《静かで雄大な音楽が始まり、スペシャルセミナーオープニングムービーが流れる。
画面には大気圏より撮影した地球の映像が映し出される。
左下には黒い宇宙空間が広がっている。
その後、映像が次々と切り替わる。
朝方の薄暗い風景を崖の上から撮影している男性の横姿。
朝方の畑とその上を流れている入道雲。
明るいジャングルで佇んでいる豹。豹が目を閉じる。
オレンジ色のランニングシューズを履いた陸上選手が
スターティングブロックに載せている足のクロースアップ。
陸上選手は足を引っ掛けた後、膝を曲げてスタートポジションにつく。
スケートパークでスケートに乗っている青年。
青年はアール部分を滑り上り、空中でスケートを持ったまま開脚する。
青い丸や長方形のトランジション効果が画面を覆い、右下と左上へ移動し、
後ろからフットボールコートでカメラを構えようとしている男性を正面から映した映像が現れる。
映像が先ほどの男性がカメラを構えているクロースアップに切り替わる。
青い長方形のトランジション効果が下から上へと流れ、カメラを構えている女性の映像が現れる。
先ほどの女性を横から映した映像に切り替わる。
映像が草原の中で佇んでいる2匹のキリンの場面に転換する。
青い長方形のトランジション効果が画面右下と左上から流れ、
カメラを構えている女性の後ろ姿と、撮影されながら歩いている男性の横姿の映像が現れる。
2人とも花柄の中国風の服を着ていて、女性は赤い帽子、男性は黒い帽子を被っている。
男性が画面右から左へ歩くにつれて、画面左に置いてあるライトからフラッシュが焚かれる。
先ほどカメラを構えていた女性を正面から映した画角に移る。
女性は構えていたカメラを下ろし、現れた表情は笑顔だった。
青い菱形のトランジション効果がタイル状に画面いっぱいに広がる。
画面が九十度時計回りに反転しながら菱形が間隔を開けて広がる。
画面中心から菱形が広がる様にトランジション効果が消え、
森の中でカメラジンバルを構えている男性と、サポートしている男性2人の横姿の映像が現れる。
夜の都会の道路を走っている車を正面から映し、それを撮影しているクレーンに
積んだカメラを後ろから映した映像に移る。
青と白のグラデーションの菱形が画面中心から広がるトランジション効果が広がり、
真剣な表情の女性の映像が現れる。
カメラをパンしている男性を正面から映した映像に切り替わる。
菱形のトランジション効果が画面中心から広がり、雪山を見下ろしている
黄色いジャケットの男性の後ろ姿が現れる。
カメラジンバルを構えている男性と隣にレインコートを着た男性を
正面から映した映像に切り替わる。
濃いピンクと薄いピンクのグラデーション色の円形のトランジション効果が画面中心から広がり、
画面いっぱいを覆う。
その上を黄色とピンク、紫とピンク、水色とピンクのグラデーションの円形が広がり、
そのうち黄色とピンクの円形が画面いっぱいに広がる。
円形のワイプアウトから眼鏡をかけ、ボブカットの女性を左斜め下から映した画面映し出される。
先ほどの女性を正面から映した画面に切り替わる。
女性はピンク、黄色、ターコイズ色がタイル状に並べてある手のひらサイズの
ライトを右手で構え、左手で調整している。
ライトを構えている女性を右斜め下から映した映像に転換する。
画面右下から円形のトランジション効果が広がり、スケートボードを左手に持ち、
右手でVLOGCAMを構えている男性を左から後へ映した映像が現れる。
画面右上から円形のトランジション効果が広がり、VLOGCAMを左手に持ちながら自分を映し、
街中を歩いている女性を前方右下から映した映像が現れる。
その後、映像が次々と切り替わる。
湖で望遠カメラを構えて覗きこんでいる男性。
海岸で望遠カメラを構えている男性。
陸上競技場の観客席から陸上選手を望遠カメラで撮影している女性。
VLOGCAMを構えて透明のコップに入っているミルクコーヒーを撮影している女性。
長方形のトランジション効果が画面を覆い、一緒にVLOGCAMを後ろから映した映像、
カメラのコントロールホイールに指を置いているクロースアップの映像、
カメラを構えている男性を正面から映した映像、シネマカメラのレンズを
調整しているのを右斜め前から映した映像が画面分割のエフェクトと共に次々に映され、
その後青色の背景が丸や長方形でいっぱいになり、その前にCP+2024のロゴ、
α9 IIIとFE 300mm F2.8 GM OSSの写真、そしてタイトル画面が映し出される。》


ロゴ画面文字:
CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2024

画面上の文字 :
Unlock Your Creativity あなたの創造力を解き放つ 2.22 THU → 2.25 SUN

《イントロムービーが終わり、イベントタイトルがスライドに表示される。映像は会場ステージへ切りかわる。ステージの中央には大きなLED画面があり、画面右から司会者が歩いてフレームインする。 LEDには寺沢先生のセミナータイトルが表示され、司会者が挨拶を行う。》

司会
皆さま、本日はCP+2024
ソニーブースにお越しいただきありがとうございます。
このステージでは、自然写真家の
寺沢孝毅さんによるスペシャルセミナー
α9 III & FE 300mm F2.8 GM OSSで
奄美・知床の野生を斬る! をお届けいたします。
さあ、それでは早速お呼びいたしましょう。
皆さま、大きな拍手でお迎えください 
寺沢さんです、どうぞ。

《画面左から寺沢先生がフレームインしたのち、寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

寺沢
どうも皆さんこんにちは。

司会
よろしくお願いいたします。
まずはご紹介をさせていただきます。

《映像はステージから寺沢先生の紹介スライドへ。画面上には寺沢先生のプロフィールが記載されている。》

司会
自然写真家。北海道士別市生まれ。
22歳の時、移住した天売島に住み続け
絶滅危惧種ウミガラスなど海鳥の保護活動を続けています。
天売島を「小さな地球」と見立てて人と自然の営みを撮り続けるほか
極地から熱帯までの海鳥など海棲生物や環境を取材中で
2022年12月に亜南極取材を敢行。
画像と音を使った講演「Photo & Sound Live」を全国展開中。
『BIRD ISLAND TEURI」(TERRA images)『ギアナ高地 謎の山テプイ」(福音館書店)など著書多数です。
NHK「ワイルドライフ」「ダーウィンが来た!」などの映像撮影も手がけています。
それでは、寺沢さんよろしくお願いいたします。

