私の撮影スタイル
カスタムボタンは、画づくりに集中するため
風景撮影では、外光の影響を受けないように、基本的に電子ビューファインダーで画づくりを行っています。そのため、使用頻度の高い「ISO感度」と「ホワイトバランス」をシャッターボタン近くのC1・C2ボタンに設定し、ファインダーをのぞきながら、これらの設定を変更してイメージした画を追い込んでいます。
また、野に咲く花をローポジションで狙うときなどには、液晶モニターを上向きにして撮影するため、背面のC3ボタンに「再生」を割り当てることで、撮影後の画像チェックが楽にできるようにしています。普段はオートフォーカスを使って撮影しますが、逆光時などピントが合わせにくい場合はマニュアルフォーカスを使うため、「フォーカスセット」をC4ボタンに設定し、ピント拡大などに利用しています。
撮影モードは「マニュアル(M)」が多く、後ダイヤルに「絞り」、前ダイヤルには「シャッタースピード」を設定しています。撮影時は、まず親指でF値を絞りながら被写界深度を決めた後、人差し指でシャッタースピードのダイヤルを素早く回しながら露出を細かく調整しています。いわゆる絞り優先モードのような使いかたですね。ただ、同じ風景をさまざまなアングルで撮影するときは、フレーミングは変えても露出は変えたくないことも多いので、常に露出を固定できるマニュアルが便利ですね。
撮影モードは「マニュアル(M)」が多く、後ダイヤルに「絞り」、前前ダイヤルには「シャッタースピード」を設定しています。撮影時は、まず親指でF値を絞りながら被写界深度を決めた後、人差し指でシャッタースピードのダイヤルを素早く回しながら露出を細かく調整しています。いわゆる絞り優先モードのような使いかたですね。
ただ、同じ風景をさまざまなアングルで撮影するときは、フレーミングは変えても露出は変えたくないことも多いので、常に露出を固定できるマニュアルが便利ですね。
ピント合わせは、数ミリ単位でこだわる
ピント拡大初期倍率
(通常は1倍から始まるところを6.2倍からに変更可能)
シャッター半押しAF
(通常は「入」が設定されている)
基本的にはオートフォーカスを使いながら、DMFやタッチフォーカスでさらにピント位置を細かく調整していきますが、その際に重宝しているのが、「ピント拡大機能」です。例えば、森林の撮影では、隣り合わせの葉っぱ、そのどちらかにピントを合わせるかで雰囲気がまったく違ってくるため、ミリ単位でピント位置を追い込めるピント拡大が便利です。頻繁に使う機能なので初期倍率を6.2倍に設定して即時性を高めています。
このようにレリーズ前にピントを合わせ込んでいるため、レリーズ時にフォーカスが再作動しないように、シャッター半押し時のAF設定とプリAF設定をOFFにし、オートフォーカスの操作自体は背面のAF-ONボタンを使用して行っています。
ファンクションメニューは、
眼前の風景に即応できるように
福田健太郎氏のファンクションメニュー設定
ファンクションメニューには撮影でよく使う機能を登録しています。例えば、シーンによっては、エフェクトをかけた方が自分の中のイメージが広がっていく場合があり、「ピクチャーエフェクト(図の⑤)」を登録しています。
普段は3:2で撮影していますが、景色によってはワイドな16:9の方が映える場合もあるため、「横縦比(図の⑫)」を登録して目の前の景色によって画角をすぐに変えられるようにしています。α7R IIIくらいの解像度があれば、撮影後にトリミングするという手法もありますが、それだと写真から緊張感がなくなってしまう気がするんですね。私は目の前の風景と向き合い、できるだけ現場で作品を完成させるように心がけています。
五感を集中させ、
レリーズに想いを込める
マジックテープで常に本体にリモートコマンダーを装着している福田氏のα7R III
風景撮影に欠かせないのが、リモートコマンダーです。解像度の高いα7R IIIでは、シャッターボタンを押す際のわずかな振動もブレとして目につきますから。そのため、メカシャッターによるカメラブレを抑えるように、電子先幕シャッターも常にONにしています。
さらに、リモートコマンダーでなければならないもうひとつの理由があります。例えば、風景をセルフタイマーで撮る方もいらっしゃいますが、太陽の光や風で刻一刻と風景の表情は変わっていきます。そこで私はリモートコマンダーを手に、目の前の光景に五感を集中させながら、ここだというタイミングでレリーズしています。そうすると、自分の気持ちまで写り込んでいる感じがするんです。風景撮影に興味のある方は、ぜひ一度試してみてください。