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導入事例 |
2008.3.18掲載 |
70ミリフィルム作品をデジタル化し、4K“SXRD”で上映。
1、2位を争う人気アミューズメントがさらにシャープな映像に |
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お客様のニーズ・課題 |
フィルムで上映していた人気の立体映像アミューズメントをデジタル化。3Dを駆使した映像の迫力を活かすことができ、かつ将来性の高いシステムを求めていた。 |
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導入効果 |
3D映像を実現するには、2台の映写装置のシンクロが必要。4K”SXRD”によりフィルム時代にあった投影映像のブレがなくなり、シャープな立体映像が実現した。 |
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導入背景 |
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オープン以来の人気を誇るアミューズメント作品をデジタル化。 |
選定理由 |
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フルHDの4倍を超える高解像度と、将来性の高さが選択の決め手。 |
システム内容 |
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映写室の2台の4K”SXRD”から560インチスクリーンに立体投影。 |
導入効果 |
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ブレのないシャープな立体映像の実現と2灯ランプシステムを評価。 |
今後の展望 |
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トータルコストの削減を目指し、5年後、10年後の結果に期待。 |
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ハウステンボス株式会社
パーク事業本部 施設運営部 部長 三宅良二様と、同事業本部 施設運営部 次長 兼 アミューズメント二課 課長 神村忠男様にお話を伺いました。
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オープン以来の人気を誇るアミューズメント作品をデジタル化。
エッシャーの摩訶不思議な世界を3Dシアターと展示作品で体験する「ミステリアスエッシャー」。
今回、4K“SXRD”を導入した3Dシアター「ミステリアスエッシャー」は、ハウステンボスのオープン当初から提供しているアミューズメントです。20世紀のオランダを代表する鬼才版画家として有名なエッシャーの抽象的概念の世界を、世界初のコンピュータグラフィックを使った3D映像としてご案内し、施設内でも1、2位を争う人気を誇ります。
従来は70ミリフィルムで上映していましたが、オープンより十数年を経て設備の交換時期を迎えたこともあり、設備の入れ替えとともに映像のデジタル化を行うことになりました。デジタル化に踏み切った理由として、デジタルハイビジョン放送およびハイビジョンテレビなどの急速な普及によって、家庭で手軽に高画質映像が楽しめるようになり、人々の映像を見る目が豊になってきたことがあげられます。さらに、「ミステリアスエッシャー」のような完成度の高い作品は、デジタル化した方が将来における汎用性が高まると判断したことも理由の1つです。(三宅部長)
フルHDの4倍を超える高解像度と、将来性の高さが選択の決め手。
エッシャー作品を3次元で再現したエントランス。
256席の3Dシアター。
ソニー製のデジタルプロジェクターの映像を始めて見たのは、2005年に開催された「日本国際博覧会 愛・地球博」でした。“SXRD”デバイスを使ったプロジェクターではありませんでしたが、2005インチ型(縦約10メートル×横約50メートル)の超ワイド大型スクリーンに上映された600万画素の映像は、高精細かつ色鮮やかで、臨場感あふれるものでした。投影映像に対して実物を肉眼で見ているようだと思ったのはそのときが初めてです。それと「ミステリアスエッシャー」では上映館の規模が異なりますが、デジタル化への不安が払拭されたと感じました。
機器の選定は開発部門に任せましたが、他社製品とも比較検討したうえで、4K”SXRD”を選定したと聞いています。4K”SXRD”はフルHDの4倍を超える885万画素の高解像度で、豊かな色の再現性を持ちます。将来において、たとえば3Dムービーに風やミストなどの特殊効果をプラスした4Dのアミューズメントにしたい場合でも、十分に活用できる性能であると判断しました。(神村次長)
映写室の2台の4K“SXRD”から560インチスクリーンに立体投影。
70ミリフィルムの作品をテレシネ変換しています。映写室には、送出用のHDCAMを納めた制御用ラックとSRX-R110を2台設置し、シアター前方の560インチのスクリーンに向けて立体映像投影を行っています。制御装置は既存のシステムをそのまま利用し、音響制御や映像制御、システムのオン・オフ制御もあわせて管理しています。(三宅部長・神村次長)
ブレのないシャープな立体映像の実現と2灯ランプシステムを評価。
2台のSRX-R110により立体映像を投影する。
デジタル化された現在の「ミステリアスエッシャー」は、2006年7月から公開されています。4K”SXRD”による映像を初めて見たときには、画質が非常にシャープだと感じました。立体映像は2台の映写装置を使って実現しますが、フィルムだと映写時に微妙なブレが生じ、画質が劣化してしまいます。デジタル映像ではこれが完全にシンクロし、4K”SXRD”の高精細さとあいまって高い臨場感を得られます。特に、毎日コンテンツを見ているスタッフには好評でした。また、「ミステリアスエッシャー」が好きでよくハウステンボスを訪れるというお客様から、「非常に映像がクリアになった」という感想をいただくと共に、社内からは「登場人物が履いている木靴の底の汚れまで見えるようになった」という感想を聞いています。
性能面では「2灯ランプシステム」を評価しています。4K”SXRD”1台につきキセノンランプ1灯、72%出力で使用していますが、あらかじめこのようなモード設定が簡単に行えるように設計されていたのが嬉しいですね。ランプの寿命が延びるとともに、万が一投影中に1灯のランプが切れてしまっても残りの1灯で投影を続けられます。現在は、2灯のランプを自動的に交互に使用するよう設定しています。(神村次長)
トータルコストの削減を目指し、5年後、10年後の結果に期待。
送出用のHDCAMを納めた制御用ラック。
作品をデジタル化して機器類を入れ替えたのには、老朽化の問題だけでなく、ランニングコストなどのトータルコストメリットを考えてのことです。まだ使用を開始したばかりでテスト的な時期ですが、5年後、10年後にメリットとして実績がでることを期待しています。(神村次長)
ハウステンボスでは今後も、完成度の高いアミューズメント作品をデジタル化していく予定です。その際に諸条件があえば、4K”SXRD”を増設する可能性も考えられますね。そのためにも、ソニーさんにはさらなる性能の向上に取り組んで欲しいと思います。(三宅部長)