■これまでのノウハウを全て詰め込んだ「デイサロン」施設
--まずは、2023年11月に開所したコハル デイサロン高根がどういった施設なのかを教えてください。
鈴木:コハル デイサロン高根は、通所型の介護支援サービス、いわゆる「デイサービス」を提供する施設です。施設では、食事支援、入浴支援、運動支援(機能訓練)、カラオケをはじめとしたレクリエーションなど、さまざまなサービスをご利用いただけます。一般的なデイサービス施設と比べて広めの空間の中に上質で上品な家具を導入し優雅な室内空間と屋外に歩行訓練場を確保することで、利用者の皆さんにゆったりと過ごしていただくことを目指しており、「デイサロン」という名称にはそうした想いが込められています。コハルグループとしてはすでにいくつかのデイサービス施設を運営していますが、コハル デイサロン高根はその集大成となるような施設であり、今後の団塊世代の施設利用を見据えた施設となっています。
--たしかに、ものすごく広く、ゆとりのある空間になっていますよね。それ以外にコハル デイサロン高根ならではの魅力がありましたらぜひお聞かせください。
鈴木:まず、愛知ならではのユニークな取り組みとして、当社グループが営業しているコハル珈琲店の「モーニング」の朝食サービスを提供しています。また、夕食に関しても当社グループに給食センターがある強みを活かし、お持ち帰り用のお弁当を用意しています。一般的なデイサービスでも昼食は提供されるのですが、朝・昼・夕、全ての食事をサポートする施設は珍しいのではないでしょうか。一人暮らしで食事の用意をするのが大変だという利用者のかたから特にご好評いただいています。
--モーニングのサービスは、長らく愛知で暮らしてきた利用者の皆さんにはうれしいサービスでしょうね。
鈴木:さらに運動支援についてもこだわりがあり、施設に常駐する理学療法士・作業療法士が、利用者それぞれに合った運動プログラムを考案し、提供しています。施設の広さを活かした歩行訓練用のエリアも用意されており、リハビリに特化したデイケア施設に迫るレベルの機能訓練が受けられることも本施設の大きな特長の一つと言えると思います。
■55V型モデルを4台組み合わせて安価に110V型の大画面を実現
--どのように法人向けブラビアをご利用されているのかを教えていただけますか?
鈴木:機能訓練などをしていただく運動スペースに4台の法人向けブラビア55V型モデル「FW-55BZ30L」を壁掛けし、内蔵アプリ「Multi Display Settings(MDS)」を用いて110V型相当の大画面表示ができるようにしています。大画面で好きな映像を見ながら運動すれば、身体を動かすのが苦手というかたでも楽しい気持ちで取り組めるのではないかという狙いがあります。
--運動中にはどのような映像を流しているのですか?
鈴木:利用者の皆さんのリクエストに合わせて、まるで旅行に行っているような風景映像や、みんなでわいわいと盛り上がれる映像、懐かしの映像など、さまざまなコンテンツを再生しています。
■サロンの象徴となる大画面をMDSで低価格で実現
--今回、MDSでの大画面化を選んだ背景についてお話しください。
鈴木:コハル デイサロン高根の開所にあたり、従来よりも大きな施設になるということで、その象徴になるような大画面デジタルサイネージを導入したいと考えていました。ところが100V型前後の製品ともなると高額になってしまいます。そうした中、施設内のカラオケ設備などでお世話になっている販売店さんに相談したところ、法人向けブラビアのMDSを使えば大画面を手軽に実現できると教えていただいたのがきっかけです。
--販売店ご担当の田内さんにお伺いします。法人向けブラビアのMDSを用いた大画面化は他の施設でも提案されていたのですか?
田内:いえ、存在自体は知っていたのですが、お客さまに導入させていただくのは今回が初めてです。もちろんMDS以外にも大画面プロジェクターなどの選択肢もあったのですが、すでにご相談いただいた時には施設工事もだいぶ進んでおり、プロジェクターを天吊りできるようにするのが難しそうだったこと、プロジェクターの性質上、周囲を暗くせねばならないことが高齢者向け施設として相応しくないことから、法人向けブラビアが最良の選択肢だと判断しました。
なお、法人向けブラビアを選んだ理由にはもう一つ、しっかりとしたスピーカーが内蔵されていることも挙げられます。別途スピーカーを購入・設置せずにすむことは大きなメリットでした。
■110V型大画面の圧倒的インパクト。設置・メンテナンスも簡単
--設置に関して、どういった苦労があったのかもお聞かせください。
田内:先ほど法人向けブラビアのMDSを用いた導入は初めてとお伝えしましたが、マルチディスプレイ自体はカラオケ店などのエンタテインメント施設で多くの前例があり、その大変さは知っています。ただ、法人向けブラビアについてはその苦労が全くなく驚かされました。特に面倒な表示映像の分割については、専用のタイリング装置などを必要とせず、安価なHDMI分配器で1つの映像ソースを4つの法人向けブラビアに同時出力した後、内蔵アプリで個別に切り出す部分を指定していくだけととても簡単です。画面を縦横に区切るベゼル部分を非表示領域とする調整も迷わずスムーズに行えました。4つ合計で1時間もかからなかったと記憶しています。
なお、今回は壁面設置に際して上下左右に画面を動かせる壁掛け金具を採用し、位置合わせも容易に行えるようにしています。この金具は画面を水平方向に傾けることもできるため、配線の調整などテレビの背面側にアクセスしたい時は画面を少し開いて作業スペースを作ることができます。
--導入されたブラビアをご覧になってどのように感じられましたか?
鈴木:そのあまりの巨大さに驚きましたね。コハル デイサロン高根は天井も高く、空間もゆったりと使われているのですが、そうした空間に負けないほどの存在感がありました。画質についても本当に美しくて目を奪われます。利用者の皆さんからもいろいろな映像を大画面で楽しめると喜んでいいただけています。長めの有酸素運動をしているときでも退屈せずに最後までやり通せるようになったかたも多く、導入して良かったなと考えています。
田内:こうした介護施設は利用者の皆さんだけでなく、利用者に施設を紹介してくださるケアマネージャーさんに選んでいただくことが大事です。その点、この大画面環境は、利用者に新しい楽しみ方を提案するという意味で絶大なインパクトがあります。今回、コハル デイサロン高根様では運動支援の部屋に配置されましたが、施設の入口にドーンと置かれていても面白そうですよね。また、2×2ではなく、3×3あるいはそれ以上の大サイズ(最大5×5=25台まで)も実現できるので、さらなる大画面をお求めのお客さまにも喜んでいただけそうです。