2017年11月15日
大容量4K映像を高効率に圧縮できるビデオフォーマットXAVC QFHD Long 422 200Mbps対応
コーデックチップを開発
-本チップ搭載の4Kレコーダーも2019年度内の市場導入を目指し開発中-
ソニーは、2018年にBS4K実用放送の開始に向けて、放送事業者様の4K映像運用をサポートするため、4K映像を高効率かつ高画質で圧縮できるビデオフォーマットXAVC-L422 QFHD※1 200(正式名称:XAVC QFHD Long422 200Mbps)に対応したコーデックチップを開発しました。
本コーデックチップは、4K映像の高画質を維持しながら、200Mbpsという従来比約1/3※2の低ビットレート化を実現します。また普及が進むHDR映像でも十分に性能を発揮できるよう、10bit / 4:2:2サンプリングにも対応します。
4K映像制作現場では、放送設備において搬入・送出される映像ファイルのデータサイズが大容量であることが課題です。従来の4Kコンテンツの場合、HD放送で標準的に使用されているデータサイズと比較すると約12倍※3となるため、搬入用メディアや送出用サーバーのストレージの大容量化が必要となります。また、ファイルを転送する際に時間がかかることや、高速なネットワークが必要となるなど、従来のHD設備に比べると放送設備が大掛かりとなり、コストアップに繋がります。
そのため、BS 4K実用放送にむけて4K放送設備を導入されるユーザー様においては、送出用フォーマットとしてXAVC-L422 QFHD 200の採用検討を進められています。
ソニーは、本コーデックチップを搭載した4K制作機器として、XAVC-L422 QFHD 200エンコーダー装置および単体送出機を先行して開発しており、それら機器は2018年12月以降順次開始されるBS 4K実用放送に向けて、民放キー局系BS5社様に採用される予定です。
また、本コーデックチップを搭載した4K レコーダーも2019年度内の市場導入を目指し開発中です。
XAVC-L422 QFHD 200フォーマットに対応し、搬入や送出用途では低レートのLong GOP圧縮を、制作用途では従来のIntra Frame圧縮の XAVC QFHD Intra 600Mbpsを選べ、用途に合わせたフォーマットの運用が可能となります。SxSメモリーカードからの直接再生や、2TBの内蔵ストレージ、USB外部ストレージメディアにも対応するほか、簡易コントロールパネルの装着により、制御用PCを繋がなくても、機器単体での操作も可能です。
さらに、従来のVTRと同様の操作性、運用性を実現するRS-422プロトコルに対応予定で、スタジオや中継車での収録、プロダクションでの編集、そして送出まで様々な用途で使用いただけます。
ソニーは、システムカメラやスイッチャー、ライブサーバーなどスポーツ中継をはじめとする4Kライブ制作で幅広くお使いいただける機器やシステムを拡充し、放送業界に求められる高画質な4Kコンテンツ制作を効率的に行える環境整備を推進してきました。
本コーデックチップ及び搭載機器の開発を通じて、4Kコンテンツの普及促進や放送設備の効率化に一層の貢献をしていきます。
- ※1:QFHD: 3840x2160 解像度のこと。
- ※2:4K放送の標準フォーマットXAVC QFHD Intra 600Mbpsとの比較において。
- ※3:HDで標準的に使用されているフォーマットであるXDCAM MPEG HD422 50Mbpsと、4K放送の標準フォーマットXAVC QFHD Intra 600Mbpsにおいて、ファイルサイズを比較した場合。
- *本コーデックチップの搭載機器は開発中であり、Inter BEE 2017での展示はございません。
XAVCとそのロゴは、ソニー株式会社の商標です。なお、本文中ではTM、®マークは明記していません。
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