SONY

α7R II OPENED A NEW FIELD

Portrait

白い壁、白いソファー、白い衣装。
僕が表現したかったのはストレートな清楚さ。
お気づきのように、ほとんどがハイライト部分となってしまって、
飛んじゃうかノッペリしちゃうのは覚悟の上でのトライです。ご覧の通りの一面“白”の世界(苦笑)でも、どうですか。
これ見事に“白”の世界を美しく立体感豊かに描写してくれちゃってます。
これには、ただただ驚きました。それと、もうひとつ。
このカメラのオートフォーカスの合わせ易さと、その結果です。
僕はマニュアルで合わせることが殆どなんですが、このカメラでは敢えて全てのカットをオートに任せてみました。 
手前の右目の下睫毛が僕が狙ったポイントなんですが、しっかりと合焦して、
僕が狙ったまさにその瞳の位置でスパっと合わせられたんです。この1枚が、たまたまじゃないですよ!
全てのカットがスパッ!って感じでした。ポートレートは人間相手です。
モデルは常に表情は変わり、「あっ!その表情」って思っても、逃したらそれっきりアウトです。
このカメラを使ってみて、改めて信頼できるカメラで撮るってカメラマンにとって、重要なことなんだと感じました。

魚住 誠一
写真家

魚住 誠一氏 Seiichi Uozumi

1963年、愛知県生まれ。高校時代はインディーズ・ロック・バンドで活動。その後、ロサンゼルスでアンセル・アダムスの写真に出会い、風景写真を撮り始める。渡米を繰り返し、スタジオ・アシスタントを経て94年よりフリーとして活動。98年より拠点を東京に移す。現在はポートレートを中心に雑誌や広告で活躍中。

数ミリの被写界深度に合わせる極限のAF精度

専用位相差AFセンサーでは
実現できないAF精度

水上:α7R IIのAFはいろいろ進化していますが、最も重視したのがピント精度です。42メガの解像感を出すのに、ピントを外してしまっては元も子もありません。α7R IIには、AFの精度において有利な点があります。一般的な一眼レフカメラは、イメージセンサーとは別に専用の位相差AFセンサーを積んでいるため、原理上どうしてもピントの誤差が生じやすいです。特に被写界深度が浅い状態では非常にピントが厳しくなってきます。それを補うためAF微調整機能が搭載されているのですが、前ピンにしたり後ピンにしたりと結局調整にひと手間かかります。しかしα7R IIにおけるAF方式は、イメージセンサー上の信号を使って位相差AFやコントラストAFを制御しているので誤差が生じにくく、AFだけでしっかりピントを合わせられます。

例えばSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを開放で使った場合、魚住先生の作品のような距離感で撮影すると被写界深度はほんの数ミリしかなく、わずかな動きでピントがずれてしまいます。しかしα7R IIなら、そのわずかな被写界深度にもしっかりピントを合わせることができます。この精度を高めるために、開発段階ではさまざまなαレンズを使って幾度も調整を重ねることにより、狙ったところに本当に細やかにAFが合うものに仕上がっています。

AF開発担当 水上

高いAF精度とスピードで、
撮影のテンポをよくする

水上:また画面上でAFエリアを広く選択できるので、一般的な一眼レフと比べ構図の自由度が全然ちがいます。こうしたAFエリアの広さもα7R IIならではの強みです。別体でAFセンサーを搭載しているフルサイズカメラだと、おそらく魚住先生のような構図で撮ろうとした場合、被写体の顔がもう少し真ん中に寄らないとAFエリアに引っかからないはずです。しかしα7R IIは画面の45%をAFエリアがカバーしているので、構図を決めた瞬間にAFを合わせてシャッターを切ることができます。

ただ、精度とエリアの広さだけでいい写真が撮れるとは我々も思っていません。コントラストAFをベースにした場合、専用の位相差AFよりもピントを合わせるのに時間がかかるのが普通です。やはりポートレート撮影などでは、被写体がいい表情をしたタイミングに瞬時にピントを合わせてテンポよく撮りたいもの。我々もその点は気にしており、α7R IIでは裏面照射型センサーを採用することでコントラストAF情報の高速読み出しを可能にし、AFレスポンスを改善しています。精度が一番大事ですが、スピードについても小気味よく撮っていただけるようチューニングしています。魚住先生は、AFで下まつげをピンポイントに狙って撮られたということなので、我々がこだわったAF精度をある意味限界まで引き出していただけたのではないでしょうか。

また、今回瞳AFについても進化しています。従来はAF-Sモードにしか対応していなかったのですが、お客様からご要望をいただきAF-Cでも使えるようにしました。モデルが少し動いたくらいではピントが外れないよう精度を高めていますので、ぜひ活用していただければと思います。

裏面照射型センサーの採用により
コントラストAF情報の高速読み出しが可能になり、リアルタイムなフォーカス制御で精度と速度を実現