BluetoothとWi-Fiに対応したh.ear goは、スマートフォンやPC、NAS(ネットワーク対応HDD)に保存したMP3などの圧縮音源やハイレゾ音源の楽曲をワイヤレスで再生できます(*)。最長12時間のバッテリー駆動とあわせて、ベランダや寝室、趣味の空間と家じゅうの好きな場所に持ち出して音楽が楽しめます。
* PCとNASの楽曲をWi-Fiで再生するには、h.ear goと同じネットワークに接続したPC、NASにサーバー(DMS)機能が必要です
ソニーが開発した「LDAC」は、Bluetoothで従来比約3倍の情報(*)を伝送することで、ワイヤレス音声再生でハイレゾ相当の音質を実現しました。ウォークマン®NW-A20シリーズなどの対応機器とLDACで接続すれば、ワイヤレスの手軽さはそのままにハイレゾ音源の繊細な表現を再現します。
* Bluetooth A2DPのSBC(328kbps、44.1kHz時)との比較
多くの機器が搭載するBluetoothは、Xperia™やiPhoneなどの対応スマートフォンが再生している楽曲にくわえて、ゲームや動画の音声もワイヤレスで再生できます。聞きたいときにすぐ音楽が楽しめます。
Wi-Fiを搭載するh.ear goはGoogle Cast™にも対応し、Google Play MusicやAWAといったインターネット音楽配信サービスの楽曲をスマートフォンに負担をかけずに再生できます。スマートフォンのバッテリー残量を気にすることなく、音楽を聞きながら調べ物をしたりゲームで遊んだりすることもできます。
※ Google™、Google Cast™は、Google Inc. の商標です。
※各ミュージックサービスを利用するには、操作するスマートフォンやタブレットに各アプリのダウンロードが必要です
手元のスマートフォンで操作するアプリ「SongPal」。1対1で接続するだけでなく、1台のスマートフォンで複数の対応スピーカーを統括して操作することもできます。ひとつの楽曲を複数のスピーカーで同時再生したり、スピーカーごとに別の楽曲を再生したりすることも可能です。
──今までのWi-Fiを使った楽曲再生は、スマートフォンやホームネットワークに接続したPCやNASに保存してある楽曲の再生が中心でした。Wi-Fiを使う新機能、Google Cast™のしくみについて教えてください。
永友:Google Cast™はh.ear goなどの対応機器がホームネットワークを介してインターネットから直接コンテンツをダウンロード、再生する機能のことです。対応アプリで再生している楽曲を“キャスト”操作するとホームネットワークを通じて再生情報が送信され、スマートフォンに代わってオーディオ機器が楽曲のダウンロードと再生(ストリーミング再生)を開始します。楽曲再生中の早送りや停止といった操作は、スマートフォンをリモコンとして使います。
──Google Cast™はAndroid TV™機能を備えたブラビア X9400C/X9300C/X9000C/X8500C/X8000C/W870Cシリーズも搭載しています。ふたつは同じ機能なのでしょうか?
永友:コアとなる技術はAndroid TV™機能を搭載したブラビアと同じものです。h.ear goなどGoogle Cast™に対応したオーディオ機器は、グーグルとソニーが共同開発したオーディオ向けに最適化したGoogle Cast™を搭載しています。Google Cast™はもともとはスマートフォンで見ている映像配信サービスやミュージックサービスを、ブラビアなどの対応機器に受け渡して大画面で視聴する機能でした。いっぽうで海外を中心にスマートフォンやタブレットでミュージックサービスを利用することが広く普及しています。スピーカーでミュージックサービスの楽曲が聞きたい、同時にメールや電話も使いたい。このニーズにこたえてオーディオ向けのGoogle Cast™が誕生したんです。
──Google Cast™が登場したことで、音楽を聞くスタイルはどのように変化するのでしょう?
