医療の理想に挑む医師会の取り組みをVAIOの性能と機能美が支える
地域医療を支える開業医の診療を支援し、また地域の医療機関との連携の核となるべく自主開発された医療情報ネットワークシステム。その端末となったVAIOの「選択の理由」に迫る。
愛知県知多半島の中心都市として栄えてきた半田市。古くから醸造業も盛んで、全国ブランドの醸造酢メーカーの本社所在地としても知られている。ここ半田市の医師会では、医療情報システムの自主開発という全国的にもユニークな取り組みを進めてきた。各種の検体検査や画像診断を担う、医師会健康管理センターを核に、センターと医院、あるいは医院と医院、そして医院と中核病院の間の診断情報共有を可能にすることで、スピーディーで正確な医療サービスを提供。地域医療の質を大きく向上させ、大きな注目を集めている。『Dr.Web』と名付けられたこのシステムで、クリニックでの利用端末として採用されたのがVAIOだ。
業 種 | 導入機種 | 使用用途 |
---|---|---|
一般社団法人 | VAIO Lシリーズや Eシリーズなど70台 |
健康管理センターを核とした 医療情報ネットワークの クリニック内端末 |
患者への懇切な説明にも一役。
高精細な表示品質
身体も心も癒す、クリニックに
求められる佇まい
クリニック現場の事情に合わせて
選べる多彩なラインアップ
田村 半田市医師会で運営している健康管理センターが自ら開発に携わった医療情報ネットワークシステムが「Dr.Web」です。 センターでは、クリニックからの依頼を受けてMRIやCT、X線検査などの生体検査や検体検査等を行っていますが、その診断データをクリニックとの間で共有したり、検査予約の機能を提供するために開発しました。 実はこうした検査業務では、多くの地域で民間業者が大きなシェアを持っています。
しかし、そうしたサービスは良く言えば汎用的である半面、痒いところに手が届かないという部分もあります。 そこで私たちは医師会という立場から、実際にシステムのユーザーとなるクリニックの先生方の意見を最大限に取り入れて、使いやすい、使いたくなるシステムの開発に取り組むことにしたのです。その結果、多くのクリニックで導入いただけるよいシステムができあがりました。 またそれによって健康管理センターの利用率も向上し、さらに情報共有の効率も上がるという好循環が生まれています。
事業本部長 田村卓男 様
Dr.Web推進責任者 宇藤俊明 様
宇藤 「Dr.Web」はその名の通りWebブラウザ上で動作するように開発されたシステムです。その意味では端末機種を選びません。そこで当初、端末導入に際しては、コスト等も考慮して海外メーカーや、業務用途で実績の多い他メーカーも検討しました。
しかし、検討委員会に所属する先生の多くが、一致してそれらのメーカーではなくソニーを推されたのです。先生方としても、思い入れのある自分のクリニックで使う端末は、ありきたりで事務機器的なものより、デザイン性に優れたVAIOを選びたいという意向を強く感じました。さらにセキュリティ面や故障時などの対応等、総合的に判断して、VAIOの導入が決定しました。異論はなく、ほぼ即決に近い状態でしたね。
宇藤 非常に好評です。デザインはもちろんですが、使ってみての評価が一番高いのは、ディスプレイの表示画質ですね。「Dr.Web」でも、断層撮影など、画像診断のデータ表示は非常によく使われる機能ですので、それが非常に見やすく、綺麗に表示されるということで驚かれた先生も多いようです。
山田 私はシステムを導入される先生や、クリニックのスタッフの方たちに、実機を使って使用法のトレーニングなどを行っているのですが、日頃お使いのご自分のパソコンなどと比べても、画面が綺麗で、キーボードなどの操作系も使いやすいという声をよく聞きますね。
Dr.Webインストラクター 山田真梨 様
宇藤 当初、機種については、高解像度で省スペースな液晶一体型のLシリーズ、大画面かつ高解像度のノートブック型Fシリーズ、そして高解像度ながらコンパクトなモバイルノートブック型のZシリーズを選択肢として示し、各医療機関にアンケート取りました。 ノート型を選ばれているクリニックでは、やはり設置場所の都合でコンパクトなものを望まれたようです。 副次的な効果として、ベッドサイドなどへ持ち運んで、患者様へ検査結果をお見せしながら説明できることが重宝がられています。 一方の一体型デスクトップは、やはり大画面が魅力で、診察室で患者様と一緒に画面を見ながら、詳細な説明ができることが理由で選ばれています。 実際に導入してみると、設置面積はむしろ大きなノート型より小さいくらいだという点も好評の理由ですね。
