映像制作機材
カメラ機能活用集
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第3回 被写体の輪郭を強調しながら映像全体が粗くならないように撮影する
■はじめに
映像をシャープに表現するには、DETAIL(ディテール)機能を使って、被写体の輪郭を強調します(第1回参照)。
このとき、"設定前"の映像のように、香水瓶やプラスチックなどの被写体の輪郭をシャープに表現できる反面、映像全体が粗くなることがあります。これは、香水瓶のふちなど、コントラストが高い信号に加えて、強調する必要のないノイズなどの信号にもディテール信号が付加されてしまうために起こる現象です。
この場合、ディテール信号を、強調したい部分にだけ残し、強調したくないノイズなどの信号には付加しないようにカメラを調整すると、被写体の輪郭を強調しながら、全体的に粗さのない映像を撮影できます。
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■ソニーのカメラの特長
ソニーのカメラは、映像全体が粗くなるのを軽減する機能として、CRISPENING(クリスプニング)機能を搭載しています。この機能を使って、一定のレベル(クリスプニングレベル)以下の信号にはディテール信号を付加しないように設定できます。例えば"設定後"のように、香水瓶のふちなど、コントラストが高い部分がくっきりと強調され、全体的にざらざらしていない映像を撮影することができます。
この他にも、花畑の風景など、さまざまなコントラストがある被写体の撮影で映像が粗くなるときに、CRISPENING機能を使うと不要な強調が避けられます。

CRISPENING 機能が搭載されている主なソニーのカメラ
HDW-900 シリーズ、HDW-750/730シリーズ、
DVW-970シリーズ、PDW-530/510シリーズ、
DSR-450/400 シリーズ、MSW-970シリーズ
■カメラの設定方法
CRISPENING(クリスプニング)は、PAINT メニューのDETAIL 1 ページで設定できます。

1)PAINT メニューのDETAIL 1 を開きます。
2)DETAIL を ON(デフォルト)に設定します。
3)CRISPENING を−99 から+99 の範囲で設定します。

−側に設定するとシャープな映像になり、+側に設定すると映像の粗さが軽減されます。"設定後"の映像では、+98 に設定されています。


設定値はDSR-450WSL の場合です。お使いのカメラやライティング環境によって、同じ設定でも映像の色合いなどが変わることがありますので、必ず映像を確認しながら設定を行ってください。
お使いのカメラに付属の取扱説明書などもあわせてご覧ください。
■技術情報
CRISPENING(クリスプニング)とは
DETAIL 機能がONのときに、通常は映像全体に付加される輪郭信号(ディテール信号)を、ノイズなどレベルが低い信号には付加しないようにする機能です。どのレベルの信号までディテール信号を付加しないようにするか(クリスプニングレベル)を設定します。
ソニーのカメラでは、クリスプニングレベルを−99から+99の範囲で設定できます。
ただし、クリスプニングレベルを高く(+側に設定)すればするほど、ノイズ以外のレベルが 低い信号も強調されなくなるため、全体的にシャープさがない映像に見えることがあります。 クリスプニングレベルは、必ずモニターなどで映像を確認しながら設定してください。
なお、同じ設定値でも、お使いのカメラや記録フォーマット(HDCAMやDVCAMなど)によって、映像の変化の度合いが異なることがあります。