永友:Wi-Fiを介してホームネットワークにつながることで、スピーカーは家じゅうどこからでも操作できるようになります。たとえばリビングで聞いていた楽曲を寝室で聞こうと思ったら、手元のスマートフォンで、楽曲をキャストするスピーカーをリビングから寝室のスピーカーに変えるだけでいいんです。また、Google Cast™はGoogle Play Musicをはじめとするミュージックサービスにアクセスできるので、楽曲をスマートフォンに保存することなく思うぞんぶん聞くことができます。楽曲がどこに保存されているかを意識することなく、また、スピーカーが隣の部屋など見えない場所にあっても、Wi-FiとGoogle Cast™で思い立ったときにすぐに音楽が聞けるようになります。
瓜谷:家の中と外と、異なる環境での音楽のつながりもスムーズになります。Google Cast™対応アプリで楽曲を聞いていれば、キャストすることで出先でヘッドホンで聞いていた楽曲の続きを家に帰ってからはスピーカーで再生できます。キャストのためにほかのアプリを起動したり切り替えたりする必要はありません。キャスト中は楽曲の再生作業からスマートフォンが解放されるので、ゲームやメール、電子書籍を使った読書とスマートフォンを自由に使えます。ヘッドホンとスピーカー、ふたつの音楽の聞きかたをスムーズに行き来できること、生活になくてはならないスマートフォンを自由に使えることで、音楽に触れていられる機会が格段に多くなると思います。
永友:Google Cast™そのものも音楽を聞くスタイルを変える可能性を持っています。Google Cast™は機能をハードウェアではなくアプリで提供しているので、アプリを開発することでオリジナルのサービスと機能を実現できますし、新しいサービスが登場してもアプリのインストールやアップデートで利用できるようになります。たくさんのアプリが登場することで、アプリごとミュージックサービスごと、そして使う人ごとに、十人十色ともいえる音楽の聞きかたがあらわれるかもしれませんね。
──Google Cast™対応アプリにはどんなものがあるのでしょう?
瓜谷:Google Play Musicをはじめとする定額制ミュージックサービスのほか、インターネットラジオを受信するアプリなど200近いアプリがすでに登場しています。定額制で音楽が聞き放題のミュージックサービスは海外を中心にとても人気がありますね。日本でもサービスを開始しているGoogle Play Musicは、洋楽や邦楽をはじめ3,500万以上の楽曲を自由に聞くことができます。
永友:音楽が聞き放題のミュージックサービスは、ヘッドホンやスピーカーといろいろなスタイルで音楽を聞く架け橋となるGoogle Cast™ととても相性がいいと感じます。膨大な量の楽曲のなかからは、追いかけているアーティストの見逃していた楽曲が見つかったり、関連するアーティストや楽曲のおすすめ情報から新しいお気に入りが見つかったりと、うれしい発見があります。自由なスタイルで好きな音楽を思うぞんぶん聞く、Google Cast™とミュージックサービスの相性のよさをぜひ一度体験してみてください。
──Wi-Fiで複数のスピーカーを連携させることができる「SongPal Link」が生まれた経緯を教えてください。
瓜谷:h.ear goをはじめとするコンパクトなスピーカーやホームシアターシステム、コンポと、ほとんどの家にはスピーカーがいくつかあると思うんです。でも、これらを一度にすべて使って音楽を聞く、映画を見るといった使いかたは今までできませんでした。リビングや寝室といろいろな場所で音楽が聞けるだけじゃない、家にあるいろいろなスピーカーを組み合わせて、スピーカーが複数あるからこその楽しさの実現を目指して「SongPal Link」は誕生しました。
──「SongPal Link」はさまざまな機能がありますが、出発点とも言える機能はなんだったのでしょう?
瓜谷:開発は複数のスピーカーがひとつの楽曲を同時に再生する、“マルチルーム”機能からスタートしました。ホームパーティーが盛んな欧米では同時再生への大きなニーズがあります。リビングやベランダ、キッチン、廊下と、どの部屋にいても家じゅうを歩き回っていても、音楽が漏れ聞こえるのではなく、いい音で聞けるというのは、家全体が音楽に包まれている感じがしてワクワクしてくるんです。
──どの部屋に行っても同じ楽曲が流れているなんて楽しそうですね。ただ既存の機器でやってみようと思うと、複数の機器の操作や配線など、なかなか難しそうです。
瓜谷:そこで音声データの伝送とスピーカーのコントロールをワイヤレスでできるWi-Fiに注目しました。Wi-Fiならケーブルの長さや配置に悩むことなく、手元のスマートフォンを使って楽曲の同時再生ができます。そして“マルチルーム”で実現した複数のスピーカーをコントロールする技術はほかにも応用できるのではと考え、“ワイヤレスステレオ”と“ワイヤレスサラウンド”が誕生しました。
──開発で印象に残ったこと、苦労したこととはなんでしょう?
