αは、「ミラーレス」という画期的なシステムでオーナー様に新たな撮影体験をもたらします。
その機能を使いこなすことで、これまでのカメラでは困難な撮影も容易になり、表現の幅もよりいっそう広がることでしょう。
今回は、「オートフォーカス」の使いこなしをご紹介します。
カメラのしくみとともに劇的に進化 αのオートフォーカスの特長
広範囲・高密度のAFセンサーが
フォーカシングの自由度を高める
被写体に自動で焦点を合わせてくれるオートフォーカス機能は、カメラのしくみによって性能や種類が変わります。まずは、そのしくみからおさらいしましょう。
一般的なデジタル一眼レフカメラは、AFセンサーがイメージセンサーとは別のユニットとして配置され、センサーのカバー範囲も狭いことが多いです。そのため、撮影の際は、まず画面の中央に被写体を置きピントを合わせ(フォーカスロック)、次にシャッターボタンを半押しのまま構図を取り直す、というステップが必要でした。
デジタル一眼レフカメラ
しかし、構図を取り直している間に、被写体や撮影者がわずかに動いてピントがズレてしまったり、被写界深度が浅くなる開放絞り時にはピントのズレが目立ったりと、その使いこなしには慣れや技術も必要とされていました。
一方、αでは、レンズから入った光を受けるイメージセンサー上に測距点を広範囲・高密度に配置しています。さらに、多彩なフォーカスモードと自由度の高いフォーカスエリアで、撮影者の意図通りにフォーカス位置を設定することができます。
ミラーレス一眼カメラ「α」
αは、使いこなすほど
より精度の高い写真が撮影できます
オートフォーカスのしくみが異なれば、撮影方法も変わります。もちろん、フォーカスロックをしてから構図を変える従来の方法でも撮影を楽しんでいただけますが、αならではの撮影フローの違いをご紹介します。
「人物」の場合
フレームの中に人物がいる場合は、画面全体で人物の「瞳」を探し、ピントを合わせます。AFエリアも広いので、撮影者は構図だけを考え、シャッターを押すだけで瞳にピントの合った人物写真が撮れます。
「風景」の場合
AFエリアが広いので、あらかじめピント合わせをしてから構図を取り直す必要はありません。まず、構図を決めましょう。それから、ピント合わせをします。前景を取り入れた構図など、シビアなピント合わせも、意図したポイントにフォーカス枠を移動・設定できます。あとはシャッターボタンを押すだけ。思い通りの写真を失敗することなく撮影できます。
構図の取り直しはフォーカス移動を引き起こしやすい
フォーカスロックをしてから構図を変える従来の方法は、特に開放絞りではフォーカス移動しやすいので注意が必要です。フレームの中心にあるAの花にフォーカスロックすると、カメラとA(青いライン)の距離に面でピントが合っています。カメラをパンしてBに向けると、今度はカメラとB(赤いライン)の距離に面でピントが合うので、Aにある花からピントがズレてしまいます。このような場合は、ぜひ「スポット(フレキシブルスポット)」を活用してみてください。
お持ちのαで「ピント拡大」を試してみましょう
マニュアルフォーカス時に便利な「ピント拡大」は、オートフォーカス時*でも活用できます。
*フォーカスモードがAF-S、AF-A、DMF時のみ
はじめに、身近にある小物で、
被写体を準備しましょう
※こちらでご紹介する内容は、設定方法の一例です。お持ちのモデルや設定のカスタマイズによっては、ご紹介する内容と異なる場合があります。
写真表現の幅がぐんと広がる
αのオートフォーカス
活用方法
αにはさまざまなフォーカスモードとフォーカスエリアが用意されています。特に活用していただきたいのがフォーカスエリア。中でも、「スポット(フレキシブルスポット)」、「拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)」、「トラッキング(ロックオンAF)」を使いこなしていただくことで、被写体をしっかりと捉えることができ、撮影時の失敗が少なくなります。
フォーカスエリア
スポット(フレキシブルスポット)
フォーカス枠は3サイズから選べます。
フォーカス枠の色が選べるモデルもあります。
画面内の好きなところにフォーカス枠を移動できるスポット(フレキシブルスポット)は、枠のサイズが3種類から選べます。被写体がフォーカス枠よりも小さく、ピントが定まりにくい場合は、小さい枠を選択することで、厳密なピント合わせが可能になります。
拡張スポット
(拡張フレキシブルスポット)
拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)は、測距枠から被写体が外れた場合でも、周囲にある8点のフォーカスポイントが被写体を捉えて再びピントを合わせます。動く被写体をピンポイントで狙いたいときに効果を発揮します。
トラッキング
(ロックオンAF)
トラッキングは各フォーカスエリアで設定可能
トラッキング:
ワイド
トラッキング:
ゾーン
トラッキング:
中央
トラッキング:
スポット
(フレキシブル
スポット)S/M/L
トラッキング:
拡張スポット
(拡張フレキシブル
スポット)
選択したフォーカスエリア内にある被写体にピントを合わせて追尾します。被写体の動きが不規則で予測しにくい場合は「ワイド」や「ゾーン」、動きが予測できる場合や周囲に別の被写体がいる場合は「スポット(フレキシブルスポット)M」などと、被写体の状況に合わせて使い分けることができます。
※お使いの機種によって、「ロックオンAF」の場合があります
※AF-C時のみ使用可能
-
ワイド
全体を基準に、自動でピントを合わせます。
-
ゾーン
画面内でピントを合わせたいエリアが選べます。エリアは9個に分かれており、その範囲内で自動でピントを合わせます。
-
中央
画面中央付近の被写体に自動でピントを合わせます。
フォーカスモード
- シングルAF
- ピントが合った時点で、ピントが固定されます。合焦後に被写体が動いてしまうとピントが外れるので、動きのない被写体に使用します。
- コンティニュアスAF
- シャッターボタンを半押ししている間中、ピントを合わせ続けます。被写体に動きがある場合に使用します。
- AF制御自動切り換え
- 被写体の動きに応じて、シングルAFとコンティニュアスAFを自動で切り換えます。シャッターボタンを半押しすると、被写体が止まっている場合はピント位置を固定し、被写体が動いている場合はピントを合わせ続けます。
- ダイレクトマニュアルフォーカス
- オートフォーカスでピントを合わせたあと、手動で微調整できます。マニュアルフォーカスよりもすばやくピント合わせができるので、マクロ撮影などに便利です。
- マニュアルフォーカス
- 手動でピントを合わせを行います。オートフォーカスで意図した被写体にピントが合わない場合に使用します。
オートフォーカス使いこなしのヒント
被写体別おすすめ
フォーカス設定
被写体の動きは速いが
予測できる
列車や自動車など、動くスピードは速くても、動きが規則的で予測できる場合は、フォーカスモードは動いている被写体に向いているAF-Cに。フォーカスエリアはトラッキング:ゾーンがおすすめです。流し撮りをする場合には、トラッキング:拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)に設定すると、被写体を捕捉しやすくなります。
- フォーカスモード
- コンティニュアスAF
- フォーカスエリア
- トラッキング:ゾーン トラッキング:拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)
被写体の動きが速く
予測もしにくい
野鳥や野生動物など、動くスピードが速く、不規則で予測しにくい場合は、フォーカスモードは動いている被写体に向いているAF-Cに。フォーカスエリアはトラッキング:ワイドに設定すると被写体が捉えやすくなります。他の被写体が近くにいる場合や、手前に障害物などがある場合は、スポット性が高く捕捉しやすい拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)がおすすめです。
- フォーカスモード
- コンティニュアスAF
- フォーカスエリア
- トラッキング:ワイド 拡張スポット(拡張フレキシブルスポット)
被写体が動いたり
止まったりする
ペットや子どもなど、被写体が動いたり止まったりする場合は、フォーカスモードは動きに合わせてモードを切り換えるAF-Aに。フォーカスエリアは、近くに別の被写体がいない場合はトラッキング:ワイドに設定すると捕捉しやすくなります。ある程度動きが予測できる場合は、スポット性の高いスポット(フレキシブルスポット)Mなどがおすすめです。
- フォーカスモード
- AF制御自動切換え
- フォーカスエリア
- トラッキング:ワイド スポット(フレキシブルスポット)M
ピンポイントで厳密に
ピントを合わせたい
マクロ撮影などピンポイントで厳密にピントを合わせたいときは、フォーカスモードはオートでピントを合わせたあと手動で調整できるDMFがおすすめです。フォーカスエリアは、構図を決めてから測距枠の移動ができるスポット(フレキシブルスポット)に。Sサイズを選択すれば、狭いエリアが狙いやすくなります。
- フォーカスモード
- ダイレクトマニュアルフォーカス
- フォーカスエリア
- スポット(フレキシブルスポット)S
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αを使いこなして、
さらに豊かな表現を
α使いこなしガイド
“オートフォーカス編”はいかがでしたか。
今回ご紹介したポイントを参考にして
お持ちのαをもっと使いこなしていただき、
作品の表現をさらに
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