1959年生まれ。学習院大学法学部卒業。カメラメーカー勤務を経て1996年にフォトグラファーとして独立。カメラ専門誌、Webマガジンなどのメカニズム記事執筆を中心に、写真教室など、幅広い分野で活躍中。クラシックカメラに関する造詣も深く、集めたカメラは300台以上。最近は交換レンズのコレクションにはまっており、新旧合わせて400本以上のレンズを所蔵。日本カメラ博物館、日本の歴史的カメラ審査委員。
AVENON|Super Wide 21mm F2.8 レンズの味を生かしながら、より魅力的な作品に
コムラーのDNAを引き継いで誕生したアベノンのスーパーワイド21mmは、1990年代前半に始まったライカブームの頃に登場したもので、ブームの走りになったレンズです。描写性能としては、レトロな写りが、クラシックレンズっぽくて面白い。そこをレンズの欠点と言ってしまえばそれまでですが、「レンズの味」として、どうやって魅力的に表現するかが、クラシックレンズの楽しみ方だと言えますね。この写真みたいに、カラーではなくピクチャーエフェクトの「リッチトーンモノクロ」で撮ることも表現方法のひとつ。バライタ紙に焼いた銀塩写真のような豊かな階調と立体感を表現することができるので、クラシックレンズっぽさを生かしながら、被写体の魅力をより引き出せます。NEX-6とクラシックレンズの相性の良さを実感できると思います。LEICA|Summicron-M 35mm F2 レンズの味を生かしながら、より魅力的な作品に
焦点距離35mmのライカのズミクロンは、数あるライカレンズの中でも昔から人気の高いレンズです。F2という明るさとシャープな写り。それと、ぼけに少し個性があるところが面白いところで、現代のレンズでは味わえない魅力でもありますね。さらに、もう一歩踏み込んでクラシックレンズを楽しみたい方は、レンズの個性を考えて、被写体や切り取り方を選んであげるといいと思います。例えば、手水場を撮る場合は、水面に映り込んだ木漏れ日を意図的に入れてあげる。そうすることで色のにじみなど、レンズならではのエッセンスを写真に加えることができます。コツを掴むまでには、ある程度経験が必要ですが、クラシックレンズの個性を引き出すためには必要なテクニックですね。MINOLTA|M-Rokkor 90mm F4 あらためて認識できた、ロッコールレンズのポテンシャル
ミノルタのロッコール90mmでの撮影では、レンズの描写性能の高さにあらためて驚きました。ピントを合わせたシベはもちろん、花びらのグラデーションの変わり目もシャープに描写されているし、後ろのぼけもキレイに出ています。「NEX-6でクラシックレンズがよみがえる」そう言うと、ちょっと大袈裟かもしれませんが、NEX-6とレンズがうまく融合することで、レンズのポテンシャルをもっと引き出せると思います。それと、撮影では有機ELファインダーの性能の高さにも助けられましたね。マニュアルフォーカスによる近接撮影ということもあって、ピント合わせがシビアでしたが、ファインダーの解像度が高いおかげで、微妙なピント調整もストレスなく行えました。あと、より厳密なピントの追い込みができるようにピーキング機能とMFアシストが搭載されているのは、クラシックレンズユーザーとしては嬉しいですね。【マウントアダプターの主な販売元】
近代インターナショナル(RAYQUAL、KIPON製品)、muk select(RJ Camera製品)、メディアジョイ(MJ Soft 90mm F2.8レンズ)
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