《画面は寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

寺沢
はい、よろしくお願いいたします。
改めまして、自然写真家の寺沢孝毅です。
今日はね、このテーマ。

《画面はスライドに切り替わり、セミナータイトルが表示される。画面左側には寺沢先生が会場で話している様子のワイプが映っている。》

画面上の文字:
α9 III+FE 300mm F2.8 GM OSSで奄美・知床の野生を斬る!
自然写真家 寺沢孝毅

寺沢
皆さん待ちに待ったα9 III
そしてFE 300mm F2.8 GM OSS
この機材についてね
私の1ヶ月弱の
経験を皆さんに
報告していきたいなという風に思います。

《スライドがGoogle Earthの画面に切り替わり、地球の俯瞰から天売島へズームアップしていく。》

画面上の文字:
Data SIO, NOAA, U.S. Navy, NGA, GEBCO
© 2018 ZENRIN
Image © 2018 TerraMetrics
Google Earth

寺沢
さあ、まず、僕の住んでいる
天売島なんですけどもね。
北海道の日本海側にある小さな島で
100万羽8種類の海鳥の繁殖地です。
ここを拠点にしながら熱帯から極地まで
海鳥や海棲ほ乳類そういった生き物を通して
環境を伝えているっていうのが僕の活動なんですね。

《スライドがα9 IIIのプロダクト画像に切り替わり、その右側にα9 IIIの特徴が羅列されている。》

画面上の文字:
・ 歪まないグローバルシャッター搭載
・ 超高速 秒間120コマ連写
・プリ撮影
・超高速AF機能
・4K 120P リアルタイムトラッキング
α9 III
1月26日発売開始

寺沢
さぁ、では早速本題に入りましょう。
1月26日にですねα9 IIIが発売されました。
この機材が発表された時に僕もね歪みのないグローバルシャッターが初めて
ミラーレス一眼に搭載されるってことでとってもワクワクした一人です。
僕が注目した、この機能を紹介しますよ。
何と言っても、秒間120コマの連写ですね。
そんなに必要なのかって思う人もいるかもしれません。
それから、プリ撮影っていう機能が入りました。
これはシャッターを押した瞬間から最大1秒さかのぼって画像が記録されるっていう機能です
静止画ですよこれはね。そしてAIが組み込まれたフォーカスの精度が上がった。
もう一つは動画ですね僕は動画にも注目しました。
4K 120pつまり4Kという緻密な映像の画質が秒間120コマ撮れるっていう動画です。
その動画撮影+リアルタイムトラッキングっていうね。
動くものにフォーカスを合わせてどこまでも追従していくという機能の2つが備わりました
これは初めてですよ。
α7R Vでは4K 60pではできたんですけど4K 120pでは初めてです。
さあ、この機材ね僕ね札幌のソニーストアで発売日に受け取って

《画面は寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

寺沢
そして2日間、旭川の近郊の森で色々試すことにしました。
それを終えて自分にとっては本番の奄美大島に飛んで
奄美大島の固有種を撮りたいな。例えば、綺麗な瑠璃色のルリカケスとかね。そういう鳥です。
それが終わって、また北海道に戻ってきたタイミングで
FE 300mm F2.8 GM OSSってあの軽いレンズが手元に来ることになってました。
今度はそれを持ってこのα9 IIIと知床羅臼ウミワシですね流氷のウミワシ、これを撮影したい。
そんな計画を練ったわけですね。
そして、このCP+2024に臨もうと思ったんですけど、もう一つ僕の住んでいる天売島もできればね
紹介したいなと思ってました。
でも、今この季節海が荒れて我が家にうまく帰れるかどうか分からない
だからタイトルには奄美と知床しか入れなかったんですけど、本当は天売島もやりたい。
果たしてうまくいったかどうか最後までご覧いただければ分かります。

《画面は寺沢先生が撮影した写真の紹介へ移る。雪の積もった木々を下からα7R Vで撮った写真が画面に大きく映し出され、その中央に水色の字で「旭川近郊の森へ」と書かれている。画面右上には寺沢先生が説明する様子が映されており、その下にはα7R Vのロゴと、この写真を撮影した時に使用したレンズの名前、撮影時の設定が書かれている。》

画面上の文字:
α7R V
FE 20-70mm F4 G
1/1600 F4.0 ISO 500 +1.0EV

寺沢
さあ、まずは旭川の近郊の森ですよ。
1月の27日このα9 IIIを使う初日です。
まずは静止画から試すことにしました。
こういうふわふわした雪ですよ、旭川は。

《映像は次の写真へ。雪の中でこちらを見つめているエゾリスの写真が映し出される。》

画面上の文字:
エゾリス
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/1600 F8.0 ISO 12800
+2.0EV

寺沢
そこに住んでるのがこのエゾリスです。
エゾリスの動きはとってもすばやくて

《写真の中央に「高感度撮影」という文字が映し出されてすぐに消える。》

寺沢
高速のシャッタースピードでなければ動きは止められません。
シャッタースピードを見てください。1600分の1秒。
この日は曇り空でやっぱり森の中は暗いんですよ。
ですから、気がついてみるとISO感度は12800まで上がっていました。
そうなるとじゃあノイズはどうなのかなって気になりますよね。
どうです皆さん、ノイズ感ありますか?
僕は普段使ってる中で、ノイズ感は問題ない。こう判断したわけです。

《エゾリスの写真の色味が少し変わり、よりはっきりとした印象になる。》

寺沢
そして、レタッチしてエゾリスの色を少し出して。作品として全く問題ありませんね。

《映像は次の写真へ。先ほどよりも遠い位置で雪の中でこちらを見つめているエゾリスの写真が映し出される。》

画面上の文字:
秒間60コマ連写
1/60
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/1600 F8.0 ISO 3200
+1.3EV

