など、新しいテレビ放送もスタートし、放送局としての活動の枠がさらに広がっています。そんな現場で、VAIO type Fが標準機として採用され、テレビ局のさまざまな業務を支えています。
担当部長 | 浜谷 雅也さん |
部次長 | 近藤 洋一さん |
今村 哲也さん |
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TBS様では、全社で導入するPCについて標準機を選定されているそうですね。
浜谷
私が所属するシステム技術センターSIという部署の“SI”は、システムインテグレーションの意味で、TBS社内の情報システム全般を扱うのが業務です。社内のクライアントPC、サーバー、ホストまですべてのコンピューターが対象で、さまざまな社内システムの開発も行なっています。そのなかで、TBS全体で使うPCの機種選定を行い、それを現場のユーザーに配布するのも仕事のひとつです。また、現場のユーザーのヘルプデスクも担当しています。標準機の配布は2001年4月から行なっており、デスクトップPC、A4サイズのノートPC、B5サイズのノートPCの3種類について決めています。今回は、TBS全体で使うA4サイズのノートPCの標準機として、VAIO type Fを選定したわけです。
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今回、VAIO type Fが標準機として選ばれた理由をお聞かせください。
浜谷
今回、A4サイズのノートPCの標準機を選定するにあたって、TBS全体の業務に必要な要求スペックをまとめ、それに該当する各社の機種をリストアップして比較検討を行いました。マシンの性能だけでなく、もちろん価格も重要な要素のひとつでした。性能で比較検討したとき、一番の決め手になったのがワイド画面だったのです。リストアップしたなかで、画面がワイドで一番大きかったのがVAIO type Fでした。キーボードが大きくて打ちやすいのも良かった点です。
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ワイド画面が決め手になったということですが、具体的にどんな点でワイド画面が必要だったのでしょうか。
浜谷
オフィスワークならどこでも同じだと思いますが、ビジネスではやはり表計算ソフトを使うことが多いです。それとワープロソフトですね。あとはウェブもよく使います。TBSの社内システムもウェブを使うものが増えていますし、全員が業務で使います。ワープロソフトはそれほどでもないのですが、表計算ソフトおよびウェブを使う場合は、一度に表示できる情報が多くなるうえ、とくに横の解像度が大きいと横スクロールが減り、操作性が向上します。A4サイズのノートPCだと画面は14.1型が多いですが、使いやすさを考えると「大画面」にこだわりたかったというのが本音です。そこで、15.4型ワイド画面のVAIO type Fを選んだというわけです。
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スペックや価格以外で、他にポイントになったことはありますか。
浜谷
標準機として選定する場合の重要な要素のひとつが、修理サービスの形態です。これは以前から標準機を選ぶ際の必須条件なのですが、4年の期間でオンサイト修理サービス(出張修理サービス)がつかないと困るのです。また、拡張修理サービスのなかに、「水をこぼしたときも対応」といういままでにないサービスメニューがありました。「ワイド画面」と「導入後の修理サービス」までを考えたときに、VAIOになりました。
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確かに、オンサイト修理サービスはビジネスに欠かせないものですね。VAIO本体だけでなく、修理サービスまでトータルで評価していただいたことは、うれしい限りです。
浜谷
オンサイト修理サービスとならんで、もうひとつポイントになったのが、ビジネス専用モデルの存在ですね。ビジネス専用でないPCには、業務で使わないソフトがたくさん入っていますが、企業で導入する場合、それらをアンインストールする必要があった。従来の機種だとそういう手間がかかっていました。ところが、VAIO type Fの場合はビジネス専用モデルが用意されているので、“業務では使わないソフトが入ってない”等、こちらの要求スペックの構成が可能でした。この点も大きかったですね。
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実際に、お仕事でVAIO type Fをお使いになっての感想や、ご意見などをお聞かせください。
近藤
現場のユーザーにVAIO type Fの配布を開始したのは、2005年の4月からです。私自身は、2005年の8月から使っています。普段使っているのは、やはりワープロソフトと表計算ソフトが多いですね。とくに表計算ソフトでの作業が多いです。私が担 当しているのは、営放システムといって、放送を運行するためのデータを作成するシステムなのですが、データサイズがひじょうに大きなものです。データフォーマットについては表計算ソフトで確認したりするのですが、フィールドが広く、縦にも横にも大きなデータで、とくに横方向に長いですね。ワイド画面のVAIO type Fを使うようになってから、横スクロールする回数が減ったので重宝しています。
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VAIO type Fのワイド画面だと横に1280ドットありますから、表計算のシートも一度にかなり多くのセルを表示できますよね。
近藤
以前使っていたのは、11.3型画面のB5サイズのノートPCだったのですが、そのときは、小さい画面を何度も横にスクロールするのがキツイので、プリントアウトして、紙を横につなげてデータを見ていました。実際には、VAIO type Fのワイド画面でも一画面には表示し切れないほどのデータですが、VAIO type Fになってからは、何度も印刷していた手間はなくなりましたね。
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今村さんはいかがでしょう?普段はデスクトップPCをお使いだとのことですが、実際にVAIO type Fで仕事をされたことはありますか。
今村
実は、この前の選挙のときに、別の部署にVAIO type Fを持っていって使いました。普段はデスクトップPCで、1280×1024ドットのSXGAという高解像度の環境で使っているので、ノートPCでも個人的にはもっと解像度が欲しいのですが、VAIO type Fのワイド画面は1280×800ドットのWXGAということで、横方向には十分な大きさでした。普段使っている自分の環境と比べても、苦になるようなことはなかったですね。キーボードも大きくて使いやすいですし。
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他の部署に持っていって作業をされたということですが、現場のユーザーでVAIO type Fを会議室などに持ち運んで、オフィスモバイルに使っている方もいらっしゃるのでしょうか?
