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事例紹介一覧

コミュニティチャンネルの4K放送を視野に入れ、
ファイルベース運用による4K/HD送出を実現するSWEV-X100を導入

ミクスネットワーク株式会社 様

ミクスネットワーク様は、1990年に開局したケーブルテレビ局で特に「生中継番組」に注力され、中継車をつかった番組制作なども行っています。ミクスネットワーク様は、2018年末から始まるBS/CSの4K放送を見据え、コミュニティチャンネルの4K放送を視野に入れたシステムの構築を開始。その第一弾としてファイルベース運用による4K/HD送出を実現する番組送出システム「SWEV-X100」を導入し、2017年6月から運用を開始されました。同社の常務取締役(営業部・編成部担当)の森崎健吾様に同システムのコンセプトや成果・評価について伺いました。
なお、記事は9月上旬に取材した内容を、編集部でまとめたものです。


森崎健吾様
常務取締役(営業部・編成部担当)

4K放送を視野に、4K化を推進

制作用機器のXDCAMメモリーカムコーダーPXW-Z450(写真・左)と、番組自動送出システムSWEV-X100(写真・右)を導入。

当社のコミュニティチャンネルでは、民放と変わらない品質の番組制作を心がけ、日夜努力をしています。視聴者は民放の番組を見慣れているため、そのクオリティが基準となっています。ケーブルテレビでも、民放より品質が落ちる番組では、すぐにチャンネルを変えられてしまうのです。
もちろん、放送に使う制作機材にも気を配っています。デジタル放送に切り替わるタイミングで、機材を一新しているのも民放と変わらない品質の番組制作を心がけているからです。

2018年末には、BS/CSを皮切りに4K放送が開始されます。当社も4K放送を見据えた準備を進める必要が出てきました。そのために2つのステップで準備を進めています。
まず、第1ステップとして取材・編集の4K化を実現し、第2ステップとして導入済みの番組自動送出システム「SWEV-X100」の4K化を考えています。

製品を選んだ決め手

以前の送出システムは2002年に導入したソニーの「SWEV-A100」で、15年という長期間にわたって使い続けてきました。
実は、数年前からリプレースを検討してきました。しかし、その段階で4K放送の開始が見えはじめていたため、少し待って4Kを送出できるシステムにリプレースをしようと考えていたのです。

4K送出できるシステムを探し、展示会などにも足繁く通い情報収集をしてきました。その中で、4K/HDを送出可能な「SWEV-X100」の開発が進んでいることを知り導入の検討を始めました。

SWEV-X100に決めた理由は、HD放送の多チャンネル運用や4K放送との混在運用もできること。HD信号を4K信号にするアップコンバートや、4K信号からHD信号にダウンコンバートする機器とつないで、サイマル制御にも対応したシステムが組めることです。また、番組コンテンツの管理機能を標準装備しており、HDコンテンツと4Kコンテンツを一元管理できることです。4K放送を視野に入れている当社にとって、必要な機能がすべて提供されていました。

さらに、長期間にわたりソニー製送出システムをつかっているため、旧機種からの移行もスムーズに行うことができそうだ、という点も選定のポイントになりました。

導入効果

HD放送の多チャンネル運用や4K放送との混在運用ができるSWEV-X100、以前の送出システムからの移行もスムーズに完了。

ねらい通り、SWEV-X100への移行は非常にスムーズでした。GUIが強化され、複数の作業ウィンドウを立ち上げることができるようになり、スタッフの生産性向上に役立っています。以前の送出システムと異なる部分も多かったため教育は必要でしたが、最小限で済んだと思います。

また、これまで一部でリニア編集が残っていましたが、ノンリニア編集に完全に移行しました。現在は、4K放送をにらみ、サーバーを核にしたシステム化を行っているところです。ファイルベースでの運用となり効率化が進んでいると実感しています。データのやりとりや運用の手間が少なくなりました。

4Kコンテンツを作成して驚いたのが、そのファイル容量です。HDコンテンツと比較し、サイズが膨大になり、編集や転送なども一呼吸置く状況となっています。これらについてはハードウェアの進歩によって、今後改善されていくと思いますが、現状では発展途上という印象は拭えません。

また、コンテンツ容量が増えたため、サーバー容量の残量を気にする必要がでてきました。HDコンテンツのように貯め続ける運用はできず、不要なコンテンツはサーバーから削除する必要があります。この運用の徹底が新たな課題となっています。

この点でもSWEV-X100を導入したメリットがありました。SWEV-X100は、番組スケジュールと連携し、番組コンテンツサーバーから送出サーバーへコンテンツを自動転送できます。サーバー内に残っている不要となったコンテンツを自動削除できるので、サーバー容量を圧迫することがありません。このあたりも4K放送だからこそ必要となる機能だと思います。

今後の展望

現状でも4K放送は可能ですが、これは最終形ではありません。今後はより4K化を充実させ、お客様に4Kコンテンツをお届けしたいと考えています。まだ、機器やシステムの選定などで悩んでいる部分もありますが、その中で最適なものを選んでいきたいですね。

機器選びで重要なのは、必ず自分の目で見て確認すること。普段から調査を重ね、メーカーがどのような機器を開発しているのか、開発状況はどうなっているかなどを把握しつつ、自社の将来を見越して製品やシステムを選定していく必要があるでしょう。

ソニーには、今後も新しいシステムの提案をして欲しいですね。以前は、ソフトウェアなどで弱い部分もありましたが、最近では安心できる形になってきています。これからも期待しています。