寺沢
次に試したのはプリ撮影。それからオートフォーカス。
いわゆるシャッターを押した瞬間からさかのぼるという撮影です。
1秒までさかのぼれるんですが、僕はこの時0.5秒さかのぼるっていう設定をしました。
そして、 秒間60コマ連写。
1/60って書いてあるのはこれは記録された最初の画像ですからね。見て行きますよ。
これ1枚目

《エゾリスがこちらに向かって飛び跳ねる連続写真のコマ送りが流れる。13コマ目でエゾリスが着地をする。》

寺沢
はい次、2、3
3って4ですね。
5、6、7、8、9、10
11、12、13とね。
こんな風にね。
まるで、映像のコマ送りを見ているようですよね。
こうやって60コマ連写の場合は撮れるわけです。

《着地したエゾリスが左に飛び跳ね始めるコマが映し出される。》

画面上の文字:
秒間60コマ連写
31/60
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/1600 F8.0 ISO 3200
+1.3EV

寺沢
次、急に変わりましたけどもこれを見てください、31/60
つまり31コマ目の記録画像を今ご覧いただいてます。
実はこの時私は、シャッターを押したんですよ。
この時、僕はシャッターを押してこの画像が撮れたんだけどもカメラは0.5秒前までさかのぼって
30コマを既に記録してるっていうこういう機能
だから、動くだろう動物を狙う時にはねこれあらかじめシャッターを半押しして
フォーカスを合わせてないと、この機能は働きませんので
そうやって準備をして動いたと思ったらシャッターを押せばいい。
遅れたとしても大体、動き始めから撮れます。
タイミングちょっと遅いな遅れちゃうなっていう人は、1秒前までできるわけです。
僕は0.5秒。で、フォーカスもすごいでしょう?
もう、ジャスピンですよ。

《映像は次の写真へ。画面いっぱいに雪の中を木の実を咥えて、右から左へ走るエゾリスのアップの写真。毛の一本一本まで細かく描写されている。写真中央には「まずは秒間60コマ連写」という文字。》

画面上の文字:
まずは秒間60コマ連写
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/1600 F8.0 ISO 2500
+1.3EV

《「まずは秒間60コマ連写」という文字が消え、「左上に秒間60コマ連写」左下に「1/13」という文字が現れる。》

画面上の文字:
秒間60コマ連写
1/13
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/1600 F8.0 ISO 2500
+1.3EV

寺沢
ここで、秒間60コマのすごさを見ていただきますよ。
今、エゾリスがジャンプをして
前足で着地しようとしてますけども動きのワンストロークを見ていただきます。
今度は後ろ足で飛び上がってまた宙に浮くっていうところまで。
このワンストロークがちょうど13コマで表現できたので0.5秒ずつコマ送りしていきます。

《エゾリスが左に向かって走るコマ送りが再生され、ちょうど飛び跳ねたところでストップする。》

寺沢
目をつぶってますよね、そんな表情もつぶっていく段階まできちっと分かる。
そしてこうやって僕はね、この1連の動き、ずっとありますからね。
その中で、これがいいなと思ってここで止めました。
これが秒間60コマ連写ですね。もちろん120コマも試してます。

《スライドが変わり、黒い背景に動画作品のタイトルが書かれている。》

画面上の文字:
動画作品
[エゾリス 雪の森を駆ける]
・ 4K120P リアルタイムトラッキング撮影をエゾリスの不規則かつ俊敏な動きで試す
・ 改めて思ったのは、三脚に超望遠を乗せて俊敏な野生生物を追うのは至難の業
・ 思い切って三脚からカメラ機材を外して手持ち撮影に挑戦
α9 III
FE 20-70mm F4 G
FE 300mm F2.8 GM OSS
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
2X Teleconverter

寺沢
注目の動画性能は旭川の2日目にやってみました。
4K 120pで動画を撮ってそしてリアルタイムトラッキングでそのエゾリスの動きをずーっと追うと
どこまでこの俊敏で不規則なエゾリスを追えるのかってことやったの。
でね、先に結果から言うと
すごい難しかった。
その一つの理由は望遠だから三脚に乗せるでしょ?
三脚に望遠レンズを据え付けてこう縦横無尽に動く被写体を追いかけることが難しい。
でもね、ちゃんとそのフレーム内に被写体を入れ込むことさえすれば
カメラはフォーカスを合わせてくれるってことが分かりましたよ。
もう最後は三脚なくてもいいんじゃないかと思って手持ちでその速い動きを追いかけてみました。
主な機材としてFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSのズームレンズを使ってます。
一部、新しいFE 300mm F2.8 GM OSSも手に入ってから撮り直したものもちょっと追加してます。
まずはご覧ください。

《画面が暗転し、雪の積もった木々を見上げながら左にパンする映像に切り替わる。》

《木の枝の間を飛び移るシマエナガのスロー映像。》

寺沢
シマエナガですね、これスローです。

《雪の中を縦横無尽に飛び回るエゾリスの映像。》

寺沢
結構ちょこちょこ動いて三脚に乗せて望遠レンズで追いかけているというそういう映像ですね。

《周りを見渡しながら、雪の下を掘って何かを探すエゾリスの映像。》

寺沢
これもそうですね、三脚です。
エゾリスは何か雪の中の何かを
探してるようですけどもキョロキョロ周りも見回してますよね。
これはねタカなんかがね、襲ってくるんですよ。
一番危険な状態、これエゾリスにとっては。
それでね警戒をしてるってこと。
自分で埋めた、これ何かを見つけますよ。

《雪の中から掘り出したクルミを咥えて去っていくエゾリスの映像。》

寺沢
はい、クルミです。
これ手持ちです。
はい、この部分だけ手持ち。
ここからまた三脚の映像になります。

《木の上で毛繕いをするエゾリスの映像。》

寺沢
これ三脚に据えて撮ってますけれども途中でスローに切り替わりますのでそのスローの威力!

