プロが旅に持ち出したくなるカメラ “α7シリーズ”

“旅の一期一会を確実に残すのに最適なカメラ”

今回私はα7 IIとともに津軽の自然を巡る旅に出ました。私が普段から旅の撮影で大事にしているのは、「いいな」と思った瞬間できるだけ早くシャッターを切ること。そのためには早くバッグからカメラを出して、素早く手持ちで撮る必要があります。この時間が短いほど気持ちがのった写真が撮れるからです。かつ画質も妥協しない。それを一番体現できるのがα7シリーズだと思います。特に気象の変化が激しい山奥では、カメラを準備しているうちに目の前で風景が変わってしまう。そんなシビアな状況では、カメラの小ささや軽さがものをいいます。加えてα7 IIなら、5軸手ブレ補正でシャッターチャンスをより確実にものにできる。これを一度体感すると、もう既存の一眼レフには戻れないという印象です。実際に私の周りでも何人かα7シリーズを使っていますが同じ印象を抱いているようです。旅の一期一会の瞬間を逃さず最高のクオリティで残すなら、これほど最適なカメラはないですね。

“滝の音が響き渡る空気感まで再現してくれる”

一枚目は、白神山地の藤里町にある「銚子の滝」です。銚子(とっくり)にお酒を注いでいるように見えることからそう呼ばれるようになったそうです。洞窟のような場所にあり、滝の音が上品に響いてくるイメージを長時間露光で少しぶらすことで表現しました。これほど明暗差の激しいシーンだと緑の諧調がうまくでないことが多いのですが、明るいところも暗いところも緑が諧調豊かに表現できている。暗部もしっかり締まり、その場の冷たい空気感まで再現できていると思います。ハイライト部、中間調、シャドー部を一枚の写真に混在させるのは難しく、これができるのはフルサイズセンサーならではです。使用レンズは、28mmにフィッシュアイコンバーターを装着し、洞窟の一部を取り入れた作画としました。この新しい超広角レンズの描写もたいへん気に入っています。また、周囲には大きな石がごろごろしており足下がおぼつかないためコンパクトな三脚を使用しましたが、ちょっとしたブレも5軸手ブレ補正でカバーできたおかげで緻密に描写できました。

“旅の偶然の出会いに、三脚を用意している暇はない”

次の2枚は、銚子の滝から次のスポットへ移動している最中に偶然見つけたものです。大きな風景だけでなく、小さなものにも目を向けると旅での発見は広がります。花の写真は、芙蓉(フヨウ)をマクロレンズFE 90mm F2.8 Macro G OSSで捉えたもの。花のしべの先端にピントを合わせましたが、とても繊細かつシャープに写っています。マクロ撮影は手ブレしやすいのですが、三脚をわざわざ準備するまでもなくキレイに撮れました。

カエルの写真も同じレンズで撮影。こんなシーンこそ素早く撮れなければ、あっという間にカエルは水の中に消えてしまいます。見つけた瞬間にバッグからいかに早くカメラを取り出して構えられるか。その点において小型・軽量なα7シリーズは大きなアドバンテージになる。また周囲に葉っぱが多いためマニュアルでピントを合わせましたが、電子ファインダーをのぞきながらMFアシスト機能で簡単かつ的確にカエルにフォーカスできました。この電子ファインダーは、暗いところで使用しても、光学ファインダーより明るく見え、ピント合わせが桁違いに早くできます。「感動!」の一言です。本当に、ストレスフリーですよ。カメラを取り出して瞬時にピントを合わせてシャッターを切るまでの一連の流れをスムーズに行える、このα7シリーズの高い即写性は、写真のクオリティに直結しますね。

“名所でもこのカメラなら新しいアングルを発見できる”

写真は五色湖周辺の渓流です。ダイナミックな水の流れをシャッタースピード3.2秒にして撮影。上流や山奥に入って行くほど光量の少ない環境での撮影は多くなります。そうした場所で絞って撮るときは必然的にISO感度を上げなければなりませんが、α7シリーズならフルサイズセンサーなので感度を上げてもノイズを抑えて撮れるのもうれしい。この時は三脚を使用していますが、流れの中央にある岩のディテールが拡大して見ても潰れずにしっかり再現できているのには驚きました。専門的な話になってしまいますが、現像の画像拡大時にハイライトとシャドー部の境目に見られるパープルフリンジが、まったく見られません。これは、イメージャーの性能もさることならが、このたび使用させていただいたFE 70-200mm F4 G OSSの色収差を含めたレンズ性能が卓越していることを意味します。プリント時に、大伸ばしなども無理なく行うことができる、軽量かつ高性能なレンズといっても過言ではないでしょう。

白い糸を引くように岩肌を美しく滑り落ちるのは弥勒(みろく)の滝です。スヌーピーの顔のように見えるのが面白いですよね。迫力を出すために、できるだけローポジションで見上げるような構図にしました。これは手持ち撮影ならではのアングルです。沢登りを楽しむ感覚で流れの中に入って撮りましたが、足場が不安定な状況下でもカメラの軽さと手ブレ補正に助けられました。新しいアングルや撮り方にトライできるのはこのカメラの強みですね。

“この小ささと軽さに慣れると、他のカメラに戻れない”

最後は、ブナの巨木。約6mの幹周りで泰然とした佇まいは、見る者を圧倒します。写真では、完璧に静止した幹と風で揺れる葉、その静と動を表現しました。樹齢を重ねた木の質感が緻密に描写でき、立体感のある画づくりができました。また上部の風で揺れている枝葉のぶれ具合もとても自然です。従来のデジタルカメラだとぶれ表現がぎこちなく写真表現にまで昇華できないことが多かったのですが、α7 IIは意図して作品に取り入れることができました。

これまで大きな一眼レフカメラで全国各地の自然を撮影してきましたが、自然相手ではやはりカメラの重さが負担になります。それが、精神的にも体力的にも負担となり、貴重な一瞬を逃すということが多々ありました。今回の旅ではα7 IIの軽さや小ささがいかに有利かを実感しました。私の場合、素早く撮影できるようレンズ交換の手間を省くため、撮影中はカメラとレンズの脱着を行いません。望遠ズーム+カメラボディ、広角ズーム+カメラボディの組み合わせで旅を続けます。まさに、「ワンレンズ・ワンボディ」のスタイルです。望遠ズーム+カメラでも1.5kgという圧倒的な軽さのおかげで、このようなスタイルが生まれました。

“心地よい宿は、いつだって旅の楽しみのひとつ”

今回の旅の宿では「星野リゾート 界 津軽」を利用させてもらいましたが、とても心地よく過ごすことができました。自然を巡るのはやはり疲れるものですが、宿で温泉に浸かれることで癒せましたし、浴場に日本酒が置いてあったのもの個人的にうれしかったですね。また、施設内も趣があり撮りたくなるスポットが多くありました。庭園も美しいので、天候が悪く遠出できないときも充分楽しめると思います。

新しいところに出かけ、新たな発見をして、新たな作品を撮る。私にとって旅する醍醐味はそこにあります。「いいな」と思った瞬間に撮れて、後で見返したときにその場の臨場感がしっかり残っている。そんなα7 IIなら旅のクオリティを間違いなく高めてくれると思います。ありのままの美しい自然が残る津軽は、撮影を楽しむ旅先として最適なので、皆さんにもぜひ四季を通じて訪れていただきたいですね。

デジタル一眼カメラ α7 II

フルサイズ対応5軸ボディ内、
手ブレ補正搭載のフルサイズ一眼

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デジタル一眼カメラ α7

高画質とスピードを両立した
小型・軽量フルサイズ一眼

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