2017年11月7日
ソニービジネスソリューション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:宮島和雄)は、このたび、スカパーJSAT株式会社様(以下スカパーJSAT様)より、次世代マスター設備向けのIPルーティング設備を受注し、システム構築を行います。
今回受注したシステムは、スカパーJSAT様が2019年前後に更新を予定している次世代マスター設備に向けたもので、IPライブ伝送技術「ネットワーク・メディア・インターフェース」を用いて、取り扱うベースバンド信号を切り替えるIPルーティング設備です。IPにより将来の拡張性が担保され、さらにHDから4Kへの系統変更も柔軟に行えます。
スカパーJSAT様は、従来のSDI方式では困難である、1000系統を超える大規模なシステム構築と、経路二重化による冗長構成を実現することをめざして、IP技術を採用した設備構築を決定されました。
今回、ソニーのIP Liveプロダクションシステム採用の決め手となったのは、ソニーが世界各地の中継車やスタジオシステムをIPで構築・導入している実績や、これまでスカパーJSAT様に導入してきた世界初の4K HDR対応中継車・4K送出設備などのシステム構築の実績、保守体制などがあります。また、IPライブ伝送方式としての高い互換性、開発環境の容易さも受注に至るポイントとなりました。
ソニーが推進しているIP Liveアライアンスは、2017年11月現在、技術賛同パートナーが70社を超え、ソニーは各社へ向けた技術仕様書の提供、開発用ボードの提供、SDKの提供、賛同パートナーが開発した機器の相互互換性評価などを行っております。こうした取り組みや、国内の放送システムにおける豊富なシステムインテグレーションの経験についても高く評価いただきました。
IP Liveプロダクションシステムのインフラ部には、COTS(commercial-off-the-shelf、商用汎用品の意)のネットワークスイッチを採用しており、規模に応じて最適な構成でのシステム構築が可能です。今回の設備はSDIでの構築が難しい大規模なシステムですが、COTSのネットワークスイッチを採用することで将来的な拡張まで考慮したインフラ構築が可能となります。
ソニーのIP Liveプロダクションシステムは、中継車・スタジオシステムといったライブ制作システムから、本件のような多チャンネル放送の送出システムに使われるような大規模なルーティングシステムまで構築可能です。ソニーは今後とも、放送システムのIP化による柔軟性と拡張性をお客さまにご提供することで、放送業界に貢献してまいります。
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