《先ほどの映像がスローになり、エゾリスの細かな動きもはっきりと映し出されている》

画面上の文字:
1/4スロー

寺沢
はい、スローですね。
ペロペロ舐めてる舌なんかもきれいに見えますよね。

《画面奥に向かって走り、木に登って行くエゾリスの映像。》

寺沢
こんなことが120pで撮るとできるんです。
ここはもう手持ちです。

《雪の塊の中から頭を出し画面右側に向かって飛び跳ねるエゾリスの映像。》

寺沢
はい、三脚。

《複雑に入り組んだ木の枝の中を飛び回るエゾリスの映像。カメラは追いきれていない。エゾリスが木の枝にぶら下がったところでカメラが追いつき、スロー再生になる。》

画面上の文字:
1/4スロー

寺沢
これも手持ちですね
エゾリスを一生懸命追いますけれども追えないことも当然あります。
でも画面に入ると、きちっとまたフォーカス合わせてぶら下がって登っていくっていうシーンが
こうやって撮れるわけですね。

《雪の中を走り回るエゾリスの映像》

寺沢
こうしてみると、カメラマン自身がいかに被写体をきちっと
フレーム内に入れ込むかここがもうポイントなんですよ。
これはFE 300mm F2.8 GM OSSで撮った映像ですね。

《画面左から右に向かって走って行くエゾリスのスロー映像。》

画面上の文字:
1/4スロー

寺沢
追い切れてませんね。 今のは完全にね。

《こちら側をじっと見つめるエゾリス。画面は暗転し、TERRA IMAGESのロゴが浮かび上がる。》

ロゴ画面文字:
TERRA IMAGES

《スライドが変わり、熱帯の森の写真が映し出される。写真中央には「奄美大島の常緑照葉樹」の文字。画面右上には寺沢先生が説明する様子が映される。》

画面上の文字:
奄美大島の常緑照葉樹
α7R V
FE 20-70mm F4 G
1/30 F5.6 ISO 2500
+0.7EV

寺沢
はい、こんな風に色々と試行錯誤して次に向かったのが奄美大島です。

《映像は次の写真へ。霧がかった熱帯で大木を見上げた構図の写真。》

画面上の文字:
α7R V
FE 14mm F1.8 GM
1/30 F8.0 ISO 640
+0.0EV

寺沢
ここはやっぱり
飛行機で大移動していってる訳なので何とか奇麗なルリカケスとか固有種の写真をものにしたい。
そんな思いで行ってます。
これね、1月2月は奄美は、まるで梅雨のような季節なんですって。
ですから、こうやって雨が降ることが多くてね。
でも、逆に森の中はしっとりして綺麗です。
しかしながらね、こういう森の中にルリカケスなんかがいるんですよね。
つまり、暗い。
暗いということはね非常に撮影も難しくなるわけです。

《映像は次の写真へ。木に止待っているルリカケスの写真。嘴には細い木の枝を咥えている。写真中央には「高感度撮影」の文字。画面下部には「ルリカケスの文字」》

画面上の文字:
高感度撮影
ルリカケス
α9 III
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
1/400 F6.3 ISO 10000
+0.0EV

寺沢
はい、ルリカケスがこうやって枝に止まってます。
暗いんで、シャッタースピードは400分の1秒まで落としてるんです。
でも、ISO感度は10000まで行っちゃってますね。
さぁ、どうですかね
これを、色とか様々調整すると

《ルリカケスの写真の色味が少し変わり、より鮮やかな印象になる。》

寺沢
こういう風にね、生き返ります。
森の中で、人間の目で見みればこうやって鳥の美しさって見てるんですよね。
そんな風にレタッチしてあげると作品レベルにきちっといくわけですね。

《映像は次の写真へ。オレンジと黒の小さな鳥が木の上で左を向いて羽ばたいている写真。》

画面上の文字:
アカヒゲ
α9 III
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
1.4X
Teleconverter
1/80 F8.0 ISO 12800
+1.0EV

寺沢
これはアカヒゲ。
沖縄に住んでいるやつはホントウアカヒゲといいますね。
こういった鳥たち、暗い中でシャッタースピードは80分の1秒
ISO感度は12800。
普通であれば手ブレを起こしますが足とか顔の眼を見てください。
全く手ブレが起きてないんです。
これはボディに8段分の手ブレ補正が付いてるんで
ピタっと止まるんです。
さえずった後に、この鳥はバタバタっと翼を震わせたり、尾羽を震わせたりする。
そこだけがブレてる。
こうやって動きを逆に出すっていうことはフィルム時代にはよくやったんですけども
デジタルになるとねやっぱりねピタっと止めたいなっていう撮影の仕方が中心になりますね。

《映像は次の写真へ。青とオレンジの鳥が羽をたたんで飛んでいる写真。写真中央には「 秒間120コマ連写」という文字。》

画面上の文字:
秒間120コマ連写
1/23
α9 III
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
1/1250 F6.3 ISO 12800
+0.7EV

寺沢
さて、いいですか
ついにいきますよ!秒間120コマ連写!
ルリカケスを撮りたいと思ったんですが森の中ではどう考えても無理です。
暗いし、ブッシュが入り組んでいて色んな障害物がある。
そこで、どこか抜けの良い場所がないかなということで探したのがこのポイントでした。
目の前にばっとね、森が眼下に見える。
そこを横切ってくれたら、これは最高だな。
でも鳥がいなきゃだめでしょう?
それで、鳴き声とか気配なんかを夜明け前から行って探るんです。
その上で、よし!いける!っていうんでチャンスが来た。
曇り空。
でも、シャッタースピードは
やっぱり飛ぶ鳥ですから、1250分の1まで上げてISO感度もね、いってますね。
さぁ、いいですか?
この鳥の羽ばたきのワンストロークを23コマで見ていただきます。
さあ、どうなる!

