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今回は、画質のなかで、透明感や硬さ、やわらかさに大きく影響を及ぼす ディテール機能について、勉強しましょう。
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最近、腕を上げてきたタクが、スキルアップを考えているようです。
タクが今話題のXDCAM EXカムコーダーPMW-EX1を手にして、なにやら取扱説明書を必死に読んでいます。 |
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このカメラにはピクチャープロファイルメニューが充実していて、好みの画質を作ることができるみたいだなぁ。おおっ、こんなにたくさんあるんだ!「カメラ機能活用集」を見てみようかな、僕には難しいかなあ。
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タク、久しぶりに勉強しているな。今日は何を試しているんだ?
お、PMW-EX1のピクチャープロファイルに挑戦しているんだな。よし、そのメニューの中で、画柄の硬さ・やわらかさ・透明感を左右するディテール機能を根本から勉強してみるか?
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正ちゃん先生、ちょっと、待ってください。実は、ディテール信号が何なのかよくわかっていないんです。
このディテールのメニューを開くと8種類もありますよ。
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ディテールは画質を大きく左右する項目だけあって、その調整は複数あるんだよ。
今回は、ディテールの基本、レベル・幅に関して勉強しよう。
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まず、ディテールは輪郭信号のことを言い、別の言葉ではシャープネスなどとも呼ばれているんだ。
ディテール信号は輝度差のあるところに付くエッジ信号で、そうだな、画用紙にクレヨンで絵を書くときに、輪郭を黒色で縁取るのと似ているな。
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もし、ディテール信号がない場合は、どんな映像になるんですか?
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実際にやってみよう。
左の映像はディテール信号が普通についている映像で、右がディテール信号をつけない映像だ。どう見えるかな。
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左の映像(ディテールあり)はしゃっきり見えるけど、右の映像(ディテールなし)はなんだかぼけて見えます。
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そうだね。簡単に言うと、ビデオというのはディテール信号が程よくないと、映像がぼやけて見えるんだ。
次に、ディテール信号なしとディテール信号を強くつけた場合の比較をやってみよう。
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左の映像(ディテールなし)の花は柔らかなイメージで、右の映像(ディテール強調)は、人工的に作られた花のようにみえます。
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ディテール信号のレベルを多くして見るとどうかな?
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ディテールレベル ノーマル |
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ディテールレベル MAX |
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右の映像(ディテールレベルMAX)は全体が硬いイメージですね。よく見ると毛穴が目立ちますね。
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そうなんだ、ディテールは輝度差があるところに付くエッジ信号だから、顔の輝度差があるところ、具体的には毛穴などにも付くんだ。
だから、肌の毛穴を強調してしまうわけだ。
でも、反面、輪郭を強調するから、映像に硬さや、強さなどのイメージを持たせることができるんだ。
今度はディテール信号の幅(項目ではFRQ)を変えてみよう。変化が明確に分かるように、ディテール信号の量をMAXにした状態でやってみよう。
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左の映像(ディテール幅細い)はディテールが多くついているのに、硬さは少なく感じるし、なんだか質感が増したように感じます。
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いいところに気づいたな。そもそも、ディテールはカメラの中で作られた偽信号だから、この幅が大きい場合、特に大きなテレビで見ると、質感は失われやすいんだ。
では、ディテール信号のレベルと幅を変化させて、同じ映像を撮影してみよう。
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ディテールレベル ノーマル 幅細い |
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ディテールレベル MAX 幅太い |
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同じ映像なのに、こんなに画柄が変わるなんて驚きました。
早速、ディテール機能を使って撮影してみます!
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自分の希望する画質に近づけるためには、このディテールの特性を十分知って、使いこなすことが必要です。使いこなしのヒントは、さまざまな被写体を使うことです。静物だけでなく、人物でも試してみることが必要です。
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今回はディテールの基本、レベルと幅について勉強しました。
次回は、応用編として、ディテールのクリスプニングとホワイトリミット、ブラックリミットについてご紹介する予定です。
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