MPE-L1000はHD-SDI入力とRS-422による制御ポートを共に4系統装備しています。これにより1台のMPE-L1000で4台のVTRから同時にインジェスト作業を行うことができ、作業の効率化を実現します。
MPE-L1000は一回の取り込み作業で複数のファイルを生成することが可能です。例えばオンライン編集用にDPXを生成しながら、オフライン編集用に VC-3、プレビュー用にXDCAM HDのMXFファイルを同時に生成するといったことも可能です。今までのように、同じ素材を何度も取り込む、もしくは一つの親ファイルから別コーデックにトランスコード作業を行う必要がなくなり、作業の効率化とエンコード・デコードによる画質劣化の回避を実現します。
MPE-L1000はHDCAM-SR VTR SRW-5800/5100 とデュアルリンク接続することが可能です。これによりRGB4:4:4での等倍速取り込み、またはYCbCr4:2:2素材の2倍速取り込みが可能です。2倍速取り込みに対応することで、通常の半分の時間でインジェストが完了し、作業の効率化を実現します。
HDコーデックとしてはソニー製ノンリニアフォーマット“XDCAM HD”“XDCAM HD422”に対応しており、18Mbpsから50Mbpsまで幅広くサポートしています。また、VC-3にも対応。ノンリニア編集環境において強力なインジェスターとして機能します。
コーデックとしてはXDCAM HDやVC-3以外にもハイエンド映像制作現場にて使用されているDPXやOpenEXR、 JPEG2000 Lossless、JPEG2000 Lossyに対応しています。
上記のマルチインジェストを可能にするために、MPE-L1000には標準で高性能マイクロプロセッサーCell Broadband Engine(Cell/B.E.)を5個搭載しています。
MPE-L1000は標準でも4台のVTRから同時にXDCAM HDコーデックのファイルを生成することができますが、Cell/B.E.を追加することで、より多くのファイルを同時に処理したり、プロキシ映像を同時に生成したり、LUTやBurn-In機能を使用することが可能になります。オプションボードのマルチコアプロセッシングボードBKMP-AB100にはCell/B.E.が2個搭載されており、これをMPE-L1000に追加することにより、最大で11個のCell/B.E.が搭載でき、より高性能なインジェストが可能になります。
実際の取り込み作業はMPE-L1000とGbEで接続されたクライアントPCから行ないます。クライアントPCに専用のJavaベースのソフトウェアをインストールすることにより、ネットワーク上の複数のPCから一台のMPE-L1000をコントロールすることが可能です。
ユーザー毎に個別のユーザーIDを設けることにより、取り込んだ素材を管理することができます。また、ユーザー毎にインジェストのテンプレートを作成することができ、日々の取り込み作業を効率的に行えます。
MPE-L1000には単純なインジェストのみではなく、下記のような多彩な機能が盛り込まれています。
・テキスト・Metadate・ビットマップのBurn-In機能
・EDL/ALEの取り込みによる効率的インジェスト
・TCブレイク・シーンチェンジ・フリーズフレーム検知などの多彩なAutoQC
・クライアントPC上でプレビューするためのプロキシ映像の生成
・1D/3D LUT
・XDCAMエクスポート
・ノンリニア編集ソフトVegas Proとの連携
MPE- L1000では取り込んだ素材を別途用意したストレージに記録します。MPE-L1000にはGbEを4ポート標準装備していますが、高ビットレートのデータを複数同時にやりとりするためには、ファイバーチャネルや10GbE、インフィニバンドでの接続が必要となります。その際にはMPE-L1000に搭載されているPCI Expressスロットにインターフェースボードを挿入することにより、高速ストレージと接続することが可能です。お客様の既設のネットワークストレージに接続することにより、余計なストレージの構築やデータの転送が不要です。