《鳥の羽が広がりまた閉じる一連の動きのが、コマ送りで再生される。》

寺沢
羽が開いてきましたね。
さぁ、見てるとね
そろそろいい場面ですよ!
最も開きました。
また閉じていく。
このルリカケスは
羽を広げたまま羽ばたいていないんです。
こうね、閉じてピューッと伸ばして羽ばたいて、また閉じる。
だからね、パタパタパタ...とこういうような飛び方をするんですよね。
そしていいですか
僕は3日間、丸一日撮影する時間があったんですがね

《映像は次の写真へ。鮮やかな緑の山肌の先に海が見え、その先からは太陽の光が差し込んできている幻想的な写真。》

画面上の文字:
α7R V
FE 14mm F1.8 GM
1/500 F11 ISO 2000
+0.0EV

寺沢
天気予報を覆して1日だけ晴れたんですよね。
この時にまた同じチャンスを迎えることができました。
綺麗な光の中で撮れるチャンスが来たんです。

《映像は次の写真へ。明るい光の中で青とオレンジの鳥が飛んでいる写真。》

画面上の文字:
秒間60コマ連写
1/11
α9 III
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
1/1600 F6.3 ISO 3200
+0.3EV

寺沢
森が輝いてるでしょう?
眼下の森が。
これ夜に雨が降って水滴がいっぱい付いてるんです。
そこに今昇ってきた朝日がこう当たってキラキラ輝いて
そこに鳥よ飛べ! ルリカケスよ飛べ!
願ったら飛んだ!

《映像は次の写真へ。先ほどの鳥が羽を羽ばたかせる一連の動きがコマ送りで再生される。》

寺沢
よし!チャンスだ!ということで行きました!
はい、ただね、いいですか
この時、僕が試していたのは秒間60コマでした。
それが一体どんな風に写ったか。120コマではなかった。
ちょっと戻しますよ。

《映像は前の写真へ。コマ送りの途中の最も羽を広げた状態の鳥の写真が映し出される。》

寺沢
これね、今見た11コマのうちの7コマ目です。
これでもまあまあ良い写真に思えるかもしれませんが次のカットはこうです。

《映像は次の写真へ。次のコマの羽に太陽の光が反射した状態の鳥の写真が映し出される。》

寺沢
若干翼が下がることによって、朝日が横から差す光が翼に入ったでしょう?
輝きました。
瑠璃色が輝いた瞬間ですよ。

《映像は次の写真へ。次のコマの少し羽を閉じた状態の鳥の写真が映し出され、さらにコマ送りが進む。》

寺沢
次、さらに羽が下がったんでもっと輝きました。
次、輝いてるんだけどもう閉じていてますね。
ということで、 この秒間60コマの中で
本当にいいなと思うのは2カットぐらい。
これがもし120コマで撮ってたらもう2コマぐらいはありますよね。
だからこれね、悔やんでも悔やみきれません。
120コマで撮っておけばよかったなっていうのがね
僕の反省です。

《スライドが変わり、黒い背景に動画作品のタイトルが書かれている。》

画面上の文字:
動画作品
[固有種育む密林 奄美大島]
・ 森の中を手持ちで動画撮影して8段分の手ぶれ補正を試す!
・FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS の滑らかなズームは動画撮影に欠かせない!
・ 静止画撮影で野鳥の動きや一瞬の表情を逃さないために秒間120コマ連写を常用!
α9 III
FE 20-70mm F4 G
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
2X Teleconverter

寺沢
さあ、この密林でも動画を試しました。
森の中を広角レンズで、環境を撮ってますんで
8段分の手ブレ補正がどれだけ効いてるかっていうのを見てほしいし
それからFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSのズームレンズを使って
オーストンオオアカゲラっていう鳥をこうズームで寄って行ってます。
そういう場面とかね、それから最後に静止画が出てきますので
それも注目してちょっと見ていただきたい。

《画面が暗転して、徐々に森の木々と奥に映る海の映像が出てくる。》

寺沢
唯一晴れた日には色んなことやっぱりやりたくなってね
朝から静止画だけではなくて、動画も回しました。

《山道を歩いて登っている一人称視点の映像が映し出され、木を見上げてその場で一周回転するカットに移り変わる。》

寺沢
次のカットが、森の中を歩くカットになりますよ。
階段を登っててもう、息が切れてる状態なんですがカメラは揺れてないでしょう?
これ手持ちですよ。
まさにこのセットで、こう持って
大袈裟に言うと、 ジンバルに乗せて撮ってるかのようなそういうスムーズな動きになってます。

《木に止まって幹をくちばしで叩いているオーストンオオアカゲラの映像に切り替わる。カメラはズームして行き、画面いっぱいのオーストンオオアカゲラが映し出される。》

画面上の文字:
オーストンオオアカゲラ

寺沢
オーストンオオアカゲラこれは200mmですね、今ね。
ずーっと寄って600mmまでいきます。
このレンズは、動画を撮るのにとっても役立ちます。

《オーストンオオアカゲラが木の幹をくちばしで叩くスローの映像に変わる。》

画面上の文字:
1/4スロー

寺沢
非常にスムーズにズームができてそれからまあ静かですね。
スローでやっぱりこういうのは見せたいですね。
今、飛び散る木くずが見えました。

《緑の森を背景に羽を広げて飛ぶ鳥の写真に切り替わる。画面右下には「サシバ」の文字。》

画面上の文字:
サシバ

寺沢
これも秒間120コマいらないんじゃないか
と思うかもしれませんが羽根の輝きがこう見えるのは、ほんの数カットです。

《二羽のルリカケスが木の枝に止まり、木の実を口移しで渡している写真に切り替わる。》

寺沢
これも飛んでるわけじゃないんですけども
顔がしっかり見えるのはほんの数カット。
これ動いてますからね。

《ピンクの花をつけた木に止まっている緑の鳥が頭上の花を啄もうとして上に伸びている写真。画面右下には「リュウキュウメジロ」の文字。》

画面上の文字:
リュウキュウメジロ

寺沢
このメジロの伸びた最高の長さ。これもほんの1、2カットです。

《暗闇の森の中、木の枝に止まったフクロウがこちらを見ている写真。画面右下には「リュウキュウコノハズク」の文字。》

画面上の文字:
リュウキュウコノハズク

寺沢
夜、車に乗って山道をゆっくり走ってくとリュウキュウコノハズクに出会いました。

《暗闇の中木の幹に隠れるようにして佇む黒い動物の写真。画面右下には「アマミノクロウサギ」の文字。》

画面上の文字:
アマミノクロウサギ

寺沢
それから、道路わきからちょこちょこっとアマミノクロウサギです。
みんな固有種です。
これはヘッドライトでこの機材で撮ってるんです。

《画面は暗転し、TERRA IMAGESのロゴが浮かび上がる。》

ロゴ画面文字:
TERRA IMAGES

《画面は寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

寺沢
はい、ということで
奄美大島終わってですね。
今度はいいですかこのレンズも僕待ってましたよ。

《画面は、FE 300mm F2.8 GM OSSのプロダクト画像とその特徴が羅列されたスライドに切り替わる。画面右上には寺沢先生が会場で話している様子のワイプが映っている。》

