ご担当者の紹介
株式会社京都放送
報道制作局 報道部
川守田 宏士 様
2009年入社。カメラマン及び編集マンとしてニュース・ドキュメンタリー制作に従事。報道映像グループの制作技術を担当。
株式会社京都放送
報道制作局 報道部
中上 太朗 様
2020年入社。カメラマンとして京都各地を映像取材する他、企画・編集など番組制作を担当。
クラウドは以前から使っていますが、セキュリティ対策は重要と考えています。セキュリティの担保には、パスワードの管理など、使用するクルーの情報モラルなどの課題もあるため、現時点では用途を限定して運用しています。将来的には、放送局間の素材のやり取りはクラウドを使って行う形になると思っており、導入には万全なセキュリティ対策がなされたサービスを選択したいと考えています。
弊社は地域に根差した放送局として、70年以上にわたり、さまざまな番組制作を行っています。京都の歴史、伝統文化などの情報発信や祭事の中継に加えて、地域密着の報道にも力を入れています。報道の即時性のさらなる向上のため、長いお付き合いのあるソニーが提供している、信頼性の面で前々から注目していたクラウドソリューションを使ってみたいと思っていました。そこで、選挙特番に合わせてPoC 環境を提供してもらい、実証実験を行いました。
取材現場からいち早くOA用途を想定した品質でファイル転送を行える点はとても魅力的でした。スマートフォンやモバイルWi-Fiなどのインターネット環境があれば、取材カメラ単体でファイル転送できるため、即時性の向上を実現できました。
C3 Portalを使って取材カメラから素材伝送できるようになり、課題だったメディアの運搬やクルー間でのライブ中継機材の共有といった、現場の課題を解決することができました。
通常、選挙特番における取材現場でのメディア運搬方法は、ライブ中継している場所を除き、1つの取材が完了する度にバイク便を活用し、本社や支局、またはライブ中継をしているクルーの場所などから伝送するケースも多いです。また、複数の現場クルーで機材を共有しながら運用するため、彼らには経験値が求められますが、選挙は4年に1回程度なため、スタッフの入れ替わりなどの要因で、選挙特番の経験を持たないクルーが対応することもあります。これらの懸念をC3 Portalは解消してくれました。
今回は4G / 5Gモバイル回線を用いて、OA用途を想定した品質のプロキシ (XAVC Proxy / 6 Mbps) でファイル転送を実施しました。『PXW-Z280』に搭載されているチャンク転送の機能を使って、収録中でもC3 Portalでファイル転送を行うことができたため、伝送された素材は当日の選挙特番の中でOAすることができました。
C3 Portalを実際の運用で使ってみて、かゆいところに手が届くシステムと感じました。現場側のオペレーションについて、難しい操作もなかったので、慣れれば、問題なく運用できるのではないかと感じました。
世の中のクラウドベースのソリューションはできることが増えて便利である一方で、信頼性の確保は重要と考えています。システムが安全で、かつ、安定して使用できることはもちろんですが、素材は確実に伝送されたのか、本社側の編集マンは素材をダウンロードしてくれているのか、など、カメラマンが安心するためのフィードバック機能があるとよいのではないかと思います。また、弊社では、XDCAM Professional Discのカメラも使用しているため、それらの機種で使用できるエンコーダーの拡充など、使用できるカメラのラインナップが増えることを願っています。