株式会社福島中央テレビ様は、2019年6月よりゴルフや、祭りなどのイベント中継時のコミュニケーション手段としてインカムアプリ「Callsign」の運用を開始されました。
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技術局 放送技術部 制作技術担当部長
佐藤 潤 様
株式会社福島中央テレビ様は、2019年6月よりゴルフや、祭りなどのイベント中継時のコミュニケーション手段としてインカムアプリ「Callsign」の運用を開始されました。
毎年のゴルフの中継で、UHFの簡易無線機を使用していましたが、遮蔽物で繋がらなかったり、距離が遠いホールになると繋がりにくくなったりするところに課題を感じていたところに、2年前ぐらいから、外部のプロダクションの方がIP無線を中継で使っているのを目にしていました。
通信距離に関係なく使えているのを見て便利そうだと思いましたが、初期導入に一定の費用が掛かること、また年間で維持費も掛かるところがネックだと感じていました。
そんな時に、Inter BEEなどの展示会でこのCallsignを紹介され、中継で使えそうだし導入しやすいアイテムだと思いました。普段から携帯(スマホ)は使いますし、アプリで使えるなら比較的楽に導入できるだろうし、イベントで使ってみようと思い導入しました。
主にイベントで利用をしています。これまでの使用事例としては、ゴルフとお祭りの中継で利用しました。
ゴルフ中継では、主にクラブチェック(選手が使用するゴルフクラブを確認する)で利用しました。ゴルフ場はかなり広いエリアになりますが、Callsignは距離を気にすることなく通信ができるので便利でした。
親機を設置する必要もないですし、どのホールでも使えるのが良かったです。ゴルフ場内の携帯電話の電波が良くないところもあったので、通信状況が少し心配だったのですが、問題なく使うことができました。また、これまで使っていたUHFの簡易無線機は単方向での会話だったのですが、Callsignは双方向通話で電話のように会話ができるので、そこも随分ストレスが軽減されました。
祭りの中継は「東北絆まつり」で利用しました。お祭りという人が多く集まるような場面でも、通信状況には問題がありませんでした。また、祭りの会場である福島市と、会社がある郡山市を移動しているメンバーも、会場とインカムで会話ができ、移動中に進捗状況を把握することができました。その時に、Callsignを使えば、中継先にディレクターを配置しなくても、局から直接カメラマンに指示を出すこともできるのだなと実感しました。現状としてはまだそのような運用はありませんが、今後はそういった使い方も可能だと思います。
何よりもインカムのエリアを気にしなくてよくなりました。今までだと、通信ができるエリアを気にして動かなければなりませんでした。
また、電波が届くエリアを広げるためには親機を設置しなければならなかったし、複数の親機があれば場所ごとにチャンネルを切り替えなければならないし、人数によって使えないことがありました。遊軍のスタッフがそういう事を気にせず動けるのは、Callsignで変わったことだと思います。
基本的には広いエリアで行われるイベントで使用していくことになると思います。スマホがあれば使えるし、月額で利用できるので、必要な時に申し込む形になると思います。
また、Callsignはスマホのアプリなので、今後の機能アップデートやさらなる安定性の向上に期待をしています。また、中継車のスマホ上で、各端末のステータスが見られたり、ON/OFFを制御できたりするといいと思っています(現在はweb上で確認ができる)。
他にもGPSの機能や、インターネット経由で簡単に追加の申し込みができるシステムなど、より便利になっていくと信じています、へッドセットなどのアクセサリも種類が増えると、さらに活用の場が広がると思うので、いろいろな使い方を検討してみたいです。
Callsignは無料でアプリのトライアルが可能です。業務用無線機やインカムの代わりに使ってみたい、音質や操作性を確かめたいなど、まずはお気軽にお試しください。トライアル期間中に推奨ヘッドセットのお貸出しも可能です。