画面上の文字:
FE 300mm F2.8 GM OSS 2月2日発売開始

・カメラボディが持つAF性能を最大に引き出して俊敏・不規則な動きでも逃さないレンズ性能
・目を見張る解像性能
・世界最軽量約1,470g かつ優れた重量バランス
・ 1.4X、2X Teleconverterと組み合わせると 420mm f4、 600mm f5.6
・ 1.4X、2X Teleconverter装着時も高いAF追随性

寺沢
まず、動くものに強いっていうのはもちろん
それから解像性能だって抜群だってことはだいたい想像はつくんですが
一番僕が注目したのは世界最軽量約1,470gっていうところです。軽いんです。
これはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSと同じぐらいの重さで
そのレンズにテレコンバーターを
付けることによって望遠力が増します。
そうやって使っていてもオートフォーカスの性能が性能が落ちないんではないか
そうだとしたらすごいな!ということですよね。

《スライドは変わり、流氷が一面に広がる港町の夜景の写真に切り替わる。空には満天の星空が輝いている。画面中央には「星屑が流氷を見下ろす知床へ」の文字。》

画面上の文字:
星屑が流氷を見下ろす知床へ
α7R V
FE 14mm F1.8 GM
1/20 F1.8 ISO 400
-0.3EV

寺沢
はい、羅臼。
夕方遅く着いたんですが、流氷がびっしり入って
そして満天の空です。
明日の朝は奥の国後島から朝日がグワーッと昇るだろうと思って期待しました。

《朝日を背景に、鳥のシルエットが飛んでいる写真に切り替わる。写真中央には「秒間120コマ連写+プリ撮影で激写!」の文字。写真下部には、「オオワシ」の文字。》

画面上の文字:
秒間120コマ連写+プリ撮影で激写!
オオワシ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X
Teleconverter
1/1600 F6.3 ISO 640
+0.3EV

寺沢
その通り!
この強い朝日の中でも、FE 300mm F2.8 GM OSSはフレア、ゴーストが全く出ていない。
これがね、やっぱりすごい技術力っていうか良いレンズを作ろうっていう
開発者の魂を感じながら撮りました。
じゃあ見てきますよ!

《オレンジ色の朝日を背景に、羽を広げて飛んでいるオジロワシのクローズアップショットが映し出される。写真下部には、「オジロワシ」の文字。》

画面上の文字:
オジロワシ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/1600 F5.6 ISO 1000
+1.0EV

寺沢
はい、600mmで撮ってます。
α9 IIIとFE 300mm F2.8 GM OSSに×2のテレコンバーター
ずっとそのセットで撮り続けたものをこれから見てもらいますからね。
だから、2メートルのワシが来ると羽がフレームアウトします。
それでもね
こういう時、僕勝負をかけますよ!
しっかり眼とかさ、ピント合わせて!シャープに撮る!迫力が出ます。

《スライドが変わり3枚の写真が表示される。真ん中に先ほどの写真があり、その右には連写した一コマ前の写真が、左には一コマ後の写真が配置され、それぞれ1、2、3と番号が振られてている。真ん中の写真の縁がオレンジ色にハイライトされる。》

画面上の文字:
秒間120コマ連写
1 2 3
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/1600 F5.6 ISO 1000
+1.0EV

寺沢
自分が選んだのは、このワンカットで
秒間120コマの連写のその手前と後比べてみてください。
どれが皆さんの最高の1枚だと思いますか?
皆さんが選ぶとしたら。
足の見え方も違うし羽の形も違いますよね。
特にやっぱり見ていただきたいのは、そういう形ですね。
これなんかどうでしょう?

《朝日を背負ったオオワシが羽を広げながら雪の上に着陸する瞬間を捉えた一枚。写真下部には、「オオワシ」の文字。》

画面上の文字:
オオワシ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F5.6 ISO 800
+1.0EV

寺沢
背景に、これも朝日が来てます。
でも、このカットもフレア、ゴーストなし。

《スライドが変わり3枚の写真が表示される。真ん中に先ほどの写真があり、その右には連写した一コマ前の写真が、左には一コマ後の写真が配置され、それぞれ1、2、3と番号が振られている。真ん中の写真の縁がオレンジ色にハイライトされる。》

画面上の文字:
秒間120コマ連写
1 2 3
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F5.6 ISO 800
+1.0EV

寺沢
さあ、私が選んだのはこのカットです。
120コマだとあまり変わらないように見えますけども
羽先の1枚1枚の見え方が変わりますし太陽との重なり方も変わってきます。
こうやって見ていくとねやっぱり秒間120コマで撮っても
良いカットっていうのはもう本当に数カットしかないってこと。

《映像は次の写真へ。氷の上に立ち、まっすぐと前をみつめるオオワシの写真。オオワシの吐く息は 白い湯気のようになっている。写真下部には、「オオワシ」の文字》

画面上の文字:
オオワシ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/1600 F6.3 ISO 3200
+0.3EV

寺沢
これはいかに寒いところで撮影してるかってことを伝えたかったのね。
もう手は痛いぐらいでした、この時ね。

《立ち上がり羽を広げている白鳥が映し出される。》

α7R Ⅴ
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
105mm
1/2000秒
F6.3
ISO 320

寺沢
これもそうです。もう水平に気を使ったり、周りにどんな風景が入ってるのか、鳥たちはどんなバランスでフレーム内にいるのかっていうことを把握しながら撮影ができるということになります。

《映像は次の写真へ。白く輝く雪原を背景に、オオワシが羽をまっすぐ広げて飛びながら、鋭い目でこちらを見ている写真。写真下部には、「オオワシ」の文字。》

画面上の文字:
オオワシ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F6.3 ISO 350
+1.0EV

寺沢
そうなってもねこういう場面が来ると痛い手を我慢しながら撮るわけです。
ずっと向こうから接近してきますから近づいてきますよね。
だから最初からはシャッターを押しません。
フォーカスを合わせながら、その良い瞬間を待つわけです。
そして押します。
そうすると0.5秒前までさかのぼって120コマですから、60コマも撮れてるんです。
手前の動きまで全部記録されてるので意図しない良いカットがあったりもするんですよ。
これね、眼に光が入ってるでしょう?

