2日間にわたってほぼ満席となった特別講座。講師は、猫のはっちゃんが活躍する大人気ブログ「はっちゃん日記」や猫の写真をテーマにした多くの書籍・テレビ出演などで知られる写真家、八ニ一(はにはじめ)さんです。液晶フルオート一眼“α350”のライブビュー機能も生かしながら、ペットをはっちゃんのようにかわいらしく撮るためのコツや、写真をテレビの大画面で楽しむ方法を教えていただきました。 八ニ一さんが撮る猫のはっちゃんは、とてもリラックスしていて、表情が生き生きとしています。秘訣のひとつは、「猫の目線になる」こと。立った位置からファインダーをのぞいて猫を見下ろす撮りかたは猫の表情がわかりにくいので、常に猫と同じ高さになって撮ることが基本。その上で、より見せたいと思うアングルを選びます。八二一さんは猫の目線で撮るために、通常の一眼レフでは、床に腹ばいになりながらファインダーをのぞいたり、フットワークを使っていろいろなアングルで撮影しているそうです。ファインダーをのぞかずに、液晶モニターの向きを変えることで構図を確認しながら撮影できる“α350”のライブビュー機能は、八ニ一さんも大のお気に入りです。 |
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セミナーでは、参加されたみなさんが、1台ずつ“α350”を手にし、電源の入れ方からはじまって、カメラの「おすすめ設定」まで順に体験。ブラビアで上映するはっちゃんの愛くるしい写真を観賞しながら、八ニ一さんが語る「ペットをかわいく撮るためのコツ」に、みなさんがとても熱心に聞き入っていました。 デジタル一眼レフカメラは難しくない、というのが八二一さんの主張です。 そんな八二一さんが、実際に“α350”をどう使ってはっちゃんを撮影しているかというと・・・ |
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「モードダイヤルは、露出をカメラまかせにできる「P(プログラムオート)」にします。「AUTO(オート)」も露出をカメラまかせにできるモードですが、“α350”のAUTOモードは、暗いところで自動的にフラッシュが発光する仕組みです。正面からフラッシュを当てるとペットが嫌がり表情も硬くなるので、使いたいときだけ手動でフラッシュ発光を選べる、「P」モードがおすすめです」 「Fn(ファンクション)ボタンを押すと、よくつかう設定メニューが表示されます。動きがすばやいペットを撮るときは、ピントをカメラまかせにできる、AF-A(AF制御自動切り換え)がおすすめです。また、フォーカスエリアは、広い範囲にピントを合わせやすい「ワイド」。ホワイトバランスもカメラまかせのAWB(オートホワイトバランス)にしておきます。作例はすべてこの設定ですが、失敗なく撮れます」 「おなじポーズでもカメラを動かしてアングルを変えれば、写真のバリエーションが広がります。ペット目線で正面から撮ったら、つぎは横から、ちょっと上から、ちょっと下から撮ってみます。引き(全体)を撮ったらアップも撮り、カメラの横位置、縦位置でも撮ってみましょう。後ろ姿やしっぽ、足など、パーツも魅力的です。撮る人がいきなり立ち上がったりすると、ペットを驚かせてしまうので、その場からちょっとカメラを持つ腕を伸ばし、アングルを変えるのがコツです」 「“α350”のレンズキットにもなっている18-70mmの標準ズームレンズは、ペット全体からちょっとしたアップまで、1本でも十分いろいろな表現ができます。慣れてきたら、マクロレンズを使ってみましょう。被写体にグーッと近づいて、ヒゲや目をもっと大きく、迫力あるアップを撮ることができます。私のお気に入りの“αレンズ”は、かわいい肉球も大きく撮れる50mmMACRO。2本目の交換レンズとしておすすめですね。マクロレンズで近づくとき、ファインダーをのぞくタイプのカメラではペットにどうしても威圧感を与えてしまいますが、ライブビューならさりげなくカメラを近づけるところがいいんです」 |
