日々多様化する食に対応する容器開発は、スピード感が生命線。老舗企業が選んだのはソニーのビデオ会議だ。
目指したのは、複数拠点を結んだ営業会議のビデオ会議による効率アップ。ソニーのビデオ会議システム・IPELAは、導入目的はもちろん、さらに大きな効果をもたらしつつあるという。
愛知県一宮市。古くから繊維の町として知られた当地で織物修整業として創業しながら、その先見性が奏功し、現在はプラスチック食品容器メーカーとして知る人ぞ知る存在となったのがスミ株式会社だ。多様化を極める現代の食を支える同社に求められるのは独創性とスピード感。営業会議の効率アップを目指して導入されたというソニーのビデオ会議システム・IPELA。しかしその効果は、事前の期待を大きく超えるものだった。
業 種 | 導入機種 | 使用用途 |
---|---|---|
プラスチック食品容器メーカー | PCS-XG80および PCS-XG55×3台 |
グループ内複数拠点間での会議 |
ハイビジョン画質が透明
プラスチック素材の嵌合
(かんごう)までを見事に伝達
「入口から出口までソニー」で
実現する、いっそうの高画質
社内ネットワークとの
共存に欠かせない高度な
設定も簡単操作で
墨 当社では、愛知県の本社や工場の他、東京、大阪、仙台に営業所があります。営業戦略についての会議は月に1〜2回、担当者が本社に集まって開催していました。大規模でも大人数でもありませんが、やはり人の移動に関わる時間や費用を節約したいという思いがありましたね。
スミ株式会社
代表取締役社長 墨 和幸様
中村 ビデオ会議導入の検討指示を受けて、まず最初はノートパソコンと内蔵カメラのみで使えるような簡易なシステムから検討をスタートしました。ですが、予想はしていたものの通話品質は私たちの要望に届くレベルではありませんでしたし、やはり1対1のやりとりを基本に作られたサービスでしたので、複数拠点をつないでの会議を想定した当社のニーズとは、使い勝手の点でも合致しませんでした。
墨 そこで専用のビデオ会議システムの検討に入ったのですが、出入りのシステム業者に相談すると「画質にこだわるならソニーですね」と一番に推薦されたのがIPELAです。
中村 実際には何社かの製品を実際にデモンストレーションしてもらうことになったのですが、IPELAの画質と操作性はズバ抜けていました。私はシステム運用を担当する立場ですので、操作性には特にこだわっていましたし、その面でも迷いはありませんでしたね。また、デモの際にはブラビアを一緒に持ち込んでいただいたのですが、その鮮明な画質にも本当に驚きました。
墨 そこで迷わずブラビアも一緒に導入することを決めて今に至る、ということです。
中村 それからもう一点、先ほど操作性についてお話しましたが、社内ネットワーク上で高画質のビデオ会議を行うということで、帯域調整などのセットアップは不可欠であると考えていました。IPELAはそうした高度なセットアップも、簡単な操作で行うことができましたので、実際に機材が導入されてから極めて短い期間でこうした調整を終えることができました。設定だけでなく、日常の操作もとても簡単ですので、社内への導入にあたっても、特別な研修などを行う必要もなく、まさにビデオ会議経由で、ひと通りの説明を終えることができてしまったくらいです。とにかく、とてもスムーズな導入でした。
墨 はい。これは目論見通りです。当社には大企業のような多数の拠点があるわけではありませんが、本社を含めて4つの拠点というのは、ビデオ会議でコミュニケーションを取るにはなかなか適した規模なのではないかと感じています。コストや時間の削減はもちろんですが、必要が生じた際に、いつでも会議を開けるようになったことは大きなプラスですね。
中村 先ほども言いましたが、操作がとにかく簡単ですので、打合せを思い立った社員が誰でもビデオ会議の主催者になれる、という印象です。社長の言う「いつでも会議」にはそれも大きく貢献していると思います。
スミ株式会社
業務部電算課課長 中村 純様
墨 はい。当初の導入目的は営業会議だったと申し上げましたが、あまりにも画質が良いことに驚いた社員が、開発会議に使うようになりました。当社のお客様は、大小さまざま、たくさんの要望をお持ちですので、それらに対してスピーディーに対応していくことが求められます。それがビデオ会議で進められるようになったことで、驚くほどビジネスのスピードが上がっています。
中村 画質に加えて驚かされたのは、カメラのズーム比の高さと、マクロ撮影的にも使えることで、製品の細部まで簡単に、クリアに映し出せることですね。当社の製品は薄くて透明なプラスチックを使用したものが多いのですが、これならまったく問題なく、構造や品質についての会議ができると社員にも好評です。HD映像とPCなど外部機器の映像を同時に表示できるのも大変便利ですね。
墨 開発会議にも、商品開発段階のもの以外に、発売中の製品の改良や、お客様からのクレームへの対応などがありますが、特に後者はスピードが命です。従来ですと当該の実物を本社開発部門へ送り、それからようやく会議という流れでしたから、場合によっては対応まで1週間近くを要することもありましたが、ビデオ会議のおかげで即日の対応検討が可能になりました。これは本当に大きなビジネスメリットですね。
中村 現在すでに、業務に使用しているタブレット端末を接続して、業務データや開発データを共有したり閲覧したりという形で、どんどん会議のスタイルが進化しています。製品の3Dモデリングデータをアニメーション表示しても、コマ落ちなしに表示できるのは、PC本体に負荷の掛からないビデオ会議ならではです。こうした工夫が社員の間で生まれていくのも楽しみですね。
墨 ビデオ会議を導入してみてつくづく感じているのは、このシステムが、決して大企業だけのものではないということです。むしろ当社のように規模よりもスピード感や機動性を重視している企業でこそ効果を発揮すると言ってもいいのではないでしょうか。私たちはビデオ会議の導入で得たスピード感で、一層自社の強みを伸ばしていきたいと思っています。最後にもう一つ、これは無いにこしたことはありませんが、先年の震災のような災害が起きたときに、ビデオ会議が電話その他の通信手段のバックアップとして機能することも期待しています。どの手段なら大丈夫、というものではないでしょうが、コミュニケーション手段を冗長化しておくことは有効だと思うからです。IPELAと共に当社のビジネスがよりしなやかで強いものに進化していけるよう、励んでいきたいですね。