2016年7月11日
新商品
4KやHDの映像・制御信号を光ファイバーケーブル1本*1で伝送できる
医療用IPコンバーター 発売
〜手術室内外のさまざまな映像伝送をシンプルな配線で構築可能に〜
ソニーは、4KやHDの映像・制御信号を、光ファイバーケーブルのシンプルな配線で低遅延伝送できるIPコンバーターと、その管理ソフトウェアであるネットワークシステムマネージャーを発売します。
型名 |
発売日 |
価格 |
IPコンバーター 『NU-IP40S』、『NU-IP40D』*2 |
2016年10月1日 |
オープン価格 |
ネットワークシステムマネージャー 『NU-NM11B』 |
2016年10月1日 |
オープン価格 |
医療技術が進化を遂げる中、高画質映像で精度の高い手術を実現し、質の高い医療を提供したいという現場からのニーズが高まっています。最近では、4K内視鏡が映し出す高精細で広色域の映像は難易度の高い手術の進行を助け、医療技術の向上に貢献しはじめています。今後、4K映像に対応した医療機器は、広く医療施設に普及すると想定されています。
4K医療機器の普及に伴い、各機器をつなぐ映像ケーブル*3はHDに比べて4倍に増えることになり、また、異なる映像インターフェースを持つさまざまな医療機器が混在することなどから、今後はシステムの設計・施工が非常に複雑になると予想されます。
IPコンバーターは、4K医療機器を含むさまざまな映像機器とつながり、入力から出力までの映像信号をIP化することで、光ファイバーケーブル1本での映像・制御信号伝送に対応します。これにより、シンプルな配線でのシステム構築を可能とします。さらに、映像伝送のコア技術に放送業務用分野で培ったAV伝送インターフェース「ネットワーク・メディア・インターフェース」を採用し、低遅延かつ高画質の映像伝送を可能にすることで、安全で確実な手術の進行を助け、医療に貢献します。
ソニーは、昨年発売を開始した4Kレコーダーや4K液晶モニター、ネットワーク経由で手術映像などのデータファイルを管理するコンテンツマネジメントシステムに加えて本機を導入することで、4K映像の記録、表示、伝送まで、4K化を見据えた院内4K映像システムを提案してまいります。
- *1:4K信号の場合は圧縮時、HD信号の場合は非圧縮時。
- *2:『NU-IP40S』は、SDI対応モデル。『NU-IP40D』 は、DVI、 HDMI対応モデルで、さらにNUA-AA10(アナログアダプター)装着時にアナログ RGB、NUA-AA10(アナログアダプター)とSMF-405(シグナルケーブル・別売)装着時にはコンポーネント、VIDEO、S-VIDEOにも対応します。
- *3:3G-SDI信号を使用した場合。
■4Kシステム構築時のシステムイメージ
(左図)従来型。3G-SDIケーブルで配線した場合 (右図)IPコンバーターを使用し、光ファイバーケーブルで配線した場合
■IPコンバーター 『NU-IP40S』、『NU-IP40D』の主な特長
IPコンバーターは、4K医療機器を含むさまざまな映像機器とつながり、アナログからHD、4Kまでさまざまな映像信号のIPへの変換・出力に対応します。従来のSDIケーブルで4K映像伝送を行う場合は4本の配線が必要ですが、本機を使用することで、光ファイバーケーブル1本で圧縮された映像・制御信号の伝送が可能となり、シンプルなケーブル配線によるシステム構築を実現します。
- ・独自の映像圧縮方式による低遅延映像伝送が可能
- 映像圧縮方式に、ソニー独自の低遅延と高画質を同時に実現する圧縮方式であるLLVC(Low Latency Video Codec)を採用しています。これにより、4K映像を圧縮して伝送する場合でも6ms*まで遅延を抑えて伝送できます。ほぼ遅延を感じさせない伝送で、安全で確実な手術の進行を助けます。
- *:IPコンバーター送信側の映像入力から、受信側の映像出力まで。(NU-IP40Sで2サンプルインターリーブ方式を Input Lock Modeで伝送時)
- ・ケーブルの冗長化(二重化)が可能
- 光ファイバーケーブルを二重化することで、断線など不測の事態でも、もう1本のケーブルにより手術映像の伝送が途切れることを防ぎます。
- ・光ファイバーケーブル使用により、長距離伝送が可能
- ファイバーケーブルカテゴリーOM3では300メートル、カテゴリーOM4では550メートルの長距離伝送が可能です。ライブ手術などを見学する院内の離れた場所への映像伝送をサポートします。
■ネットワークシステムマネージャー 『NU-NM11B』の主な特長
ネットワークシステムマネージャーは、IPコンバーターに接続された映像の伝送先(出力先)を指定したり、表示切り替えを行うソフトウェアです。
本ソフトウェアは手術室内の映像機器や照明などを一括で遠隔操作する「手術室統合管理システム」(通称ORコントローラー)につなげて、その利便性を向上させます。
例えば、IPコンバーターと接続された内視鏡や生体情報モニタなどの映像をサムネイル画像として表示させ、直観的な映像の選択と切り替えを助けます。
また、本ソフトウェアはIPコンバーターのRS-232C通信を制御し、シンプルな配線でORコントローラーによるレコーダーやモニターといった各映像機器の制御を実現させます。
■主な仕様
|
NU-IP40S |
NU-IP40D |
入出力端子 |
映像入力 |
BNC×4 *1 |
DVI×1、HDMI×1 |
映像出力 |
BNC×4 *1 |
HDMI×1 |
その他 |
ネットワーク(10GBASE-SR) LCタイプ×2 |
RS-232C D-Sub 9ピン×1 |
等電位端子×1 |
DC入力 (3-pin DIN)×1 |
映像規格 |
映像入力 |
3G/HD-SDI |
DVI-D、HDMI、アナログRGB*2、コンポーネント*3、VIDEO*3、S-VIDEO*3 |
映像出力 |
3G/HD-SDI |
HDMI |
音声信号 |
|
SDIエンベデッドオーディオに対応 2ch、48kHz、24bit |
HDMIオーディオに対応 入力時:2ch、32k/44.1k/48khz、16bit 出力時:2ch、48khz、24bit(有効16bit) |
伝送方式 |
|
非圧縮方式 あるいは圧縮方式(LLVC) |
一般 |
電源 |
DC24V |
消費電流 |
1A |
動作温度 |
0〜40℃ |
動作湿度 |
30〜85% |
質量 |
約0.7kg |
外形寸法(幅×高さ×奥行) |
180mm×42mm×120mm(突起部除く) |
- *1 SDIコネクターは、入力・出力兼用です。入力時はTx(送信)モード、出力時はRx(受信)モードに設定が必要です。
- *2 アナログRGBは、付属のNUA-AA10(アナログアダプター)装着時に映像入力が可能となります。
- *3 コンポーネント、VIDEO、S-VIDEOは、NUA-AA10(アナログアダプター)とSMF-405(シグナルケーブル・別売)装着時に映像入力が可能となります。
※ 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
※ 本製品は、医療機器ではありません。医用安全規格に適合した医療用途専用製品です。
※ 製品の販売価格は販売店により決定されます。販売店にお問い合わせください。
■お客様からのお問い合わせ先
■ソニー製品情報