写真が動き出したかのような臨場感が楽しい、次世代の映像“4K”。昨春から試験放送がスタートするなど4K映像はどんどん身近になってきています。子どもと一緒に過ごす思い出の時間や、ふと出会った撮影チャンスを精細な4Kムービーで残してみませんか? ハンディカムをはじめ、ソニーはさまざまな撮影スタイルにマッチする4K対応カメラをそろえています。また、ソニーのカメラで撮った4Kムービーはハイビジョンテレビでも見られます。今の環境はハイビジョン中心でも、未来へのプレゼントとして、思い出を4Kで撮っておくという楽しみかたもできます。
4Kムービーが撮れるカメラの種類が増えてきたことで、カメラコーナーでは時間を忘れて思わず見入ってしまうことも。でも、種類の多さから「いったいどれを選べばいいの?」とお悩みの方もいるでしょう。
そこでソニーストアのセミナー講師 永田道彦さんが、撮影シーンや撮りたい映像との相性がいいカメラをズバリ!アドバイスします。さらにカメラごとの撮影のコツや、4Kムービーだからこその意外な使いかたもお伝えします。
4Kムービーカメラとひと口に言っても、それぞれに特長や個性があって、得意とする撮影シーンも違ってきます。まずはカメラごとのキャラクターの違いをチェックしてみましょう。
ポケットやかばんにすっぽり収まるサイバーショット RXシリーズは、気になるシーンを見つけたらサッと取り出してこだわりの撮影が楽しめます。レンズ交換式のデジタル一眼カメラ αは、レンズごとに変化する映像の表情が楽しいですね。イメージどおりの4Kムービーが撮れたときの達成感や映像の素晴らしさは抜群です。サイバーショットもαも、静止画を撮ることに主眼をおいたカメラ、という印象が強いですが、今回紹介する「DSC-RX100M4」、「DSC-RX10M2」、そして「α7RII」はいずれも強力なムービー撮影機能を備えており、「動画はおまけ」なんてことはとても言えないくらい機能が充実しています。
映像制作会社パーカップ代表。映像制作のかたわら、全国のソニーストアや家電量販店で映像制作やカメラ関連のセミナーをおこなう。撮影した動画の一部はYouTubeチャンネル「4Kカフェ」にて公開中。
4Kハンディカムは高倍率のズームレンズを備え、運動会や旅行をはじめいろいろなシーンに対応できます。動画撮影の基本ともいえるカメラです。4Kアクションカムは携帯性の高さと水辺でも安心して撮影できる頑丈さが魅力です。120度を超える広い画角は、部屋の中を一望するなど独特な映像表現ができます。ハンディカムとアクションカムは、写真を撮ることもできますが、得意分野はやはりムービーです。
カメラは家族の思い出を記録するとともに趣味の道具でもあります。楽しい撮影は、そのこと自体が思い出のひとコマになります。撮りたい映像やお目当てのカメラが活躍するシーンを思い浮かべて、自分の撮影スタイルと相性のいい1台を見つけてください。
──コンパクトな「DSC-RX100M4」、大きなレンズの「DSC-RX10M2」という、2つのサイバーショットの特長を教えてください。
サイバーショットRXシリーズの魅力は、なんといってもコンパクトなサイズと高画質を両立したことです。1インチの大判イメージセンサーは被写体を立体感たっぷりにとらえ、カッチリとした描写のZEISSレンズは高精細な4Kムービーとの相性も抜群です。持ち運びやすさは「DSC-RX100M4」が一番ですね。約8.3倍の高倍率ズームを搭載した「DSC-RX10M2」は、ズームの全域で明るく鮮鋭感のある被写体表現ができ、αに勝るとも劣らないサイズを超えた実力を備えています。
撮影時に映像のトーンを整えて、表現したいテーマや被写体にあった表現ができるのもRXシリーズの特長のひとつです。彩度やコントラストを調整して、ドキュメンタリーふうや映画ふうと、映像のタッチを変えられます。4Kムービーも写真も気軽に、それでいて表現にもこだわりたい方は注目のカメラです。
──「DSC-RX100M4」の小ささを生かした撮影のスタイルを教えてください。