《スライドが変わり3枚の写真が表示される。真ん中に先ほどの写真がありその左には連写した一コマ前の写真が、右には一コマ後の写真が配置され、それぞれ1、2、3と番号が振られている。真ん中の写真の縁がオレンジ色にハイライトされる。》

画面上の文字:
秒間120コマ連写
1 2 3
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F5.6 ISO 800
+1.0EV

寺沢
ところがこの1カット前は翼が日陰を作って眼に光が入ってないんですよ。
こうやって光の回り方なんかをきちっとチェックしていくと良い写真っていうのは絞られてきます。

《スライドが変わり、黒い背景に動画作品のタイトルが書かれている。》

画面上の文字:
動画作品
[海ワシ 氷海を舞うカムイ]
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
・α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS+ 2X Teleconverter で Super 35mm 900mm 手持ち撮影
・ 表情や動きを緻細なスローで表現するため 4K 120P ですべて撮影
・ 海ワシの威厳・鋭さを余すことなく表現する目を見張る解像力

寺沢
ということで、ここでまた映像なんですけど
圧巻の映像をお見せしたい。
α9 IIIとFE 300mm F2.8 GM OSSに2倍のテレコンバーターを着けて
そしてSuper 35mmっていう設定があるのね。
1.5倍になります
ですから、今度900mm。
これを、いいですか?
普通は三脚に載せますが、全部手持ちで撮って
どこまでできるのかそういうことをやってみました。
そして、4K 120pでねスローでギュアーッと見せる。
その時、いいですか?
ワシの眼とか翼とかさまざまなものが見えてくるんです。

《画面が暗転し、オジロワシが空中を旋回する映像が映し出されたのち、同じカットのスロー映像に切り替わる。画面下部には、「オジロワシ」の文字。》

画面上の文字:
オオワシ

寺沢
レンズの解像度も、最もよくわかる瞬間ですよ。オジロワシ飛びました。
同じカットをね4分の1スローで今見てますよ。

《二羽のワシが雪上に並んで立っているスロー映像。別の一羽が飛んできて、元いた一羽が逃げるようにして飛び立ってしまう。》

寺沢
これはLog撮影っていうこともできるんです。
10bitでLog撮影すると
あとでカラーグレーディングっていって色の微妙な乗せ方も、結構自由になる。

《オオワシが右から左へと飛んできて画面左まで来ると旋回してまた右へ飛び去る映像。旋回するところからスローになり、画面下部には「オオワシ」の文字。》

画面上の文字:
オオワシ

寺沢
動画でもビシッと追い続ける。グワーッと。これ手持ち。

《左から飛んできたワシが氷の上に羽を大きく広げながらダイナミックに着陸するスロー映像。》

寺沢
] すごいですねこれ流氷原を舞い降りるワシ。

《ワシの正面のスローのクローズアップショット。》

寺沢
900 mmで撮るとこれぐらい迫れるんですよ。

《右から左へ低空を飛ぶ二羽のワシのスロー映像。》

寺沢
果敢に顔アップとか狙いました。

《氷上でエサを食べるワシのスローのクローズアップショット。》

寺沢
鋭い眼差しが、何か伝わってきますよね。
くちばしの動き、舌の動きも見てください。
こうやって食べてるんですよ。

《ワシの正面のスローのクローズアップショット。》

寺沢
撮影者がいかにこのフレームの中に被写体を持ってくるか
これがね、肝ですね。

《氷上から飛び立つワシのスローのクローズアップショット。》

寺沢
それができるのであればフォーカスはしっかりと機械が合わせてくれます。

《画面は暗転し、TERRA IMAGESのロゴが浮かび上がる。》

ロゴ画面文字:
TERRA IMAGES

《画面は寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

寺沢
はい、ということでいかがでしたか?

《スライドが変わり、海上を飛行する三羽のカモメの写真が映し出される。写真下部には「ミツユビカモメ」の文字。画面右上には寺沢先生が説明する様子が映される。》

画面上の文字:
ミツユビカモメ

α1
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F5.6 ISO 1600
+0.7EV

寺沢
でね、行きたいなと思ってた天売島。
1日しか撮影できなかったんですが、行きました。
フェリーからはね、もう冬
波もあったしね。

《映像は次の写真へ。海上で魚を咥えながら飛ぶカモメの写真。写真下部には「オオセグロカモメ」の文字。》

画面上の文字:
オオセグロカモメ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F6.3 ISO 350
+1.0EV

寺沢
α1で撮ったんですが
皆さんこれ嘘じゃなくてα1を使って秒間30コマが物足りなく感じました。
α9 IIIを使って一ヶ月も経ってないんですよ。
ところが、慣れちゃったんです、この機材に。
コマ数もっと欲しいなって秒間30コマでも感じましたね。

《映像は次の写真へ。十数羽のカモメが海上で飛んでいる写真。写真下部には「ミツユビカモメ」の文字。》

画面上の文字:
ミツユビカモメ
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
1/2000 F6.3 ISO 350
+1.0EV

寺沢
はい、そしてね、まだまだ
春は遠いなと思って行った天売島なんですけども生きものたちは違った。

《スライドが変わり、黒い背景に動画作品のタイトルが書かれている。》

画面上の文字:
動画作品
[春への胎動 生命爆発]
α9 III
FE 300mm F2.8 GM OSS
2X Teleconverter
・α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter で手持ち撮影
・600mm と Super 35mm 設定の 900mm で撮影して映像表現に幅を出す
・4K 120P で撮影して野生生物の動きを緻細なスローで映像表現

