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ご担当者の紹介

ビデオグラファー
Tomato Red Motion代表

次石 悠一 様

ブライダル業界の課題はスピード・安定性・人材の確保

普段はどのような体制で映像制作を行われているのでしょうか?

Tomato Red Motionはウェディングムービーを原点とし、個人に加え、チームとしても映像制作活動をしています。ドキュメンタリーテイストの映像を得意としており、綿密なヒアリングから導き出される、そのモノ「らしさ」を、圧倒的なリアリティーで唯一無二のストーリーとして構成し、美しい映像に込めていきます。

当社では、ウェディングの現場では2人のビデオグラファーが出向き、現地で撮影に加えて動画編集も実施する運用をしています。時に2カメ体制での撮影を行いながら、披露宴のラストまでにエンドロールとして映像を完パケするために、式の進行に合わせて、撮影と編集を2人のビデオグラファーで分担しています。

進行時間が決まっており撮り直しが許されないウェディングという現場で、押さえなければいけない場面を確実に押さえることはもちろんのこと、ストーリー性のある映像にこだわるためにも、なるべく現場では撮影にリソースを割きたい、というのが本音としてあります。
ただ、実際には1人が編集のために撮影を抜け、ラストまでの限られた時間の中で動画編集に時間を割かねばならない、というのが大いなる課題でした。また遠隔地から依頼が来た場合などでも、本番途中での編集作業を加味すると、最低でも2人分の人材コストが必要となることが課題でした。

今回、そのような課題解決のために、Ciで試したい機能はどれですか?

カメラから直接Ciに映像素材をアップロードする機能です。PCなどを介すことなく、直接カメラからCiのクラウドストレージ上に撮影しながら映像素材を自動でアップロードできるという機能に以前から興味を持っていました。この機能を使うことによって、仮に遠隔地での撮影現場であったとしても、東京の事務所にいるメンバーが映像素材を受け取り次第、随時編集を行うことで、現場で撮影を行うビデオグラファーへの負担を軽減できるのでは?と考えました。

Ciを使った新しいワークフローに確かな手ごたえ

実際に試してみて、結果はいかがでしたか?

結果は満足のいくものでした。まずは、今回の具体的なワークフローについて紹介しておきます。

遠隔地の編集メンバーと容量の重いオリジナルの映像素材を受け渡しするのは時間を要すると思ったため、軽量のプロキシファイルでどこまで実際のワークフローに落とし込めるかを試しました。ワークフローの流れは以下です。

1.撮影(ウェディング現場)
『FX3』で撮影。プロキシファイルをバックグラウンドでCiのクラウドストレージ上に自動でアップロードするようにFTP転送設定を行っています。

- XAVC HS HD 9Mbps 4:2:0 10bit 1920x1080 24p
- ネットワーク:スマートフォンでのテザリング

2.ラフ編集(遠隔地)
編集メンバー1名がスタンバイし、Ciでプロキシファイルを受け取り次第、ダウンロードし映像編集を実施。完成したプロジェクトファイルをCiに再度アップロードすることで、現場スタッフへ連絡。

3.編集最終化(ウェディング現場)
現場スタッフがCiにアップロードされたプロジェクトを元に、オリジナル映像素材を使って最終化し、エンドロールとして現場で上映する。

それでは結果についてです。
10秒尺の映像素材を受け渡しするにあたり、発生したアップロード、ダウンロード時間について、整理したものが以下です。

- カメラ設定①:プロキシ(XAVC HS HD 9Mbps 4:2:0 10bit 1920x1080 24p)
- アップロード:約15秒
- PCダウンロード時間:13秒(Wi-Fi 5GHz)

- カメラ設定②:XAVC-S HD,60p 50mb/s, 422 10bit
- アップロード:約1分
- PCダウンロード時間:約50秒(Wi-Fi 5GHz)

プロキシでの転送速度であれば、一つ前に撮影したクリップは、次の撮影している最中に自動でアップロードが完了している場面が多く、スムーズに撮影とCiへのアップロードを進めることができました。

ネットワーク回線を介すため、クラウドを活用はアップロードに時間がかかったり、アップロード中にカメラに負荷がかかったり、次の撮影ができずにスタックするのではないか、とテストを始める前は不安感がありました。実際は、撮影しながら自動で映像ファイルがどんどんアップされていくため、これまでのようにローカルでやりとりするよりも圧倒的に速く、便利と感じましたし、カメラ側で止まるようなこともありませんでした。

一方、あともう一歩と思ったことは、カメラからクラウドへの転送時間がどうしても発生するため、転送が完了するまで、カメラ側の電源を自身のタイミングで切ることができなかったことです。レンズ交換のときなど、電源を切りたくとも、まだ転送中のため切れず、レンズ交換を即座にできなかった、という場面がありました。

ただ、カメラからスマホへの転送については、Creators’ App for enterpriseというモバイルアプリを使って、カメラとスマホをUSBの有線接続をすれば、より安定した環境で高速にスマートフォンへ転送できるようです。一度スマートフォンへ転送してしまえば、カメラ側は、好きなタイミングで電源も落として作業ができるようになるため、次回はぜひ利用してみたいと考えています。

充実した機能が利便性を向上させる

カメラからCiへの直接アップロード機能以外に、便利だった機能はありますか?

レビュー機能です。Ci上で素材の中身を確認する際に、マウスオーバーするだけでファイルをひとつひとつ開かずともスムーズにプレビュー確認できる点は、大変便利でした。ウェディングでは200カット以上撮影するため、このような中身をスムーズに確認しやすい仕様は、大変助かりました。また、ウェディングの進行を確認しながら編集する必要があるのですが、今、現場でどのシーンまでプログラムが進んでいるのかも、Ciにアップロードされた素材を随時確認することで把握できたため、便利でしたし、転送ミスにも早く気づくことができます。

加えて、テストでは使いませんでしたが、ファイルリクエスト機能を使えば、同現場にいる別クルーが撮影した結婚式場の景観カットを入手して、映像素材として使用する、といったことも可能になるため、興味をもっています。

さらに、Ciはチームプラン以上になると、チームの複数メンバーが自由にアクセスできるようになるため、現場で撮影している複数のプロジェクトの各クルー(ビデオグラファー)を監督し、動画編集に専念することもできるようになると思います。同日に複数のクルーが現場に出ている場合、監督として各クルーの制作状況を確認し、制作アドバイスすることで、安全性や映像クオリティを高めることにも役立つため、今後のブライダル業界の新たなワークフローを生み出すのではないか、と思っています。

Ciで新たなウェディング映像が生まれる可能性が広がる

Ciはどのような方にお勧めできますか?

複数名からなるチームで映像作品の制作をしているあらゆる方々にお勧めできると思います。特にブライダル業界では、編集の構成をある程度統一してから制作しているチームや企業が多く、チームでの共同作業をすすめるうえで、編集の効率化を実現しやすい環境にあるのではないかと思います。また、人材不足の解消や、映像クオリティの人によるばらつきの軽減にも役立つと思います。

最後に一言お願いします

新たなワークフローは、新しいクリエイティブのきっかけとなります。これまでの慣れたワークフローに安住するのではなく、Ciのような新しいサービスをどんどん取り入れて工夫していき、新しい試みを取り入れたウェディング映像制作に挑戦していきたいと思います。