ライブ会場やスポーツ施設、ショールーム、エントランスホール、ショッピングモールなど、多くの人で賑わう場所が増えてきています。「またここに来たい」と思うリピーターを一人でも多く増やしていくことができれば、その場所はずっと賑わいのある場所としてその土地のランドマークになっていくことでしょう。では、この魅力的な「リアルな空間」を生み出すために必要なことは何なのか、ソニービジネスソリューションで“場”を創る仕事をしている宇佐美貴之に話を聞いた。
宇佐美 貴之|TAKAYUKI USAMI
ソニービジネスソリューション株式会社 営業部門 企業ソリューション営業部 ロケーションバリュー企画室 室長
まずは事業主であるお客さまの企業理念やビジョンについて、理解を深めることが第一歩です。我々としては「人が動く動機」をきちんと捉えたうえで空間の価値を定義することが大切であると思っています。“その場をどうすべきか、どうあるべきか、来場者にどんな価値を提供するのか”。そういったコンセプトをつくるためにお客さまと徹底的に語り合うのです。対話を繰り返すことでお客さまの本当の課題も見えてきます。そして、そこから生まれるコンセプトや課題などをもとに、それらを具現化・解決するための手段としてソニーのさまざまな価値を付加させていく訳です。ソニーならではのユニークな提案をするために、プランナー、空間クリエイター、デザイナーなど異なるスキル持ったメンバーでチームとして活動し、その範囲も、ソニービジネスソリューションだけでなく、さまざまなグループ会社、外部パートナーを巻き込む形となります。
ソニーにはこれまで培ってきた“テクノロジー”と“デザイン”、そして“コンテンツ”という強みがあります。これら三つがあることによって、「ロケーションバリュー」についても何か他社とは違うアイデアを出してくれるんじゃないかと期待されています。面白いのは、はじめてお会いするお客さまのソニーに対する原体験はBtoCということです。テレビやウォークマン、プレイステーションなどといったBtoCの商品・サービスでの体験をもとに、BtoBにおいてもソニーのUX(顧客体験)が体験できるのではないか、という期待が醸成されていると感じます。ですので、私たちとしてはお客さまが求める目的に合わせて、時にテクノロジー、時にデザイン、時にコンテンツを、もしくはこの三つの掛け算で、ソニーグループのもつアセットを最大限駆使して、その期待を超える提案をするように努めています。
例えば、渋谷にあるソニースクエア渋谷プロジェクトという体験スペースでその一端を体感いただけます。ソニースクエア渋谷プロジェクトでは、新たなソニーの魅力を伝えることを目指し、エンタテインメントコンテンツとソニーグループの製品、テクノロジー、コンテンツなどを掛け合わせ、ユニークな体験展示を提供しています。興味のある方は是非訪問いただければと思います。
また、ここはソニーの最新技術や研究開発段階のプロジェクトを体感できる場所でもあるのですが、ソニーのデザイナー、エンジニア、プランナーなど、社内クリエイターが自分たちで考えて創り出しているのです。社員自ら楽しんでやっているからこそ、感度の高い外部のクリエイターも一緒に創ったら面白いものができそうだぞ、と集まってきてくれます。
まさに感動する「人」と、感動を創る「人」を繋ぐ、そんなソニーならではの場づくりのお手伝いを私たちもしていきたいですね。
どのお客さまも「何とかこの“場”を魅力的にしたい」と、熱い情熱をお持ちです。我々も真剣に向き合わねばなりません。事業主であるお客さまからしたら、ご自身が大きなリスクをとって賑わう“場”を創っていこうとされているわけです。その時に私たちがどれだけ自分事として提案してきているか、そこをお客さまから見られていると思うのです。ですので、私たちもたくさんの熱量を込めて、一緒に魅力的な“場”を創っていくんだという気持ちでお客さまと向き合うようにしています。そして魅力的な“場”が完成したら、その“場”が来場者で賑わう光景をお客さまと一緒に眺めることが私の達成感に繋がっています。