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私が深い森の中に足を踏み入れたのは、鬱蒼と生い茂る林と地面を覆い尽くす苔の深遠なる森を写し止めるためでした。
撮りたいと思える場所を探しながら歩くこと数時間。ふいに目がくらむほどの強い光が、深い森の中を照らし出しました。
それは神々しく、つい先ほどまでの光景を一瞬で別の光景に変えてしまいました。
「この煌めく太陽の光と、それによって浮かび上がった幻想的な世界を残したい。」
ちょっと考えれば、この両方をイメージ通りに美しく残すことが難しいことは容易に判ることですが、
その時の私には、そんなことを考えている余裕はありませんでした。
とにかくこのシャッターチャンスを逃してなるまいと、ひたすらシャッターを切りました。
撮りながらファインダーの中で確認する限りは、驚くほどに美しく写ってはいましたが、
撮影後にモニターで確認してみて改めて驚きました。明部も暗部も実に克明に描写されていたのです。
そして主役の太陽の光の荘厳な煌めきまでも見事に描写してくれていました。
日本に限らず、私は世界中の自然を撮り歩いています。自然は待てばどうにかなる相手ではありません。
だから撮りたいと思えるシーンとの出遭いは、いつも千歳一隅のチャンスなんだと思っています。
決して二度目は無いその時に絶対的に応えてくれるカメラとレンズは、
自然写真家にとっては単なる道具では無く、愛しくも頼もしい相棒といえます。
これからの私の相棒はこのカメラです。
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柏倉 陽介氏 ![Yosuke Kashiwakura](img/kashiwakura_profile_name.png)
1978年山形生まれ(神奈川在住)。2004年頃から独学で写真を学び始め、2007年に世界二大自然写真コンテストの一つに入賞。米国立スミソニアン自然史博物館に展示される。ほか、写真界のアカデミー賞とも呼ばれるインターナショナル・フォトグラフィー・アワードにて、アンダーウォーター部門3位入賞、自然風景・動物・人々・文化部門で入選多数。自然で暮らす人々や風景・動物など、自然分野を幅広く撮影している。
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