街歩きなどで4Kムービーを撮るのなら、上着のポケットにすっぽり収まる「DSC-RX100M4」はいいですね。気になるシーンと出会ったらポケットからサッと取り出してどんどん記録できます。旅行だけでなく毎日のお散歩にもおすすめです。たくさん撮ることで日常に隠れている名シーンを記録できますよ。
──「DSC-RX100M4」の4Kムービー撮影は、連続約5分間のクリップ4K動画記録になります。
クリップ4K動画記録は気になったシーンを次々にとらえていく、スナップ写真のような撮影に向いていますね。5分は短く感じますが映画やテレビドラマ、CMを思い出してみてください。ワンカットは数秒から数10秒がほとんどです。5分あれば想像以上に多くのものが撮れるはずです。逆に5分を意識することで長回しをさけて、撮りたい瞬間に集中したメリハリのある撮影ができますよ。
──「DSC-RX10M2」は大きなレンズが特長的ですね。
ズーム撮影を楽しみたいなら約8.3倍の光学ズームレンズを備えた「DSC-RX10M2」です。運動会でトラックのレーンをはさんで向こう側にいる子どもをとらえることや、ハイキングで木道から遠くのお花を狙うことができます。また、最長約29分と長時間の4Kムービー記録ができるのもいいですね。運動会や発表会でもダンス、組体操といった長めの演目も安心です。
──写真も4Kムービーもこだわりたいと考えると、デジタル一眼カメラ αもいいのではないか?と迷ってしまいます。
αはレンズを交換することで、どんな映像でも撮れますからね(笑)。ただ、いろんなシーンに対応しようとすると、必要なレンズの数も増えてしまいます。荷物を減らして軽いフットワークで行動したいときは「DSC-RX10M2」が重宝しますよ。
──αと聞くとまず写真を思い浮かべます。ムービーでも写真のような表現ができるのでしょうか?
レンズを交換してさまざまな雰囲気の映像を撮影できます。写実的な表現や背景がフワッとぼけた幻想的な表現と、思いのままに映像を撮ることができます。 「α7R II」は、編集作業がしやすく事実上の業界標準となっているXAVC Sフォーマットで映像を記録できるほか、広いダイナミックレンジでなめらかな階調表現ができる“S-Log2ガンマ”に対応するなど、プロの世界で使われている数々の先端技術が搭載されているのも特長です。お祭りの会場や有名な撮影スポットでαをかまえて動画を撮っている仲間をよく見かけるなど、映像制作の現場にも愛用者が多く、まさに撮れない映像はないと言ってもいいでしょう。専用のアダプターが必要になりますが、望遠鏡を組み合わせれば天体撮影もできます。
αでレンズやカメラの設定をいろいろ変えて表現を追求するのは、とても楽しいです。ただ、私もやってしまいがちなのですが、家族旅行やイベントでこだわりすぎると撮影中心になってしまい、同行する家族からあきれられてしまうこともあるので(笑)、やりすぎにはくれぐれも注意してください。
──高感度性能に優れたαは、夕方など暗いシーンでもライトを使わずに、逆に暗さを表現に生かした撮影ができると聞きました。
暗いシーンはISO感度と露出補正設定をあわせることで撮影できますが、極端な設定にしなければならないほど暗い環境では、映像にノイズが発生してしまいます。たとえば、暗い部屋で子どもの寝姿を撮ろうとしたけれど、ノイズが多くて撮影をあきらめた、といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ノイズのないクリアな映像を記録するには、高感度撮影に強いカメラが必要です。常用ISO100-25600の感度設定が可能な「α7R II」は、ほんの少しの明かりしかなくてもライトなしで撮影できます。マクロレンズを使ってポートレートふうのぼけで子どもの寝姿を撮ると、映画のワンシーンのような素敵な映像が撮れますよ。
──4Kムービーの特長を引き出しやすいレンズは、どんなレンズなんでしょうか?
