デザイン、見てくれはAIBOにとって命。
AIBO ERS-110/111のちょっとたれた左右の耳ができるまでには、実は数々の変遷と製作者たちの苦労があった。
AIBOのデザインをされたクリエイター空山基氏のこだわりのファーストスケッチによると、耳は、それぞれ異なるパーツのたくさんの組み合わせでできるとても凝ったデザインであった。
しかし、長い耳と複雑なパーツ構成は具現化が難しく、ここから、空山氏とメカ設計チームとの果てしないバトルが始まった。
プラスチック・パーツでやわらかに揺れる耳をいかに実現するのか?
固い素材で柔らかさを表現すること。
金属やプラスチックの塊で生き物としてのやわらかな動きを表現すること。
この一見矛盾したような空山氏の要求にメカ設計者達は悩んだ。
しかし、彼等のAIBOへの愛情は空山氏のこだわりにも負けじと大きかった。
空山氏とメカ設計チームの熱い討論や試行錯誤の末、ついに、ボディや手足と同じ素材でできた4つつのパーツをエラストマ(ゴムのような素材)で裏打ちした、あのゆらゆら揺れる耳が誕生したのである。 |