静岡放送株式会社様は、2019年5月より中継現場とのコミュニケーション手段としてインカムアプリ「Callsign」のサービス運用を開始されました。
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編成業務局 メディアコミュニケーション部長
髙橋 聡 様
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技術局 技術センター 制作技術 専任部長
磯部 和紀 様
静岡放送株式会社様は、2019年5月より中継現場とのコミュニケーション手段としてインカムアプリ「Callsign」のサービス運用を開始されました。
2018年4月にWebと通信をどうつなげていくかを検討するための新しい部署が設置され、地上波の放送に加えweb放送への取り組みを開始しています。スポーツなどの各種イベントを中心に中継を行っていますが、新設の部署であるため、中継を実施する際は、必要な機材を他の部署から借用する、もしくは機材更新による古い機材を譲り受け、中継を行っていました。
この中継現場で一番困っていたのがインカムでした。インカムは中継現場で一番大事なツールになりますが、インカムを搭載している中継車が使えないこともあり、現場との連絡手段をどう構築するかが問題でした。当時は、無料のグループ通話アプリやIP無線機を利用して運用していましたが、グループ通話アプリは、通話がいつの間にか切れていることもあり安定性に欠けること、IP無線機はレンタル費用が高いことが課題と感じていました。
そんな中、展示会でCallsignの紹介を受け検討を開始し、専用機に比べてリーズナブルなこと、局で使用するインカムシステムに類似して使い勝手が良かったことから、導入を決めました。
利用シーンとしては、Web放送の用途に限らず、地上波の毎日の帯番組での中継や、駅伝やゴルフ中継といった特番、イベントにおけるスタッフ間の連絡用など、さまざまな現場で活用しています。接続距離に制限が無いため、出先と本局、出先と中継車を接続するような中継現場でCallsignを利用することが多くなります。ライセンスはスマートフォン端末を特定するものではないので、地上波のチームやグループ会社とも共有しながら運用しています。
直近では、ゴルフ中継で利用しました。今回のゴルフ中継では、webチームと地上波チームが別々の制作を行っていますが、15番ホールに限りwebチームが地上波チームのサポートに入る共同制作を行っています。Callsignが、中継車に搭載している地上波チームのインカムシステムと連携することで、webチームと地上波チームのスムーズなコミュニケーションを実現しました。
Callsignの特長のひとつであるスマホ1台で複数のグループに参加する機能も利用しています。@webチームのグループ A地上波チームのグループ B放送音声から中継現場の音声を除いた送り返しの音声 の3つのグループに参加し、会話の送信を使い分けることで運用しています。スマートフォン1台で、番組の進行状況から各グループとのコミュニケーションを実現でき、かつ、各グループのオーディオレベル調整ができるのは非常に使いやすかったです。また、朝から夕方まで1日利用しましたが、バッテリー切れも無く安心して利用できました。
BCP対策として、有事の際の局内連絡網としても利用できるのではないかと考えています。通常は部署ごとのコミュニケーションが基本になりますが、有事の際には部署を超えたコミュニケーションが必要になります。現在は電話で個別に連絡していますが、一人にしか連絡できないため何度も電話を掛けることになります。Callsignであればアプリを起動するだけで最新情報を共有することができるため、迅速な対応ができると期待しています。
また出社前からアプリを起動するだけで、情報を把握できることもメリットと考えています。駅伝や花火大会などの各種イベントに限らず、ドローンの撮影現場など利用の場を拡げていきたいと思います。
Callsignは無料でアプリのトライアルが可能です。業務用無線機やインカムの代わりに使ってみたい、音質や操作性を確かめたいなど、まずはお気軽にお試しください。トライアル期間中に推奨ヘッドセットのお貸出しも可能です。