■「紙」から「デジタル」へと変容するイセトーのビジネス
--まずはイセトー様の事業内容についてお聞かせください。
大塚:株式会社イセトーは幕末の1855年(安政2年)に京都で和洋紙の卸として創業。その後、1920年代には電線を保護する絶縁紙(電線巻取紙)を、1950年代には国産初のコンピューター用ビジネスフォーム(連続用紙)をと、その時代ごとの「紙」にまつわるビジネスを行ってきました。そして1990年代後半から現在は、主に金融機関や公共団体が顧客や市民に郵送する通知状の作成アウトソーシングを主軸に、パーソナライズド動画やスマートフォンでの手続きといった、デジタルソリューションに注力しています。
そうした中、私たちは今年(2023年)10月、企画や営業、デザイナー、エンジニア、製造など、ソリューション開発の上流から下流までのすべてのメンバーがプロジェクトごとに集える場所として「プロジェクトセンター」を神奈川県相模原市緑区橋本にオープンしました。実際に顔をつき合わせながら意見を交わし、知識やノウハウを共有することで、新たなソリューション、そして新たな企業文化を生み出すことが目的です。今回、そのプロジェクトセンターに法人向けブラビア「BZ40L」を4台導入しました。
■映像を通じてコミュニケーションを誘発・加速
--プロジェクトセンターでは、法人向けブラビアを具体的にどのようにお使いになられているのでしょうか?
大塚:プロジェクトセンターは、その目的の実現のために「自然と人が集まりたくなるコミュニケーションの場」であることと、「地域に根差し、地域に開かれた場」であることをキーワードに空間作りを行いました。めざしたのは、新しい働き方を生み出すこと。テレワークや従来型のオフィスでは切り捨てられがちな対面のコミュニケーションや、一見プロジェクトには関係なさそうな話題、飲み物を取りに行くときに自然と顔をあわせるといったコミュニケーションを誘発していくことが狙いでした。
そのため、入ってすぐにある、カフェのような開放的なスペース「わいわいゾーン」では、これまでになかった価値を創造する空間として、その名の通り「わいわい」と声を出してコミュニケーションを楽しんでもらえることをめざしました。
--オシャレなカフェカウンターや、寝転べるリラックススペースがあるのがユニークですね。
大塚:この「わいわいゾーン」には、2台の法人向けブラビアを設置しています。まずカフェカウンターの上に設置された大きな65V型の「BZ40L」は、カウンターに座った人たちがPC画面を投影して議論したり、学生も含めた外部のかたを招いたイベント時などにイメージビデオや音楽を流したり、あるいはスポーツ中継を映して皆で盛り上がったりといった用途を考えています。
そしてもう1台、55V型の「BZ40L」はキャスターを付けて、室内の好きな場所に移動させて使えるようにしました。こちらはカフェコーナーでのワークやセミナー、学習会などに利用する想定です。
そのほか、「地域につながる」の思いを込めて相模原の市の木「けやき」と市の花「あじさい」の名前を付けた2つの会議室にも1台ずつ55V型の「BZ40L」を設置しています。ビデオ会議を中心に、打ち合わせや研修など多目的に使ってもらうことを想定しています。
■「BZ40L」シリーズの映り込みの少なさに満足
--今回、プロジェクトセンターに法人向けブラビア「BZ40L」シリーズを採用していただけましたが、貴社が業務用ディスプレイに求める性能・機能とはどんなものなのでしょうか?
大塚:プロジェクトセンターは外の光を多く取り込むような設計になっており、会議室すらガラス張りです。そのため設計段階からディスプレイへの外光の映り込みが懸念されました。そうした中、映り込みを抑える「ディープブラック・ノングレアコーティング」を施した「BZ40L」が登場したということで、『これだ!』と導入を決意しました。期待通りの映り込みの少なさでとても快適に利用できています。外光はもちろん、画面目前にあるスポットライトの映り込みもほとんど気にならないというのが素晴らしいですね。
--映り込み以外に注目されたスペック、機能はありますか?
大塚:画面サイズと画質ですね。このプロジェクトセンターではビデオ会議だけでなく、プログラムのコードを大画面で共有し、多人数で見ながら意見交換することも多いのですが、これまで使ってきた27型前後のPC向けモニターでは画面サイズも画質も不十分という声が上がっていました。その点、法人向けブラビアはより大きなサイズを選択でき、コードの細かい文字もクリアで読みやすかったため、私たちの用途にピッタリでした。また、会議中に資料を映し出す用途でも、複数の書類を並べた状態で全てが読みやすい大きさで表示されるメリットがあります。もっと大きくても良かったかもしれません(笑)。
そのほか、部屋のデザインを主導した立場としては、ロゴなどの加飾を排した、インテリアに馴染むシンプルなデザインもありがたかったです。今回オプションでモニターキャスターも導入しましたが、本体とのデザインの相性も良く、とても気に入っています。
■法人向けブラビアで今後のコミュニケーション活性化に期待
--プロジェクトセンターが開設されてから約1か月が経過しました(取材時点)。現時点での法人向けブラビアの導入成果、そして今後の期待をお聞かせください。
大塚:「BZ40L」の映り込みの少なさと映像美のおかげで、長時間の作業でも疲れにくいことが最初の成果だと感じています。特に、表示されたコードを凝視せねばならないコードレビューや、先輩エンジニアが後輩に指導しながら開発を進めるペアプログラミングにおいて、エンジニアから見えにくいとか使いづらいといった声もありませんし、狙っていた社員同士のコミュニケーションの誘発と新しい働き方に向けて、法人向けブラビアは寄与し始めてくれています。
また、橋本という場所は地域や沿線に大学や専門学校も多いため、今後は、ここでインターンや、会社説明会を行う予定なのですが、そこでも法人向けブラビアは活躍してくれると思っています。キャスターに載せた法人向けブラビアを並べてチームごとにワークショップし、それを発表なんてことも楽しそうですよね。『ファンクション イズ ビューティ』と言いますが、機能は美しさであり、それを使う人間がワクワクできるのはとても良い循環を生むと思っています。
--最後に今回の法人向けブラビア導入を振り返って、印象に残っていることがありましたらぜひお聞かせください。業務用ディスプレイの刷新を検討中の法人のお客さまの気付きになるようなお話を聞かせていただければ。
大塚:法人向けブラビア導入は施工会社様経由ではなく、直接私たちがソニーに問い合わせしたのですが、メールでの相談、見積もり手続き、納品制限のあるビルへの搬入手続き上の資料作成、設置場所への搬入まで、丁寧にサポートいただきとても助かりました。
こういったものは購入して終わりではありません。今後、長い期間かけての故障対応やメンテナンスしていく必要があります。しかし、ソニーであれば、機材の品質やサポート面でも安心できると考えました。決して安い買い物ではありませんから、信頼できるメーカーを選ぶようにすべきでしょう。