法人のお客様ラージセンサーカメラ 事例紹介 映画「初恋」

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映画「初恋」

映画監督 三池崇史様 / 撮影監督 北信康様

フイルムを超えるハイライト、変わらぬ空気感。
女優の美しさとアウトローの主人公を描き分けたVENICE

2019年4月にフランス・カンヌ国際映画祭で上映され、2020年2月28日(金) 全国劇場公開予定の、三池崇史監督初のラブストーリーとなる、窪田正孝主演映画「初恋」の撮影にはCineAltaカメラVENICEが使用されました。

映画監督 三池崇史様
映画監督 三池崇史様
撮影監督 北信康様
撮影監督 北信康様

夜の街の明るい看板もつぶさず描くVENICE

北様 これまでHDW- F900 / F900RやPMW- F55などのソニーのシネマカメラをいろいろと使ってきました。ソニーのカメラの道のりを知っていましたので、その延長線上にある、新しいVENICEも使ってみるのが楽しみでした。

本作品はナイターが主体の撮影で、舞台は歌舞伎町です。レンズはARRIのAluraズームレンズをメインに、一部単玉も使っています。スーパー35mmサイズの4K RAWで、上下切りのシネマスコープサイズで撮影しました。また、現場では仕上げを想定した3D LUTをVENICEに入れてモニタリングを行いました。フイルム時代から複数のフイルムを持ち歩くのは好きではなかったので、VENICEのデュアルネイティブISOを活かして、全篇ISO2500で撮影しました。

ISO2500でもノイズ感は全然ありません。そしてハイの伸びが綺麗です。フイルムではISO500のT2で歌舞伎町を撮ると、看板などが飛んでしまいますが、VENICEではしっかり残っています。ラチチュードの配分がとても良いと感じました。

フイルムのような中間色、空気感も見事に描写

発色がとても良い感じになり、ルックは大変「好み」です。これまでのソニーのカメラはいい意味でも悪い意味でもビデオルックでしたが、VENICEはフィルムルックになっており、そういう意味ではこれまでとは完全に異なったものになっています。特に中間色の再現がいい。ビデオカメラは中間色を抑え、純色を際立たせて、鮮やかさやシャープさを与えるような表現をしているように感じますが、我々は中間色、いわば、濁っている色を大切にしています。だから、フイルムの表現が好みで、その空気感をVENICEは描写してくれます。

エクステンションやハイスピードも使いたい

細かな使い勝手がよく、特に8段階の内蔵NDフィルターの便利さが決定的でした。アシスタントも「VENICE、恐るべし。」と言って、喜んでいました。(笑)

間に合えば、本作で使いたかったのが、新たに登場したVENICEエクステンションシステム CBK-3610XS。車の中の撮影など、使ってみたかった場面が多くあります。バージョンアップで4K 120fpsのハイスピードも撮れるようなので、改めアップで4K 120fpsのハイスピードも撮れるようなので、改めてそれぞれ使ってみたいと思います。

VENICEは実によくできたカメラで、歴代のソニーのカメラと比べても画期的にいいカメラだと感じます。今後の撮影では1、2を争う選択肢になると思います。次はラージセンサー(フルサイズ35mm)を生かした撮影を行ってみたいです。

夜の街の明るい看板もつぶさず描くVENICE

三池様 昔から「Vシネ」を撮っていた中で、16mmフイルムカメラの機動力と画の粗さで独特の世界観を作ってきました。今回の作品「初恋」は、ラブストーリーでありながらアウトローたちを描いたストーリーです。ラブストーリーの女優を綺麗に撮るには35mmですが、アウトローの男を撮るには、やはり色落ちし荒れている感じの16mm、のような感覚がありました。10年前であれば、16mmで撮って35mmにブローアップする選択をしたかも知れませんが、今回使ったVENICEはどちらのテイストも撮らせてくれるカメラでした。

テクノロジーの進化で表現の幅が飛躍的に広がりましたが、そのテクノロジーを使いこなせる人が必要です。しかし、使いこなせる人がいいセンスを持っているかは別。両方を兼ね備える人はさらに限られてきていて、人付き合いの大切さが一層増しています。「テクノロジーの進化が人間関係をますます重要にしている」と、VENICEでの撮影を通じて感じました。

映画『初恋』オフィシャルサイト

監督:三池崇史×主演:窪田正孝!第72回カンヌ国際映画祭2019[監督週間選出]作品 映画『初恋』2020年2月28日(金)全国公開。

https://hatsukoi-movie.jp/

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