2011.2.24 掲載
約500坪の店内に25台のフルHDネットワークカメラを設置。
レコーダー1台での一元管理と、実務的な従業員指導を実現。
R.O.U幕張店様は、各売場がお客様視点で商品やサービスを展開する「次世代GMS1号店」として、2010年9月18日にリニューアルオープンしたイオン幕張店内に出店しました。従来のGMS(総合スーパー)にあった商品カテゴリーごとの売場分類という枠を超え、さらに直営売場と専門店事業会社による専門店ゾーンという垣根もなくし、商業施設全体としての「便利」「魅力」「楽しさ」「信頼」を提供する新たな施設への革新に取り組んでいます。
イオンリテール株式会社
Zakkaプロジェクトチーム システム総務マネージャー 倉科弘様
にお話を伺いました。
照明器具のサイズに劣らないコンパクトモデル『SNC-CH210/S』
当社では、ショッピングモール内のモニタリングカメラのことを「安全安心カメラ」と呼んでいます。お客様の安全・安心を見守っているカメラという意味です。ショッピングモールに限ったことではなく、近年では様々な事件や事故、犯罪が話題となっています。実際に何かがあった場合に、その時何があったのか明確にできるシステムが必要だという考えから、イオンではモニタリングシステムを導入しています。
その一方で、モニタリングシステムには犯罪抑止の効果も期待しています。ダミーカメラを設置するという意見も聞きますが、犯罪を企む人物・グループにはダミーカメラは簡単に見破られてしまいます。犯罪抑止としての効果をあげるためにも、きちんとしたシステムの設置が必要だと当社では考えています。
店舗の内装を阻害しないデザイン性
今回のシステム検討は、2010年5月頃から開始しました。イオンは全国展開していますし、モニタリングシステムの導入は初めてではありません。過去の導入事例も踏まえ、数社のシステムを検討した結果、ソニーのネットワークカメラレコーダーNSR-1200とネットワークカメラSNC-CH210を選択しました。大きな理由としてあげられるのは、フルHD解像度対応で高精細な映像監視が可能であること、それでいて低コストであることです。また、ネットワークカメラレコーダーNSR-1200が1台で最大64台のカメラに対応できる点も評価しました。複数台あるとその分設置スペースも必要となりますし、それだけ電気も消費します。電気の消費はランニングコストに関係しますし、CO2排出にもつながります。この部分を重要視したわけではありませんが、1台で対応できるならば様々な観点から利便性が高いと考えました。ネットワークカメラSNC-CH210のユニークなデザインは店内の景観を邪魔せず、それでいて意識して眺めればカメラだと分かるため、お客様の安心と出来心を含んだ犯罪抑止の両方に適していると判断しました。
2010年8月に、ネットワークカメラレコーダーNSR-1200を1台と、ネットワークカメラSNC-CH210を25台導入しました。カメラは売り場内に23台、バックヤードに2台設置しています。約500坪の売り場に、ほぼ死角ができないようカメラを設置しています。
レジ周りのフルHDモニタリングシステム
NSR-1200のGUI画面
従来のSDシステムではなくフルHDのシステムを導入したのは、レジでのお客様とのやり取りがはっきり見えるようにという理由があります。レジでは金銭のやり取りを行いますので、アクシデントが一番生じやすい場所です。店員の勘違いや対応ミスのこともありますし、失礼ながらお客様の勘違いによることもあります。SDシステムでは店員の手元が曖昧にしか記録できず、映像を見てもフラストレーションが溜まることがありました。現在のフルHDシステムではお札の人物の顔まで見えますので、お客様の問い合わせに対して明確な答えが返せます。また、店員のミスによるトラブルの場合には、本人に実際の映像を見せながら、どこが良くなかったのか、本来はどう対応すべきだったのかなどを指導し、反省を促すことが可能です。自分自身の行動を振り返りながらの指導ですので、高い効果が得られます。
ネットワークカメラレコーダーの操作はマネージャークラスが行いますが、やはり家電とは異なる特殊なシステムですので慣れるまで多少の時間が必要ですね。慣れれば問題ありませんし、1台で管理できるのはやはり便利だと思います。
本システムを導入してからまだ5ヶ月ですので、信頼性や保守面の評価はこれからというところです。実はネットワークカメラレコーダーの容量を2TBにしたため、レジまわり以外のカメラ映像は画質設定を落としています。本システムの高画質性能を活かしているとはいえず、現場のマネージャーからももったいないという意見がありました。コストがかかることなので課題もありますが、将来はネットワークカメラレコーダーの容量を増やしたいとは考えています。ソニーさんには、性能を高めるとともに、さらに低コストでの製品開発を期待しています。