卓 : |
初めに、三脚の扱い方で注意が必要なことを教えてください。 |
里吉さん : |
まずはやってはいけないことの筆頭は、60℃以上の場所に長く置くことですね。夏の車の中に放置するのはよくありません。水準器の気泡がなくなる場合がありますし、カウンターバランスのバネに塗ってあるグリスが溶け出す場合があります。
後、ヘッドに砂が入り込むのはよくありません。浜辺での撮影のときなどは、必ず三脚は立てておくことをお勧めします。60℃以上の温度と砂は用心です。 |
卓 : |
レンズの時もそうでしたが、高温と砂は大敵なんですね。 |
里吉さん : |
はい。まずそれを気を付けて下さい。それと、長く使わない場合でも、半年に一回くらいはパン・チルトを数回動かしてもらいたいです。動かすことで、グリスの劣化を抑制することが出来るんです。 |
卓 : |
わかりました。次は三脚の種類について教えて下さい。三脚にはカーボン脚とアルミ脚の2種類がありますし、2段脚と3段脚とこれまた2種類ありますが、どのように選んだらいいのでしょうか? |
ねじれ剛性の強い脚 |
山口さん : |
お薦めはカーボンの3段脚ですね。アルミに比べ、カーボンは軽く、強度もあり、腐食にも強いんです。ただ、欠点は少々高価ということになると思います。
また、2段脚と3段脚の比較では、3段脚はたたんだ寸法が短いために持ち運びしやすいですし、2段脚に比べて低い位置のセッティングが出来ますから、ローアングル撮影に有利です。そして、2段脚、3段脚に関係なく、できればねじれ剛性の強い脚(=ツイン脚。上2本・中2本・下1本)を選ぶとよいと思います。でもこれも、良いものは少し高価になりますけどね。 |
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もう一点付け加えるとすれば、スプレッダーのタイプがあります。グランドスプレッダーのほうがねじれ剛性は高いのですが、多用途に使いたい場合は、場所を選ばずどこでも三脚をセッティングできる、ミッドスプレッダータイプの方が使い勝手がよいと思います。 |
ミッドスプレッタータイプ(上)と グランドスプレッダータイプ(下) |
卓 : |
カーボンの3段脚でツイン脚(上2本・中2本・下1本)タイプ、ミッドスプレッダーですね。購入するときの参考にさせてもらいます。最後に、三脚を長持ちさせるためのメンテナンス方法を教えてもらえませんでしょうか。
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里吉さん : |
それでは、最後に簡単なメンテナンス手法をお話しておきましょう。
三脚は意外にハードな使われ方をされているようで、長く使っているとがたつきが出る場合があります。ヘッドのパンでガタが気になる場合は、ボールレベラー(写真下左)の六角ボルトを締め付けると改善される場合がありますし、脚のガタなら脚取り付け部(写真下中央)の六角ボルトを締め付けてみてください。それと、脚を伸ばしたときにロックする部分が緩むと、転倒事故につながりますから、脚のストッパー部(写真下右)も時々は締め付けてあげてください。 |
卓 : |
僕の三脚がガタガタしているのはボルトなんだぁ。ありがとうございます。 |