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正ちゃんの即効!カメラテクニック講座
電源周波数が50Hz地域の東日本では、蛍光灯を光源とした撮影の際に映像が ちらつく
"フリッカー"
と呼ばれる現象が発生します。
これをカメラのシャッター機能を使って防止する方法をご紹介します。
映像が、速い周期で明暗を繰り返す。タクのカメラにトラブル発生?
さて、タクがモニターを見ながら、何やら不思議な顔をしています。
声をかけてみましょう。どうしたんだい?
これから友人宅でホームパーティーの撮影をするんですが、失敗しないように試し撮影をしているんです。でも、見てください、なぜか画面がちらついてしまいます。
画面が早い周期で明暗をくり返し、ちらついています。
これはフリッカーという現象で、照明の蛍光灯が原因なんだ。
でも大丈夫、カメラのシャッタースピードを1/100秒に設定すれば防ぐことができるよ。
さっそくタクのHVR-Z1Jでやってみよう。Z1Jには『FLCKR REDUCE』機能があるので、これをONにすればいいね。一般的にはシャッタースピード設定機能があるから、これを1/100秒にするんだ。ただし、カメラがフルオートモードになっていると設定ができないので、その場合はシャッターに関係する機能をオフにすること。
さて、フリッカーの原因だけれど、カメラが1秒間に60回(30フレーム)映像を記録しているのに対して、東日本の蛍光灯は1秒間に50回(電源周波数50Hz)の点灯で明るさを作り出しているんだ。この周期の光で明るい画像と暗い画像ができてしまうんだよ。だから、電源周波数が60Hzの西日本ではこの現象は起きないんだよ。
※
DSR-450WSLの場合
正ちゃん先生、シャッタースピードを1/100秒にしてみたら、ピタッとフリッカーが無くなりました。でも、レンズの絞りが一絞り近く開くということは、ひょっとして、感度が悪くなったのですか?
よく気がついたね。CCDの1回の露光時間は通常1/60秒だけれど、シャッターを1/100秒にするということは、露光時間が3/5と短くなる。受ける光が少なくなる分、感度は悪くなってしまう。これは仕方が無いんだ。
パソコン画面の撮影で発生する、横帯びの抑え方
これとよく似た原理で、パソコン画面(ブラウン管モニター)をビデオカメラで撮影すると、白い横筋が上から下に流れたり、黒い横筋が下から上に流れたりすることがある。この現象もフリッカーと似ていてパソコンモニターの画面表示スピードとカメラの走査(露光)時間が合わないことで起きるんだ。*
*
CRT(ブラウン管)タイプのモニターに発生し、その程度には個体差があります。
なお、液晶タイプのモニターでは横帯は発生しません。
DSR-450WSLでは、この横筋の発生を
ECS
という機能を使って、目立たないレベルに軽減することもできるんだよ。
ECS機能を使用しない状態
ECSでシャッタピードを調整
さてシャッターに関連して、ここでAE機能(自動調光機能)について一言。
被写体の明るさに変化があっても、映像の明るさを一定に保つため一般的に使われるのがレンズのオートアイリス。
また、ほとんどのカメラにはさらに調整幅を広く持つため、暗いところではオートゲイン機能(映像信号を電気的に増幅する回路)を働かせ、明るいところでは電子アイリス(連続可変電子シャッター)を連続的に働かせる機能を使って、明るさをコントロールしているんだ。
※
DSR-450WSLではこの機能を"TLCS"(トータルレベルコントロールシステム)と称し、EZモード(TLCS機能にATW(自動追尾ホワイトバランス)を組み合わせたもの)に使われています。
とても便利な機能だけれど、シャッタースピードが速くなると映像の残像が無くなると同時に、滑らかさも失われる。また、とても明るい室内でこの機能が働くと、たとえ60Hzの電源周波数地域(西日本)でもフリッカーに似た現象が起きる可能性があるから要注意なんだ。
また、シャッタースピードと照明の発光状況によっては、画面全体の色がゆっくりと変化するといった現象が起きる可能性もあるから、室内の撮影では連続可変の電子シャッター機能(電子アイリス)は使わないほうが無難だね。
フリッカーがあると、非常に見づらい映像となってしまいます。それを防ぐために東日本での蛍光灯下の撮影では、この1/100秒のシャッターを多く使うことになりますが、同時に感度が下がることも忘れないでください。
今回の講座では、フリッカー対策にシャッターが登場しましたが、シャッターの本来の使い方などは、別の機会にご紹介しますので、乞うご期待。
"フリッカー"の講座はいかがでしたか。ぜひ撮影にお役立てください。
次回の講座は、撮影編として
"被写界深度"
をテーマとしたカメラテクニックをご紹介します。
どうぞお楽しみに。
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