山田 機種選定については、やはり設置場所が一番の理由になることが多いです。 その機種が設置場所に収まるかどうか、ということです。 その上で、画像を重視される先生であれば一体型を選ばれたり、やはり場所を取らない方がいいのでノート型を選ばれたりといった具合です。 サイズが選べるというのはやはり重要だと思いますね。
宇藤 現在では台数が増え、機種ラインアップの改廃もあったことから、Lシリーズ、Jシリーズ、Eシリーズ、Sシリーズなど、他機種から用途に応じて提供できる体制を取っています。機種を問わず、これまで不満が出たことはありませんね。 2011年のタイ洪水の際には、ソニーさんの生産体制に影響が出て、一時的に調達に困難が生じましたが、その時も、代替として他メーカーの機種をご提案したにも関わらず、それでもVAIOを希望される先生ばかりでした。 先生方の間でも、VAIOに対する評価が広まっていることを感じましたね。
田村 2010年からスタートした「Dr.Web」ですが、現在までに110を超える医療機関に導入されています。また近日中にも、さらに数十施設が加わる予定です。 先に宇藤からお話しましたようなVAIOの評判や信頼感は、「Dr.Web」の普及活動にとっても追い風になっていると感じます。
宇藤 今後は新しく登場したVAIO Duo 11やVAIO Tap 20などで、Windows 8のタッチパネルインターフェイスを生かしていくことができないかという声も挙がっています。 現状のシステム環境ではまだ使いにくい部分が多いので、あくまで今後のテーマですが、タブレットスタイルの活用が、医師と患者の間のコミュニケーションに変化をもたらすこともあるのではないかと期待しているところです。 これからもVAIOには、いい意味で業務にフィットした仕様の機種を継続してほしいという気持ちと、提案型の斬新なモデルへの期待が相半ばしています。 私たちも、それに負けずにシステムに磨きを掛けていきたいですね。
「Dr.Web」は、既に数多く存在する汎用の医療情報システムに飽き足らず、私たち医師が本当に必要とし、実際に使いたくなるものをという思いで開発したシステムです。 開発にあたっては、私も積極的に意見を述べてきましたから、思い入れもひとしおです。 そんなシステムですから、やはり日々向き合って手で触れる端末は、お気に入りのものを使いたいと思うのが人情でしょう(笑)。
開業医の先生には、クリニックの外観や内装にもこだわりを持った方が多いですから、いかにも事務機器然としたPCを置きたくはないのです。 当クリニックでは、診察室に液晶一体型デスクトップのVAIO Lを、処置室にはノート型VAIO Eを設置しています。 処置室にはその他の検査機材なども多く、スペースに制約がありますからノート型を選び、診察室では画像を患者さんと一緒に見ることからディスプレイサイズの大きなデスクトップ型を選びました。
液晶一体型のVAIOはとてもスリムで、設置場所の奥行きについてはノート型より短い寸法で済むのはうれしい驚きでした。 ただ処置室については、丸ごと持ち運ぶこともできるノート型のメリットも大きいので、この選択は正しかったと思っています。
実際に導入してみて、VAIOはデザインも素晴らしいですが、やはりこの明るくてクリアなディスプレイの画質には本当に驚きました。 私の診察室には、VAIOと並んで、画像診断システム専用のディスプレイも置いてあるのですが、どう見てもVAIOの画面の方が鮮明なのです。 診断画像が鮮明に見えるということで、当然ながら診察そのものもより適切に行えるようになります。
また、説明を受ける患者さんも、初めて見るときには綺麗な画面に驚かれるようですが、すぐに食い入るように見てくださり、説明もよく理解してもらえていると感じますね。 検体の登録や検査予約を担当しているナースはノート型のVAIOを使っていますが、こちらも画面の綺麗さや、アイソレーションキーボードなどの使いやすさで大変評判がいいです。 患者さん、スタッフ、そして医師と、VAIOのお陰でクリニック全体にいい影響が出ていると思いますよ。