西日本高速道路サービス・ホールディングスは、西日本の高速道路のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)における商業施設の管理運営事業を行っている会社です。広大な営業区域内(関西、中国、四国、九州エリア)のSAにあるインフォメーションには、お客様の問い合わせに対応するためのPCが設置してあります。同社では、お客様へのサービス向上を目的に、大画面ノートのVAIOを導入し、同時に無線LANのインフラを構築、セキュリティー強化、専用ヘルプデスクによる保守サービス強化を実現しました。
高速道路を利用するお客様の多種多様な問い合わせを受けて、インフォメーションのスタッフが迅速に情報収集し、大画面ディスプレイを使って案内。情報提供のスピードアップと豊富な情報量でお客様の要望に応える。
トラブル発生時には、VAIO BUSINESS の専用ヘルプデスクに連絡して対処。VAIO本体、アプリケーション、周辺機器、無線LANなど、さまざまなデバイスを包括的にサポートする(リモートサポート含む)専用ヘルプデスクで、問い合わせ先を集約。
今回初めてFeliCaを採用し、FeliCaが無いとVAIOがロックし、操作を受け付けない状態になるように設定。FeliCaをVAIOにかざしてロックを解除するシステムで、セキュリティーを向上。
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高速道路のSAではどのようにPCを活用しているのですか?
江口
高速道路を利用されるお客様の問い合わせにお答えするために、インフォメーション(お客様窓口)でPCを活用しています。以前に比べ最近は、問い合わせ内容が広がってきた傾向にあります。例えば「○○地方に行くんだけど、今夜泊まる場所を調べてほしい」「○○方面で、おすすめの観光スポットは?」という質問もあります。高速道路料金の割引サービスやカーナビゲーション普及のため、予定や目的地を決めないまま気軽に高速道路に入るお客様が増えてきているのでしょう。特に週末となるとひっきりなしに、お客様がインフォメーションに訪れるような状況です。
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これまでインフォメーションで使ってきたPCでは、どのような問題があったのでしょうか?
齊藤
VAIOを導入する以前は、いろいろなメーカーのPCが混在していて、トラブル発生時の対応が大変でした。PCにトラブルが起こったらお客様をお待たせすることになるので、すぐに対応したいわけです。しかし当社のSAは西日本全体に点在しているので(SAのインフォメーション67箇所)、現場まで飛んでいくわけにもいきません。PCを管理する側の負担軽減のためにも、統一したPCを導入することは必要でした。
そこでPCのリース満了が迫ってきたこともあり、「お客様へのサービス向上に結びつくPCはどういうものか」を考えて、PCのスペック、ITインフラ、保守やサポートなどいろいろな面から検討して、入札の結果、VAIOを導入することにしたのです。VAIOを導入するにあたってはキッティングサービスを使い、VAIO本体だけでなく、プリンターなどの周辺機器、FeliCa(ICカード)、無線LANの設定などを効率よく導入してもらいました。
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SAのインフォメーションに適したPCとは、どのようなものとお考えですか?
江口
インフォメーションに設置するPCに求めることは2つあります。
1つは、お客様の問い合わせに対して迅速に対応すること。それにはインターネットですばやく検索し、最新のWebサイトでもスムーズに表示できるスペックが必要です。特に最近は写真や動画を多用するWebサイトが多く、数年前のPCでは表示が遅くてお客様をお待たせすることもありました。また画面をお客様に向けて説明する場合もあるので、視野角が広く大画面の見やすいディスプレイが望まれます。
もう1つは使用するスタッフ本人にとっての使いやすさ。スタッフはお客様に告知するPOPや展示物、内部向けの資料などを作成します。ですから、事務用途での使いやすさも求められます。数字もよく使うので10キーがついているのも作業効率につながります。
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SAでPCを使う場合に、気をつけなければならないことはどのような内容ですか?
齊藤
SAの建物は誰もが入れますので、セキュリティーには十分に気をつけています。今回のVAIO導入に合わせて、セキュリティーもさらに強化し、FeliCa(ICカード)を使用したシステムを構築しました。これによってFeliCaが無いと、VAIOにロックがかかって操作できなくなっています。
江口
またセキュリティーのために営業時間外はPCを収納しています。スタッフは朝、窓口に立つときにPCを設置し、営業時間が終わると収納して帰るわけです。それを効率化するために無線LANを導入しました。今ではプリンターやマウス、ネットワークは無線でつながるので、抜き差しするのは電源コードだけ。以前は全部有線ケーブルでしたので、随分と楽になりました。
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SAは遠隔地に点在していますが、PCのサポートはどのように運用しているのですか?
江口
VAIO BUSINESSには、当社専用のヘルプデスクを用意してもらいました。実はVAIO導入以前から他メーカーのヘルプデスクを利用していましたが、ハードウェアに付随したサービスでしたから、アプリケーションや周辺機器のトラブルには対応してもらえず、3つの機械でトラブルが起こったら、それぞれに問い合わせなくてはいけない状態でした。また現場が一番忙しい土日に対応してもらえないことも悩みでした。
齊藤
その点、VAIO BUSINESSのヘルプデスクは、VAIOだけでなくアプリケーションや周辺機器、無線LANも合わせて、包括的にサポートしてもらえます。キッティングサービスでそれらの環境を全部、設定してもらっているから、ヘルプデスクも各現場の状況がわかっているわけです。結果として、トラブルが起こっても短時間で修復できるので、お客様に迷惑をかけずに済みます。また、リモートサポート(遠隔操作)も実施して頂きトラブルの復旧が早くなりました。私たち管理部門の負担も軽減できたことに加え、現場のスタッフにとってはヘルプデスクの存在が一番心強いようです。 今まではわからない操作やトラブルが起こっても、どこに問い合わせればいいか不安だったようですから。
江口
またVAIO導入の際、OSがWindows XPからWindows 7に切り替わりました。現場のスタッフにとってOSの変更は、ハードウェアの変更以上に大きな違いです。操作に戸惑うことも考えられました。そこで、導入の際にへルプデスクの方に各SAを回ってもらい、当社のスタッフにレクチャーをしてもらいました。そして当社のスタッフが実際に操作するときに迷った場合は、専用ヘルプデスクで対応してもらっています。
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今回導入したVAIO、あるいはインフラの今後の発展についてお聞かせください。
江口
最新スペックのVAIOになっただけでなく、無線LANという新しいインフラ、包括的なヘルプデスクという頼れるサポート、FeliCaによる堅固なセキュリティーと、システム全体が進化しました。そのなかで今後期待しているのは、無線LANです。今後は、タブレット型デバイスをはじめとする無線LAN向けの携帯機器が出てくるでしょう。これを活用すれば、お客様にもっと役立つサービスが提供できるのではないかと期待しています。
SAは各地に点在しているので、トラブル発生時に短時間に対処することは、高速道路を利用されるお客様の利便性向上につながります。トラブル発生時には見慣れない画面を操作することもありますので、電話での説明が難しいケースがあります。そのようなときは、ヘルプデスクから、現場のVAIOをリモートで操作して短時間にて解決へと導くことが可能となります。また、月度の報告も実施しておりますので、各SAにて発生している問題点などについての改善業務も可能となります。今後もよりスムーズな対応によりお客様にご満足いただけるような運用をしていきたいと考えています。
担当営業 西川 徹