細密な表現ができるマクロレンズ、なかでも被写体に0.28メートルまで近づける中望遠の「SEL90M28G」はいかがでしょう。被写体に近づきすぎることなく、それでいて肉眼以上に細部をち密に描写して、4Kムービーの精細感を引き出すことができます。
マクロレンズと4Kムービーのコンビネーションは、肉眼で見る以上の精細さを画面に映し出します。その表現はディテールをアップで写すこととも少し違うんです。フワッとぼけた背景に浮かびあがるように、被写体の見せたい部分が写真のように立体的に浮かび上がった映像になります。さらにこうした4Kムービーを4Kテレビで見ると、DVDやハイビジョンの解像度では得られない、肉眼で見る以上のものが見える感動がありますね。
──ハンディカムは動画撮影のパイオニアとして長い歴史と技術の積み重ねがあります。4K対応ハンディカムの特長を教えてください。
光学10倍ズームや空間光学手ブレ補正と、充実した撮影機能を備える4Kハンディカムはまさに動画撮影のスタンダードとも言える存在です。4Kムービーの連続撮影に時間制限がないのも心強いですね。発表会やお祭り、花火大会とひとつのシーンが10分、20分と長くなる映像の撮影に向きます。私が自主制作映画を撮るなら、なにをおいてもまず4Kハンディカムを手にとるでしょう。豊富なアクセサリーも魅力のひとつです。なかでもハンディカムのズーム操作と連動して、被写体周辺の音を集中的に記録できるガンズームマイク「ECM-GZ1M」がおすすめです。マイクは基本的に近くの音を優先して記録するので、ズームで子どもが大写しになっているのに、聞こえるのは関係のない笑い声だけになってしまったという経験もあるかと思います。「ECM-GZ1M」を使えば遠くにいる子どもの声を大きく鮮明に記録することができます。ズーム撮影が多い運動会や屋内での発表会でとても重宝しますよ。
4Kハンディカムの空間光学手ブレ補正はとても強力で、ゆりかごのようにカメラを吊してブレを抑えるプロ向けの装具、ステディシステムに匹敵する効果があると感じます。公園で遊ぶ子どもを追いかけたり、いっしょに歩きながら撮影したりと、強力な手ブレ補正を生かした撮りかたができます。これが4Kハンディカムの最大の強みではないでしょうか。
──映像の中にズームを使うシーンがあると、没入感や臨場感が薄れてしまうように感じます。臨場感を保ったままズームを使うにはどうしたらいいのでしょう?
ズームを使うときは一度撮影を停止することをおすすめします。というのもズームで被写体に近づくシーンは、基本的にないほうが映像が見やすくなるからです。ズームイン、ズームアウトを繰り返すと、見ている側は乗り物酔いのように映像に酔ってしまいます。ズーム撮影をするときはいったん録画を止めて、ズーム操作を完了させてからふたたび撮影をスタートするといいでしょう。見たいシーンに素早く切り替わることで、メリハリのある映像になりますよ。
──お祭りなどにぎやかなシーンは、何を主役にしようかとズーム操作のたびに悩んでしまいます。
4Kムービーを撮る場合、ほどほどのズームで、主役になる被写体とともにそのまわりの景色を広くとらえるといいでしょう。DVDやハイビジョンの感覚では「主役を小さく映すと、まわりに埋もれてしまうかも」と、不安になりますよね。でも、4Kは被写体の様子が細部まではっきり見えるので、小ささはあまり気にならないんです。逆にまわりのいろいろなものが入ってくるのがいいんです。運動会では主役の子どもにくわえて友だちや先生の姿、校舎が映り込むことで、「○○ちゃんも写ってるね」、「去年担任だった○○先生だ」と会話が広がります。ひとつの映像にたくさんの思い出をのせられるのも4Kのおもしろさですね。
──防じん・防滴・耐衝撃と、アクションカムはほかのカメラにはない特長を備えていますね。
小さくてタフなアクションカムは、水辺や砂場など、撮影を避けてしまいがちな場所でも、友人やお子さんといっしょに遊びながら撮影できるのがいいですね。また、120度を超える広い画角を生かして、車の中やお誕生会の全体のようすを映すカメラとしても活用できます。名刺ケースに隠れるサイズなので、撮影していることをいつの間にか忘れて自然な笑顔が撮れます。アクションカムは身につけたり工夫をくわえたりすることで、驚くような映像が撮れる意外性のあるカメラです。
──アクションカムで“アクション”以外に使える場面はありますか?
