ラウンジの雰囲気にマッチした
Sony Tablet とVAIOでサービスを一新
来訪者のネット利用が広がり好評
ANAは空港ラウンジのサービスを刷新するにあたり、備え付けのインターネット端末の主力をネット閲覧が手軽なSony Tablet にシフト。導入の経緯と、導入後の様子を伺いました。
航空大手で日本と世界を結ぶ全日本空輸株式会社(ANA)は、お客様に搭乗までの時間を快適に過ごしていただけるラウンジを設けています。そのうち成田と羽田、関西空港の国際線ラウンジ3箇所では、インターネットに接続されたパソコンを設置。さらに、この度のリニューアルでは、お客様向けの端末として主にSony Tablet をラウンジ内に導入。「手軽に利用できる」と今まで以上に好評をいただいています。
業 種 | 導入機種 | 使用用途 |
---|---|---|
航空運送業 | Sony Tablet Sシリーズ 50台 / VAIO Sシリーズ 21台 合計 71台 |
空港ラウンジ内の顧客サービス |
日本の企業として、
日本ブランドを採用したい
履歴削除機能の提供や
セキュリティー対策に対応
納品から設置、管理機能の
導入まですべてサポート
山谷 背景としては、2つの理由があります。1つは、ラウンジ内に設置していたパソコンの交換を検討していたこと。もう1つは、(近年になって)飛行機の便数が増え、ラウンジをご利用のお客様が増加したこともあって、設置における「省スペース化」が求められていました。そこで、ノートパソコンよりもさらにコンパクトな機器という点で、(導入対象として)タブレットの検討を始めたのです。 また、ANAとしてお客様に最高のサービスを提供できるように、他の航空会社のラウンジにはない"新しいものや、便利なものを常に取り入れていこう"という姿勢も後押ししました。
山谷 これまで(ラウンジ内の)パソコンの利用は、Webサイトの閲覧が中心でした。そのため、機能や役割の点からいえば、タブレットで十分です。また、ラウンジをご利用になるお客様はビジネスマンが多く、ご自身でノートパソコンを所有されているケースがほとんどなので、起動や充電の手間を考えても「手軽さ」という点で、タブレットの方が良いのではないかと考えていました。 もちろん「ノートパソコンを置いてほしい」というご要望もあるので、成田空港と羽田空港にはVAIOを導入しています。
山谷 当社のブランドコンセプトと合致した点とデザイン性です。当社は、2010年から"Inspiration of Japan"という新しいコンセプトを掲げています。その中に、「モダンジャパン」「イノベーティブ」という大きなキーワードがあり、日本を代表するソニーの製品ということが、私たちにはとても重要でした。 また、ラウンジはお客様に快適な時間を過ごしていただく場所です。備え付ける機器にも細心の気配りが必要になります。くつろぎを演出する意味で上質さや高級感が施されたラウンジ内において、Sony TabletやVAIOのデザインや色がとてもマッチしていたことも導入決定の大きなポイントでした。
山谷 そうですね。当然ながら、(ラウンジ内に)セキュリティー対策がされてないものは置くことができません。やはり多くのお客様がご利用される場所なので、個人情報の入力や(Web閲覧の)履歴を使用時に気にされる方は多いと思いますし、安心してご利用いただくために不可欠と考えています。新たに導入したVAIOに比べ、OSの異なるSony Tabletでは前例がないため、導入の際には慎重に仕様を検討しました。
山谷 タブレットに(Webの閲覧)履歴を残さないために、お客様自身で履歴を一括削除できるオリジナルのアプリを用意しました。これも少し煩雑だった操作のものを、ワンタップで簡単に操作できるようにカスタマイズしていただき、お客様の手間とラウンジスタッフの工数を減らすことに留意しました。
山谷 はい、そうですね。盗難防止やセキュリティーの観点から、VAIO、Sony Tabletともにワイヤーロックでしっかりと固定し、簡単には外せないような処置をしています。
山谷 今回の導入にあたっては、お客様目線から「サービスとしての質を向上させること」を第一に進めてきました。そのため、プライバシー確保やセキュリティー対策の提案をいただいた後は、導入に向けた社内の意見はより積極的になりましたね。導入時にお客様がスムーズにお使いいただけるよう、全日空商事(株)、(株)ANAコミュニケーションズも交え、ANAグループをあげて細かい部分まで調整していきました。
山谷 はい、おかげさまでたくさんのお客様にご利用いただいています。(VAIOとSony Tabletを合わせて)端末自体の台数が増えたこともありますし、タブレットという新しい機器への関心も高いようです。また、設置エリアも再考し、今までパソコンが置いてあった場所以外のソファー席にSony Tabletを設置していることも、手に取る機会が増えていると思います。
山谷 すでに「もっと台数を増やしてほしい」というお声をいただいています。国際線のラウンジでは待ち時間が長くなるので、食事やお酒を楽しまれた後に「ちょっとインターネットを」なんてシーンも数多くあります。また、ご自身のノートパソコンをお持ちでも、今まで触ったことのないSony Tabletに興味を持たれて、一度は触ってみたくなるようですね。こうして常に新しいものを導入して、お客様の満足度を高めていけるといいですね。
山谷 ラウンジ内に設置するものとして、導入検討の際に色やデザインにはこだわっていたのですが、実際にラウンジに置いてみると驚くほどマッチしました。ラウンジのインテリアの一部のようです。デスクトップPCからノートPCに変更すると同時に無線LAN化したこともあり、ラウンジ内の配線も減って見た目にもすっきりしましたね。
山谷 「Sony Tabletで閲覧したWebページを印刷したい」というご要望がありました。現在ラウンジには、お客様がお持ちになられたパソコンとUSBや無線LANで接続して印刷ができるプリンターを置いていますが、(Sony Tabletの)印刷対応はこれから検討をしたい点です。
山谷 ラウンジ内のIT機器の管理は(株)ANAコミュニケーションズが一元して実施しています。また、新しく導入したSony Tabletの管理は、1台1台をMDM(Mobile Device Management)ツールで行っています。
山谷 ラウンジ内は日本語と英語の両方を併記しているので、Sony Tabletでも英語の設定を用意したいですね。日本の航空会社として、外国からのお客様に、「日本製のプロダクトをたくさん使ってもらいたい」という思いがあります。特に(外国の方にとって)タブレットと言えば、日本製以外を想像する方が多いので、ぜひアピールしたいですね。
山谷 現在は、WebブラウザーのホームページをANAのページにしている程度で、まだ具体的に検討はしていません。ラウンジのパソコンやタブレットでしか見ることのできないコンテンツの検討など、いろいろな使い方を考えていきたいです。
山谷 はい。それについては、これからお客様のニーズを把握し、サービス内容を検討したうえで、考えていきたいと思います。
今回、Sony TabletをANAのお客様が利用されるラウンジに導入するにあたり、ラウンジの不特定多数のお客様に快適にご利用いただけるように使いやすさとセキュリティー面について念入りに準備を行いました。今回はオリジナルの履歴削除アプリのご提供やMDM(Mobile Device Management)の導入などを実施しております。結果としてお客様にもたいへんご好評であると聞いて嬉しく思っています。
担当 西川 徹