法人のお客様Networked Live 事例紹介 株式会社共同テレビジョン 様

株式会社共同テレビジョン 様
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ラグビーの中継現場における
『CBK-RPU7』、ローカル5Gを使用したワイヤレスカメラ運用検証

株式会社共同テレビジョン様は、2024年5月5日に行われたラグビー中継の現場において、ローカル5Gと、高画質・低遅延での映像伝送を実現するリモートプロダクションユニット『CBK-RPU7』を活用したワイヤレスカメラ運用の検証を行われました。今回の運用検証を担当された株式会社共同テレビジョン 技術センター 制作技術部 小野寺 駿 様、原 由樹 様にお話を伺いました。

株式会社共同テレビジョン
技術センター 制作技術部
小野寺 駿 様

株式会社共同テレビジョン
技術センター 制作技術部
原 由樹 様

共同テレビジョン様におけるカメラのワイヤレス化の意義

カメラのワイヤレス化については何年も前から検討をしてきましたが、コストや機材管理、免許取得などの観点でハードルの高いマイクロ波を利用したものや、要件を満たしていても国内では利用ができないものなど課題が多く、一度は断念をしていました。しかし現在は、リモートプロダクションユニット『CBK-RPU7』やローカル5Gを活用することでそれが現実的になったと考え、今回検証を行うことにしました。

スポーツ中継では、ズームレンズを使用して撮影するよりも、物理的に被写体の近くで撮影することで、さらに臨場感が生まれます。「芝生の上にケーブルを引き回しカメラを担いで入ることはできないが、人だけであれば入ってもよい」という会場もあり、ケーブルの引き回しがないワイヤレスカメラによって実現できる映像演出もあります。
もちろんケーブルをさばく手間がなくなり、セッティングの時間短縮という観点でも、運用上大きな意味があります。

リモートプロダクションユニット
CBK-RPU7

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実際に検証を行って分かったこと

今回の検証では、所有しているカメラを使用し、『CBK-RPU7』は付属のショルダーケースを取り付けて腰の少し上あたりに装着しました。カメラと『CBK-RPU7』は有線で接続し、そこから5G対応の無線通信機器であるポータブルデータトランスミッター『PDT-FP1』でローカル5Gネットワークに接続。中継車にてメディア・エッジプロセッサー『NXL-ME80』をデコーダーとして活用するという構成です。

CBK-RPU7は付属のショルダーケースで
持ち運びながら撮影可能

CBK-RPU7とPDT-FP1を用いて、所有している
カメラをワイヤレスカメラとして運用

グラウンドの外周をすべて回って撮影しましたが、安定して運用ができ、これまでの伝送方法、伝送機との違いを感じました。試合後、バックスタンドに近づいてファンの様子をじっくり撮影でき、ディレクターからもよかったというコメントがありました。サイドライン際では、トライまでの一連の流れを並走して撮影することができ、さらにトライ後の選手のリアクションまでのスムーズな撮影は、ワイヤレスカメラだからできる演出でした。また、一流選手たちは試合中に撮影されることに慣れているとはいえ、ベンチ前の込み合っている中でケーブルを引き回すには心苦しい気持ちもあり、ケーブルを気にせず撮影できたのも助かりました。

ワイヤレスカメラの運用検証を行ったグラウンド

メディア・エッジプロセッサー
NXL-ME80

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ポータブルデータトランスミッター
PDT-FP1

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今後の展望、ソニーに期待すること

自由に動き回って撮影できるカメラが増えて、多くの地点からの撮影ができるようになり、例えばラグビーであればTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で使うことができるカメラが増えると、競技の公式映像としてレベルを上げることに貢献できるのではないかと思います。

スポーツのライブ中継には、やはりワイヤレスカメラの親和性が高く、メジャーリーグで3塁ベースからホームまでを並走して撮影したり、喜びを爆発させて選手に水をかけるシーンなどが撮影できたりしているのもワイヤレスカメラならではだと思います。もちろん基本的な撮影技術があってこそですが、ワイヤレスカメラでは遊びの画作りがしやすく、幅が広がります。

今後の撮影のキーワードは「ワイヤレス+リモートプロダクション」だと考えています。「カメラマンだけが現場に行く世界」ですので、映像伝送とあわせてカメラ調整もワイヤレスで行うことができるようになると、革新的ですね。

取材:2024年5月

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