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つづいて、猫写真の「マストアイテム」として紹介されたのが、八ニ一さんが「秘密兵器」と呼ぶアクセサリー、外部フラッシュです。“α350”にも、被写体の正面に向けて発光する内部フラッシュがついていますが、八ニ一さんが室内の猫を撮影するときは、外部フラッシュをカメラにつけ、真上(天井)に向けて発光するのがポイントだそうです。 「ちょっと大げさに見えるかもしれませんが、これひとつで、もっとかわいいペット写真にチャレンジできます。暗いところでの猫の丸い大きな黒目は、愛らしいものです。でもこれを狙って薄暗いところで撮影すると、カメラブレによる失敗をしやすくなります。かといって、正面から発光する内部フラッシュは、猫の目を光らせてしまうばかりではなく、猫を怯えさせてしまいます。また、フラッシュの当たった場所以外は真っ暗になり、室内の雰囲気が不自然に写ってしまいがちです」 「そこで、天井バウンス(フラッシュを天井に向けて当て、反射してふりそそぐ光)にすると、猫を驚かせることなく、大きな黒目のまま撮影することができます。さらに、天井バウンスは均一な光となるので、フラッシュを発光させても、見たままの自然な感じで、部屋のすみずみまで明るくなります。また、猫じゃらしに夢中になるすばやい動きも、明るい光の下で被写体ブレをすることなく、動きを止めて撮影することができます。天井に向けて間接的に発光させることで、猫もフラッシュに対するストレスがなく、まばたきもしません。夜の撮影には大活躍の外部フラッシュですが、日中の室内であっても、天井バウンスで光を補うと影が弱くなり、白い毛並みをふんわりとやわらかく表現することができます」 「もちろん外部フラッシュは、人物の場合、天井だけではなく被写体の正面に向けて発光するという本来の使い方もできるので、お友達の結婚披露宴などにも活躍する、利用価値の高いアクセサリーです。デジタル一眼レフカメラに慣れたころ、『もっとかわいく撮りたいな』と思ったときに買い足すアクセサリーとしておすすめです。」(八二一さん) またセミナーでは、動画や静止画の素材を使ってショートムービーを作成できる「VAIO Movie Story(バイオ・ムービー・ストーリー)」や、ブルーレイレコーダーの「Picture Story(ピクチャー・ストーリー) 」を使って編集した写真を <ブラビア> で観賞。八二一さんが撮るペット写真の世界に、会場のみなさんも大満足のようすでした。 |
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Q:自宅の猫の写真を撮ろうとして呼びかけても、なかなかこちらを向いてくれません。はっちゃんのように、自然にカメラの方を向いてもらうには、どうしたらいいですか? A:猫じゃらしなど、ペット用のおもちゃで気を引く場合は、チラッと見せるのが効果的。また、音で呼ぶ場合は、小さな音がいいですね。カメラを指先で軽くたたく「コツコツ」や、紙の「カサカサ」など、猫に「おやっ?」と思わせる程度の音が、自然な表情で振り向かせるコツです。大きな音よりも小さな音の方が意外と効果的なんです。こっちを向いてくれないからとイライラしてしまったり、つい夢中になって、大きな声で「こっち向いて!」と呼んでしまわないように注意。叱られたと思ってそっぽを向いてしまいます。 Q:犬を撮る機会が多いのですが、逆光では顔に影ができて、暗くなってしまいます。窓辺で光を背にしている場合など、表情を明るく撮るには、どうしたらよいのでしょう? A:室内では窓の外との露光差が大きいので、窓を背にしている場合は、フラッシュ(天井バウンス)を使うのがおすすめです。フラッシュがない場合は、プラスの露出補正をしてください。それから「Dレンジオプティマイザー」の使用をおすすします。“α350”は、撮る前に液晶モニターで確認できるので、これを見ながら明るさの加減をしてみてください。あえて逆光を生かし、シルエット的に表現するのもおすすめです。 |
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●M.Iさん(東京都・大田区) ●K.Iさん(茨城県) ●H.Iさん(神奈川県) ●S.Jさん(神奈川県) |
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今日紹介した写真は、すべて“α350”で撮影したものです。液晶モニターの向きを変えられるライブビューはやっぱり使いやすい。まったくファインダーは使っていません。高い家具の上に登ったはっちゃんは、カメラを持つ両腕をのばして、床を歩くはっちゃんは腰をおろしてローアングルで、床に寝そべるはっちゃんは、カメラを直接床に置いてさらにローアングルでと、今までは難しかった新鮮なアングルを、楽に狙えるのが魅力です。 |