瓜谷:スピーカーには、ワイヤレススピーカーのように表示管を一切もたない機種や、サウンドバーのようにテレビに接続し設定するもの、またh.ear goのようにバッテリー内蔵して外に持ち出せるものなどいろいろな種類があります。各スピーカーはそれぞれ見た目や音質をはじめユニークな特長があって、操作方法はスピーカーごとに最適化されていますが、それらを組み合わせたときに違和感なく設定や操作ができることを大切にしています。
操作画面の開発では、見た目や数値では表現できない感覚的な部分を中心にたくさんの発見がありました。操作する感覚は、実際に操作画面を見て触れて、作り上げていくほかありません。気づきがあらわれるたびに議論して新しい画面を作って、試して、また議論してと、試作と操作のテストを繰り返すことで操作感に磨きをかけていきました。「SongPal Link」でくわわるさまざまな機能は、ふだん使っているスピーカーを操作するように違和感なくコントロールできるはずです。
永友:Wi-Fiを使って楽曲を同時再生するのが難しかったですね。同時再生することを前提に作られたスピーカーや、同じスピーカーをペアにしての同時再生はそれほど難しくありません。しかし、h.ear goと「SRS-X99」といったふうに違うスピーカーを組み合わせるときにはくふうが必要になってきます。というのもアンプで音を増幅する、楽曲のデジタルデータをアナログに変換するなどの音を鳴らすプロセスはスピーカーごとに違っていて、それが音質や個性の違いになっています。プロセスが違うから同じタイミングで音声信号を送り出しても、必ずしも同じ瞬間に音が出るわけではないので。
──2016年6月以降に追加される新機能、“ワイヤレスサラウンド”と“ワイヤレスステレオ”について教えてください。
瓜谷:ワイヤレスサラウンドは、1台のスピーカーで包み込むようなサラウンド音場を再現する“S-Force PROフロントサラウンド”を備えたホームシアターシステムを強化する機能です。ふたつのワイヤレススピーカーをホームシアターシステムと接続し、背後から迫ってくるような音を再現するリアスピーカーとして使うことでサラウンド感を高めることができます。追加したスピーカーをリスナーの背後に左右均等の距離で設置できない場合は、左または右スピーカーの音量を調節して音の距離感を正して自然な雰囲気のサラウンドを再現できます。
永友:バッテリーで駆動するh.ear goなら、めんどうな配線作業をすることなく映画を迫力いっぱいに楽しめます。片手で持ち運べるサイズは設置と撤収がしやすく、ふだんはh.ear goを寝室やクルマの中で使って、週末はリビングで映画を見るといった使いかたもできます。リビングにものを増やしたくない、けれども本格的なサラウンドを体験したいというときにうってつけだと思います。
瓜谷:ワイヤレスステレオは2台のワイヤレススピーカーを組み合わせて、 1台を左ch、もうひとつを右chで動作させることで大音量で広がりのあるステレオサウンドを再現します。ふだんは机の上にスピーカーを置いて、大音量で音楽の世界に浸りたいときはワイヤレスステレオで、という使いかたができますね。
──最後に読者のみなさんへのメッセージをお願いします。
瓜谷:楽曲や動画の再生、ゲームといろいろなことができるスマートフォンの急速な普及で、オーディオ機器は変わりつつあります。オーディオの基本である“いい音”の追求にくわえて、新しい音の楽しみかたの実現が求められていると感じます。Googe Cast™やマルチルームに加え、ワイヤレスサラウンド、ワイヤレスステレオなど、数々の機能で今までのオーディオ機器とは一段も二段も違う音楽の楽しみかたを提供します。「SongPal Link」とネットワークが作り出す新しい音の世界をぞんぶんに味わってください。
永友:「SongPal Link」はひとつよりふたつ、みっつとスピーカーが複数あることで楽しさが広がっていきます。Google Cast™は手元のスマートフォンで数百万、数千万の楽曲にアクセスでき、音楽の楽しみかたを広げます。YouTubeのお気に入り動画の音声をGoogle Cast™を使ってh.ear goでゆったりと聞く、お誕生日会の会場を音楽で満たすなど、「SongPal Link」とGoogle Cast™が生み出す一歩進んだ音楽の聞きかたをぜひ一度体験してみてください。
スマートフォンやタブレットをh.ear goと組み合わせれば、自宅はもちろん旅先でもスピーカーでゆったりと音楽が楽しめます。500mlのペットボトルに近い大きさでバッテリーを備えたh.ear goは、かばんやクルマの中に気軽に持ち込めます。ドライブ中だけでなく目的地や宿泊先に着いてからも、サッと取り出してすぐに音楽が聞けるのも見逃せません。
ハイレゾ音源の繊細な表現を出先でも楽しめるウォークマン®NW-A20シリーズ。h.ear goと合わせれば、BluetoothとNFCのワンタッチ接続機能を使って外で聞いていた楽曲の続きをお家ですぐに聞くことができます。さらにBluetooth設定を音質優先モードにすることで、LDACを用いてハイレゾならではの緻(ち)密な音も再現できます。
※ 本ページに掲載している情報は2016年3月17日現在の情報であり、予告なく変更される場合がございます