■東北最大級の国立医学シミュレーション教育専門研修施設
--まずは、新しい法人向けブラビアを設置いただいた、こちらの施設についてご紹介いただけますか?
佐藤:秋田大学医学部附属病院シミュレーション教育センター(以下、センター)は2012年に設立された、国立のものとしては東北最大級の専有面積を誇る医学シミュレーション教育専門研修施設です。施設内には大学病院の病室を再現したラボがあり、そこで高機能シミュレーターを用いた多岐にわたる病態に対する緊急処置や治療のトレーニングを行えます。県内外の医療従事者にとって大きな教育研修ツールの一つと言えるでしょう。
なお、2023年度は4月から1月末までの10か月間でのべ1万6000人を超える利用がありました。利用者の多くは医学生ですが、研修医、看護師など、すでに現場で活躍している人員も含まれます。そのため、センターは24時間休みなく開放されており、勤務明けの医師が夜間にトレーニングしにやってくるということもあります。管理・運営は、専門医を含む、私たち専任職員が行っています。
■正面玄関すぐのラウンジに大画面85V型の法人向けブラビアを設置
--では、このセンターにどういった用途で法人向けブラビアを導入されたのかをお聞かせください。
佐藤:本センターは広く全ての医療従事者のために存在しているのですが、同時に大学内の教育研究施設という側面も持っています。そのため、授業やセミナーで使ったり、大学病院の研修医向け説明会で使ったり、トレーニング以外の用途に使われることも少なくないのです。
授業や説明会でセンターを利用する際は、1階奥にあるTVセミナー室を利用します。この部屋には大画面プロジェクターが備え付けられており、一定数の学生を収容できるようになっているのですが、説明会等で参加者が多い場合は、隣にある正面玄関入ってすぐのラウンジに参加者を分散します。そのラウンジのモニターが今回導入した法人向けブラビア、85V型の『FW-85BZ40L』です。TVセミナー室に入れなかった学生にはラウンジをサテライト会場として、説明会の内容を伝えられるようにしています。
福田:具体的には、超音波画像診断装置(エコー)や心電図などの画面を表示しています。授業では、トレーニング用の人体を模したシミュレーターに超音波画像診断装置のプローブを当てて、その画面を見ながら解説していくのですが、装置本体に付いているモニターはとても小さいため、外部出力端子を通してプロジェクターで大画面投影する必要があります。ラウンジに設置した法人向けブラビアにはそれと同じ映像を映し出せるようにしています。
佐藤:授業がない時は美しい風景などの映像を流しておき、休憩にきた施設利用者の皆さんがリラックスできるようにもしています。
--導入に際し、求めたスペックや機能はありましたか?
佐藤:ラウンジはガラス張りのため日中は明るい空間となっております。また、夜間は照明を使用していますので、昼夜問わず光の映り込みを抑え、明瞭な映像を表示することができる製品が必要でした。
福田:加えて、授業や説明会で使うことを考えると、大人数が見やすい画面の大きさも必要です。それまでに使っていた業務用ディスプレイも85V型と大きなものだったので、同じくらいのサイズは必要だと感じていました。
佐藤:最終的にはこれらの要件を伝えたうえで、これまでもセンターの設備手配をお願いしてきた、私たちの業務内容をよくご理解いただいている業者のかたに選定をお願いしました。結果、もっと安価な選択肢はいくつもあったのですが、映り込みの抑制をしながらもスライドなどの色味をより正確に表現できること、心電図など黒ベースの映像も映り込みなく鮮明にはっきり見えること、細かな数値もしっかり読み取れるなど、画質面での優位性を鑑みて、ソニーの法人向けブラビアを選びました。
福田:TVセミナー室のプロジェクターもソニー製のものを使っているなど、ソニー製品には信頼感がありましたから、全く異論はありません。金額的にも十分納得できるものだったので、そのままスムーズに導入が決定しました。
■映り込みが少なく高画質な映像が利用者からも好評
--導入された直後の率直な感想を聞かせていただけますか?
佐藤:新しい製品ですし、画質にはある程度期待していたのですが、思っていたよりもきれいで感心しました。また、何より映り込みが少ないことに驚かされました。設置場所としての課題であった映り込みが解決できたと満足しています。ディスプレイの画面には外光や照明が映り込むのが当たり前だと思い込んでいたので、それまでの製品に大きな不満があったわけではありませんが、実際に全く映り込んでいないものを見てしまうと全然違いますね。特にラウンジ天井の照明が至近で映り込みやすいにも関わらず、全く気にならないのはすごいことだと感じています。また、24時間365日稼働でも標準で3年保証してくれる点も心強いです。
福田:個人的にはシンプルなデザインも気に入っています。画面を囲うベゼル部分がとても細く、壁面設置した時の見栄えがすごく良いです。
--実際に利用されている先生や学生からの感想はいかがでしょうか?
佐藤:はい。利用者の皆さんも私たちと同じ感想を持ったようです。画面がきれいになった、映り込みがなくクッキリと見えるようになったという声が私たちのところにも届いています。
--ちなみに先ほど、このブラビアには授業でも使われるというお話をされていましたが、その表示にはどのような感想を持たれましたか?
福田:コントラストがはっきりしているので見やすいなと思いました。また、プロジェクターの場合、どうしても周囲を暗くせねばならないため、手元の資料などが見にくく、ノートなども取りにくい問題がありますが、法人向けブラビアなら周囲が明るくてもはっきりと映像を表示できて学生からも好評です。
■今後はさらに活用の幅を広げていきたい
--新型コロナ禍の影響も徐々に落ち着きつつあります。これからセンターの利用者がますます増え、ブラビアを目にする人が増えていきそうですね。最後に、今後、本センターで業務用ディスプレイをどのように活用していくご予定かもお聞かせいただけますか?
福田:本センターのそれぞれのラボには70V型前後のキャスター付きのディスプレイが配置されており、シミュレーターなどの画面を映し出せるようにしているのですが、置き場所によっては照明が映り込んでしまっていました。キャスターが付いているので、これまでは映り込まない位置まで動かすことで対応していたのですが、この法人向けブラビアならその心配もないので授業が止まることなくスムーズに進行できそうです。いずれはラボのディスプレイも映り込みを抑えた法人向けブラビアに置き換えていければいいなと思います。