M2 Live×CATVで創る新しいローカル放送のカタチ

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ご担当者の紹介

株式会社愛媛CATV 専務取締役

白石 成人 様

この記事はIBEE2023セミナー時音声からAI映像解析サービスA2 Productionの文字起こし機能を活用して作成しました。

M2 Live導入の背景

弊社の地域における環境は特徴的で、松山市内には民放4局とNHK、合計5つの地上波局と愛媛CATVがあり、そのすべての放送局が光ファイバーで接続されています。メディアハブで各民放局やメディアと設備やインフラを連携共有することで、天気予報で使う松山城の定点カメラとインフラをシェアしたり、愛媛新聞、南海放送、愛媛ケーブル3社合同で選挙速報特番を実施したりと、放送局をひっくるめて地域コミュニティコンテンツを充実させています。

愛媛CATVは、「市民が主役、町じゅうがスタジオ」という大方針のもと、スタジオで待つよりもカメラを外に持って出てカッコいい市民や町民が出演する、例えば広範囲に多く視聴いただくよりも地域の5人にとっては世界中のどのコンテンツより勝るような、深くて濃い番組づくりを目指しています。そのため、チャンネルを18に細分化し、制作スタッフ14名、1名あたり1チャンネル以上を担当する体制で、番組をオリジナル制作しています。番組数は膨大で、メディアハブによる連携を活用した生中継が年間150本程度にのぼり、サッカーの試合や演劇の発表会など、3日に1回程度は生中継しています。

これらを実現するには、極限までの合理化とスピード感が不可欠であり、機動力には自信はあるものの従来の方法では限界を感じていました。新しいテクノロジーでの解決による、さらなる機動力が必要だと考えていました。

M2 Live導入の決め手

M2 Liveは、あるようでなかったサービスでした。オンプレミスのスイッチャーをクラウド化するという、非常にシンプルな考え方で、機動力の向上を課題にしていた弊社は一瞬でハートを射抜かれました。ハードウェアへの投資が不要、マルチカメラ配線の手間暇が不要、カメラからのアップロードでスマホなど汎用性のあるデバイスが使える、QoS・SRT対応でIPを使う側の難点や課題にチャレンジしている、地方ケーブル局でも簡単に手が届く手軽な料金、すべてが理にかなっていました。

M2 Live活用場面

1.高校駅伝の予選生中継

初めてM2 Liveを活用したのは、愛媛県で開催された高校駅伝の予選生中継でした。予選は弊社のみが放送するため、他局との共同制作は難しくコースの特殊性もあり、従来の方法では広範囲でのマルチカメラ配信が困難で、競技場内と外周にしかカメラを設置できませんでした。

M2 Liveを活用することにより、自転車にスマホを括り付ける「自転車カメラ」を取り入れ、先頭ランナーを前から捉えるカメラ、ポイント中継用のカメラなど、計4台のカメラを増やしました。M2 Liveはクラウドなので、それぞれから直接アップロードが可能でモバイル回線も使えるため、この方法で外周と「自転車カメラ」を競技場でスイッチングして、競技場の映像と合わせてサブで最終ミックスして放送する仕組みにしました。軽装な状態でカメラを出すことができ、今まで放送することができなかった先頭ランナーの映像を届けられたことで、機動力のみならず放送の中身そのものをリッチにすることが叶いました。

やってみて分かった新たな課題は、トラフィックの課題のほか、本番まで画角が分からない点の工夫、スマホのレンズの改善、自転車による振動の吸収対策など前向きな改善に尽きます。画角をランナーの顔まで近づけるなど、もっと進化していきたいと思います。

2.松山秋祭り

松山秋祭りは、鉢合わせなどの喧嘩神輿が行われる大規模な喧嘩祭りで、弊社の年間生中継で一番人気の番組です。約200基の神輿がありますが、従来は70-80基という半分に満たない数しか映像に収められないうえ、喧嘩神輿を行う前後の平和的な祭り風景まで手を広げられない課題がありました。今回、M2 Liveを活用し、スマホとバイクでスタッフ1人がポイントを機動力高く回り、中継のポイント箇所を10か所増やすことができました。スマホ1カメで撮影してボタン1つでアップロードできるM2 Liveだからこそ実現できたことだと思います。

今後に向けて

松山秋祭りを通して、今後に向けて回線ごとの電波検証も実施しました。結果的には弊社が所有するローカル5Gが最もクリアで生中継に適していました。4G等と比較して5Gは上りの回線速度が速いという前提もありますが、ケーブルテレビ事業者が展開するローカル5Gは、事業としては小さいかもしれませんが、小さいからこそ高品質で扱いやすいメリットがあります。これらの安全で高品質なネットワークは、M2 Liveと合わせて使うと相性が良いと思います。

また、リリース間近と聞いた、M2 Liveのローカルクラウド対応に期待しています。既にメディアハブで各民放局やメディアと設備やインフラを連携共有していますので、そこにM2 Liveも加わると、弊社のみならず地域の映像ツール資産として、地域全体の価値を高められ、新しい世界が見えてくると思います。