寺沢
ものすごい生き物が天売島に集結してそしてもう春を感じてね
エネルギーを爆発させるようなねそういう動きを見せてくれました
ものすごい感動しました。
ただね、僕、油断してねまだまだだと思ってたんで
標準型のレンズは持って行ってなかった。
α9 IIIとFE 300mm F2.8 GM OSSと
×2のテレコンバーターで撮った映像。
でも、それだけではやっぱり遠近感が出ないから
帰ってくる日、朝早く起きてドローンで状況がわかるものをちょっと足しました。
それで初めて望遠の威力も、引き立つっていうことでね
その映像を見てください。

《画面が暗転し、海上から天売島を見渡すドローン映像に切り替わる。画面左下には「※一部ドローンで撮影された映像もございます」の文字。》

画面上の文字:
※一部ドローンで撮影された映像もございます

寺沢
この天売島の風景から
皆さん春を感じとれますか?

《曇り空の中、天売島を見下ろすと岸壁には雪が積もっている。画面左下には「※一部ドローンで撮影された映像もございます」の文字。》

画面上の文字:
※一部ドローンで撮影された映像もございます

寺沢
僕はね、感じ取れなかった...

《海上から天売島を臨むロングショット。ドローンは徐々に引いていく。画面左下には「※一部ドローンで撮影された映像もございます」の文字。》

画面上の文字:
※一部ドローンで撮影された映像もございます

寺沢
ところがね
生き物はねもう春に向けて動いてました。

《荒々しい波飛沫を上から捉えた映像。ウミネコの群れが海上を飛び回っている。画面下部には「ウミネコ」の文字。》

画面上の文字:
ウミネコ

寺沢
この荒波の中ね天売島で繁殖する
ウミネコがもう縄張りを主張して
群舞を始めていたんです。

《ウミネコの群れが海上を飛び回っているスローの映像。》

寺沢
スローですね
120pで撮るから
滑らかなこういった見せ方ができました。

《ウミネコの群れに突っ込むオジロワシの映像。画面下部にはオジロワシの文字。》

画面上の文字:
オジロワシ

寺沢
そこに天売島で繁殖するオジロワシも横切るんですけどね
ウミネコたちに追っ払っ追われるんですよ。
もう立場逆転ですね。
やっぱり繁殖という特別なイベントを控えてね
みんな必死っていう状況が伝わってきました。

《海上に浮かぶ、黒い塊にクローズアップして行く。》

寺沢
さあ、得体の知れないこの生き物は一体何だと思いますか?

《トドの群れが集まって海上に浮かんでいる。画面下部には「トド」の文字。》

画面上の文字:
トド

寺沢
はい、こちらはトドです。
これは600mmで撮ってますよ 600mm望遠、

《さらにトドの群れにクローズアップしたスロー映像。》

寺沢
そしてSuper 35mm
900mmで撮ったものをスローで見せています。
すべて手持ちで撮ってます。
手ブレ補正効いていますよ、すごく。

《天売島を背景に海上に浮かぶトドのドローン映像。ドローンは上昇して行きトドを見下ろす俯瞰映像になる。》

寺沢
このトドたちは天売島で繁殖していないんですが
これからこうやって集団になって流氷が消えるオホーツクの海を北上していきます。
そして、彼らの繁殖地であるサハリン
そちらの方に向かうわけですね。

《海上から天売島を一望するドローンの映像に変わったのち、画面は暗転し、TERRA IMAGESのロゴが浮かび上がる。》

ロゴ画面文字:
TERRA IMAGES

《画面は黒い背景のスライドに戻り、画面右上には寺沢先生が説明する様子が映される。》

画面上の文字:
α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS
・α9 III + FE 300mm F2.8 GM OSS は俊敏な動きをジャスピンで切り取る最強セットだ!
・α9 IIIの秒間60コマは必須、鳥の飛翔は秒間120コマを使用せよ!
・FE 300mm F2.8 GM OSS は1.4X, 2X Teleconverter と組んで望遠力を高めよ!Super 35mmも活用!
・4K 120P 動画をリアルタイムトラッキング&手持ちで撮影して激しい動きを微細スローで表現すべし!

寺沢
はい、というわけで
天売島にも春の鼓動が始まっていました。
というわけで最後になりますけれどもα9 III、 そしてFE 300mm F2.8 GM OSS
これはね、俊敏な動くものを撮るための最強のセット。
これは間違いないと私は断言したいと思います。
そして、秒間60コマはもう必須ですよ。
鳥の飛翔に関しては120コマで撮らなきゃもうダメです。
それからFE 300mm F2.8 GM OSSは
テレコンバーターと組み合わせて
動画の時はSuper 35mmを使いましょう!
これは撮影の大きな革命だと思ってます。
Super 35mmで900mmで撮っても手持ちで撮影ができる。
こういうことは、これまであったでしょうか?
撮影革命です。皆さん。
もうどんどん撮りたいものが頭に浮かんできます。
イメージが本当に出来上がってきます。
表現者として、これは本当にありがたいことです。
皆さんも新しい世界を
この機材で感じていただきたいなと、そう思います。
ありがとうございました。

《画面は寺沢先生のウエストショットに切り替わる。》

司会
ありがとうございました。
お送りしましたのは、α9 III & FE 300mm F2.8 GM OSSで
奄美・知床の野生を斬る!でした。

《寺沢先生が手元に置いてあったカメラを持ち、一礼して画面左にはける。》

司会
それでは、皆さまもう一度
大きな拍手をお願いいたします。
寺沢孝毅さんでした。
どうもありがとうございました。

《映像はステージからオープニングでも表示されたCP+2024 ソニーブースのタイトル画面へ変わり映像は終了する。》

ロゴ画面文字:
CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2024

画面上の文字 :
Unlock Your Creativity あなたの創造力を解き放つ 2.22 THU → 2.25 SUN

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