今村
会議室でプレゼンテーションに使っているユーザーもいるようです。持ち運びの際にも、約25.4mm*1と本体が薄いので持ちやすいですよね。社内の別の場所に持ち運んで使うなら、質量もそれほど気にならないと思います。
*1 最厚部36.4mm
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先ほど、近藤さんからは表計算ソフトを使うときにワイド画面が便利だというお話しでしたが、今村さんはいかがですか?
今村
私はよく、ワープロソフトの画面をたくさん開いて、比較や参照をしながら作業することが多いのですが、そういうときは便利ですね。ウェブで資料のページを表示しながら、文書を作成するとか。あるいは、表計算ソフトの画面を2つ開いて、コピー&ペーストしながら作業するとか。そういう、複数の画面を開きながら作業をするときは、ワイド画面は便利ですね。
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VAIO type Fには、パワーオン・パスワードとハードディスク・パスワードという2つのセキュリティー機能が搭載されています。こちらの機能はお使いですか?
今村
もちろん使っています。実は、これらのセキュリティー機能が搭載されていることも、標準機の条件のひとつでした。実際の運営にあたっては、すべてのPCで、パワーオン・パスワードとWindowsのログイン・パスワードで二重のユーザー認証を行い、セキュリティーを高めるようにしています。
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パワーオン・パスワードとハードディスク・パスワードでは、「ユーザーパスワード」だけでなく、システム管理者用の「マスターパスワード」も設定できるようになっていますが、こちらもご利用になっていますか。
今村
それも、標準機の必須機能ということで使っています。というのも、現場によっては1台のPCを複数のユーザーで使っているところもありますので、「誰かがパスワードを忘れてしまった」とか、「誰かがパスワードを変えてしまった」ということも起こりえます。その場合、システム管理の側で、「マシンを起動できない」という事態は困りますので、「ユーザーパスワード」と「マスターパスワード」の2つが設定できる機能は、欠かせないものでした。
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パスワードの入力が増えるのを、「面倒だ」ということで、現場のユーザーの方が嫌がるという話も耳にすることがありますが、その点はいかでしょう。
近藤
実際には、朝出社してPCを起動したら、普通は夕方退社するまで電源は落とさないですよね。せいぜい、お昼休みや会議などで離席するときぐらいで、1日に何度も再起動することはないですから、ユーザーにとってもそれほど面倒ではないようです。それに、情報漏洩の問題がこれだけ社会化したこともあり、業務でPCを使う上でセキュリティーは重要だという意識が、ユーザーの間にも浸透してきていますから、文句を言う人もいないです。
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オンサイト修理サービスについて伺いたいのですが、実際にオンサイト修理サービス(出張修理サービス)を経験されていかがでしたか?
今村
今村 オンサイト修理サービス自体は、以前の標準機でも利用していたので、むしろ「オンサイトで修理してもらうのが当たり前」という感覚です。修理が必要なときは、ユーザーにヘルプデスクまでPCを持ってきてもらって、そこで保守の方に修理してもらっています。ほとんどその場で直るので仕事が止まらない。そういう意味では、なくては困るサービスです。実際、放送局の仕事は止められない仕事です。それを支える現場のPCも止まっては困るわけです。ですから、オンサイト修理サービスは必須で、これがあるからこそ安心して仕事で使えます。
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最後に、VAIOをビジネスに使うということで、現場のユーザーの方の反応などがあればお聞かせください。
近藤
やはり、VAIOが使えることで喜んでいる社員も多いですね。会社で使うPCとしてVAIOが使えるなんて思っていなかったという人がいますから。VAIOはデザインのいいPCというイメージはありますから、仕事でVAIOが使えてうれしいという声も多いです。逆に、最初は「仕事で使うPCがなぜVAIOなの?」という人もいました。でも、そういう人からも、実際に使ってみて「これではダメだ」という声は出ていません。そういう意味では、ビジネスで使う標準機として、VAIO type Fを選定したことは正解だったと思います。