- レンズ商品企画 白石 明
常にボディに装着しておける高性能なスタンダード白石:APS-C Eマウントの小型ボディにふさわしい標準ズームとしてはE 18-55mm F3.5-5.6 OSSとE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSの2本がありますが、より高性能な標準ズームのご要望を多数いただいておりました。そこで中上級者の方にも満足いただけるよう、ZEISSのF4通しで標準ズームをつくるという方向性が決まりました。開発目標はシンプルで、高性能を維持したままどこまで小型化できるか。ZEISSを名乗る以上、ユーザーの期待値も上がりますし描写は一切妥協できません。一方、Eマウントのメリットである小型・コンパクトを生かせるレンズであることも重要です。広角端から望遠端まで開放F4で高い描写性能を担保し、かつ小型化することで常にボディに装着しておけるような高性能なスタンダードとなるレンズ、それがVario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSです。機動力も高く幅広いシーンでマルチに活躍するので、レンズ選びに迷われたらまず最初におすすめしたい1本です。
F4通しの高い光学性能をこのサイズ感で使える強み金井:小型化のポイントの一つが、高度非球面(AA - advanced aspherical)レンズです。とても高い精度が求められるレンズなので製造が難しいのですが、このAAレンズの採用と組み立て技術を進化させることで高い描写性能をそのままに小型化することができました。描写で注目してもらいたいのはZEISSらしい高い解像感と高コントラストやぬけ感です。他の標準ズームと比べてもその違いが分かると思います。またズームレンズは望遠側で暗くなりどうしても性能が下がりがちです。しかしこのレンズはF4通しなので望遠でも暗くならず使い勝手も優れています。MTF曲線を見ると分かるように焦点距離70mmでも非常に高い性能をキープしており、周辺までしっかり解像しています。広角側も35mm判換算で24mm相当と風景を撮るときに一番使う画角なので、遠景の森などを撮ったときにも細部まで克明に描写できるよう高周波に気を遣いながら設計しました。これだけレベルの高い描写性能をこのサイズ感で使える、それがVario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSの一番の強みだと思います。
- 光学設計 金井 真実
本臼:高い解像感を最大限に発揮できるようにAF制御には徹底的にこだわりました。高速かつ高精度なAFを実現し、さらにこのサイズで手ブレ補正機構も搭載しています。また静止画・動画問わず、駆動音が気にならないように静粛性にも配慮したメカ設計を行い、レンズの制御もそれに連携した設計になっています。アイリス(絞り)の制御についても、きれいな円形のぼけ像がでるようにチューニングしています。
白石:Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSのデザインは、直線を基調にしたシンプルな佇まいで、筐体にアルミを採用することでZEISSらしい品格のあるものに仕上げています。α6000シリーズに装着すると天地の寸法がぴったりと収まるサイズ感になっているので、ぜひα6300と組み合わせて解像感ある描写と高速AFを堪能してほしいですね。
- レンズ制御 本臼 浩行