身につけて撮影することが注目されるアクションカムですが、机の上に置いて撮影するのも楽しいんです。カメラを置くことで、お父さんやお母さんも、家族みんながいっしょに映像に記録されます。家族の記録と言っても、撮影している人はどうしてもいっしょに映ることができません。じつは家族みんなが映っている映像はとても少ないんです。なにげないシーンでも、若いころのお父さんとお母さんがいっしょに映った映像は、お子さんにとってとてもいい思い出になると思います。
ほかにもハンディカムのアクセサリーシューに装着して、同時撮影のサブカメラとして使うこともできます。ズーム撮影中にハンディカムの画角の外で決定的瞬間が発生しても、アクションカムがあれば安心です。
じつはアクションカムは子どもの初めてのカメラに向いているんです。小さいからお子さんもストレスなく装着できますし、、RECボタンを押して撮影スタート/ストップとシンプルな操作は撮影に集中できます。
──子どもならではの、独特の目線の映像が撮れそうですね。
アクションカムを預けたわたしの子どもが「おじいちゃんを撮ってきた」と言うから映像を見せてもらったんです。そうしたらわたしが初めて見るようなすっごくすてきな笑顔が撮れていて。「親父こんな表情ができたんだ……」と、息子としてうれしいやらプロとして悔しいやらで(笑)。
こういった映像は親戚や友人が集まる場で再生すると盛りあがりそうです。さらに、そのときのおじいちゃんの表情も撮っておくと、また楽しめそうですね(笑)。
4Kムービーカメラ選びで意外なネックになるのが、「うちには4Kテレビがない」ではないでしょうか。じつはこれは間違いなんです。ソニーのカメラで撮った4Kムービーは、ハイビジョンテレビでも見られます。しかもハイビジョンカメラで撮った映像をハイビジョンテレビで見るよりも、解像感、色の鮮やかさ、立体感が優れて見えるんです。まずは綺麗な“超”ハイビジョン映像として4Kで思い出を撮って、ハイビジョンテレビで見てください。そして4Kテレビが家にやってきたらもう一度驚いてください。
撮りたい映像や撮影シーンが思い浮かんだら、ぜひソニーショップやソニーストアでカメラに触れてみてください。自分に合ったカメラがきっと見つかるはずです。たくさんのシーンをイメージできたら1台ではなく2台、3台と手にするのもいいでしょう。カメラの数だけすてきな思い出と作品が増えていくはずです。
ソニーストア 銀座・名古屋・大阪では、カメラの使いかた体験会や、プロカメラマンのトークショー&撮影体験会などのイベントを開催いたします。秋の撮影におすすめのカメラ・レンズのご紹介もしています。
銀座 ソニーショールーム 、ソニーストア 名古屋・大阪に紅葉の撮影体験ができるコーナーができます。
スタイリストによる紅葉撮影のワンポイントレクチャーも実施しています。お好みのカメラやレンズをお試しください。
銀座:9月30日(水)〜
名古屋:9月19日(土)〜
大阪:9月24日(木)〜
秋に向けて何かカメラを購入したい。何を買えばいいのかわからない。商品の特長をじっくり聞きたい。気になる商品を触ってみたい。 そんなお客様に、スタイリストが5つのテーマでカメラや関連商品のご紹介を実施します。ぜひこの機会にソニーストア 名古屋にお越しください。
【期間】2015年9月19日(土)〜23日(水・祝)
【場所】ソニーストア 名古屋 1F カメラコーナー
※ 本ページに掲載している情報は2015年9月17日現在の情報であり、予告なく変更される場合がございます